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ワイングラスにつく『垢・匂い』の原因を科学的に解明する/効果的な5つの対策

当店では、水にもグラスを使っていますが『垢・匂い』が残っていることが、稀にあります。

垢については、「経年劣化として発生してしまうもの」であり、消耗品として捉えていますが、それを最大限遅らせることはできますし、手間を惜しまなければ、ほぼ完全に抑えることも可能です。

以下の方法で垢の発生を遅らせることができます。

無料で提供している水につかっているグラス

■まず垢の原因について詳しく知っておこう

垢の主な原因は、水道水中の硬度イオンであるカルシウムとマグネシウムです。これらのイオンが、水中の二酸化炭素や炭酸水素イオンと反応して、カルシウム炭酸塩やマグネシウム炭酸塩の沈殿物を生成します。

これが、ガラスや食器類に付着する垢の主要成分です。

研究によれば、水道水中のイオン濃度水の温度、水道管の材質などが、垢の生成速度や量に影響を与えることが示されています。

論文タイトル: Effect of Calcium and Magnesium Ions on Scaling in Water Distribution System 著者: P. Gao, Y. Wang, G. Li, Z. Li 出版物: Desalination and Water Treatment 出版年: 2015 巻: 54 号: 4 ページ: 1014-1021

また、硬度イオンの他にも、鉄やマンガンなどの金属イオンや、有機物、微生物が垢の生成に関与することがあります。特に、鉄やマンガンのイオンは、酸素と反応して酸化物を生成し、垢の一部となることがあります

垢の生成を抑制する方法として、水道水の浄化処理や、浄水器の使用が挙げられます。浄水器によるイオン交換や逆浸透膜処理は、カルシウムやマグネシウムの硬度イオンを効果的に取り除くことができます。

このような処理により、垢の生成が抑制され、ガラスや食器類の劣化を遅らせることが期待できます。

  1. 浄水器の使用:水道水の硬度を減らすために、カルシウムやマグネシウムのイオンを取り除く浄水器を使用してください。イオン交換樹脂や逆浸透膜を使った浄水器が効果的です。

  2. 乾燥方法の変更:水滴が自然に乾くのではなく、すぐに柔らかい布で拭きましょう。これにより、水道水に含まれるミネラルがグラスに残ることを防ぐことができます。

  3. クエン酸でのすすぎ:水道水での最後のすすぎの代わりにクエン酸と水を混ぜたものでグラスをすすぐことで、垢の発生を抑えることができます。酢は、カルシウムやマグネシウムの沈殿を溶かす働きがあります。

  4. お湯でのすすぎ:水道水ですすぐ際に、温水を使用することで、垢が付きにくくなることがあります。温水は、カルシウムやマグネシウムが沈殿しにくいため、垢の発生を抑える効果が期待できます。

その他の効果についても探っていきましょう。

■グラスを洗う泡をしっかり泡立てて洗う

泡立てた泡が細かい場合のメリットには、以下のような点があります。

  1. より広い表面積:細かい泡は、より広い表面積を持ちます。これにより、洗剤の表面活性剤がより多くの油や汚れと接触しやすくなり、効果的な洗浄が可能になります。

  2. クッション効果:細かい泡は、より密度が高くなるため、グラスや食器類とスポンジの間にクッションの役割を果たします。これにより、摩擦力が緩和され、グラスや食器類の傷つきを防ぐことができます。

  3. 隅々まで行き渡る:細かい泡は、グラスや食器類の細かい隙間やくぼみにも行き渡りやすいため、洗浄が行き届くことが期待できます。

泡の大きさに関する数値は、一般的に直径で表されます。泡の大きさは、状況や目的によって異なりますが、一般的な範囲を示します。

  • 細かい泡:直径が約1-50マイクロメートル(µm)

  • 中くらいの泡:直径が約50-500マイクロメートル(µm)

  • 大きい泡:直径が500マイクロメートル(µm)以上

■グラスをお湯で洗う

グラスをお湯で洗うことで匂いが軽減される理由

  1. 温度と溶解性:高温のお湯は、低温の水に比べて油分や汚れを効果的に溶解・洗浄することができます。これは、温度が上がると分子運動が活発になり、油分や汚れの分子と水分子の相互作用が強まるためです。匂いの原因となる物質も同様に効果的に溶解・洗浄されるため、匂いが軽減されます。

  2. 殺菌効果:お湯は、一定の温度以上(通常は約60℃以上)で細菌や微生物に対して殺菌効果を持ちます。匂いの原因となる細菌や微生物が減少することで、匂いも軽減されます。

  3. 表面活性剤の効果:洗剤に含まれる表面活性剤は、温度が高いほど効果的に働くことがあります。お湯で洗うことで、洗剤が油分や汚れに対してより強力に働き、匂いの原因となる物質も効果的に洗浄されます。

ここまで説明する必要があるとは思えませんが、お湯とはつまり温かい水分子ですから、つまり熱エネルギーの高さ、運動量の大きさを意味します。

それによって、水分子の運動が活発なお湯は、油分や汚れの分子との相互作用が強まります。この結果、油分や汚れが効果的に溶解・洗浄され、匂いも軽減されることになります。

これはシルバーや食器にも効果的ですが、特に繊細なグラスに最も使える方法であると言えますね。

ここまでの対策を講じても、最後に水洗いしてしまうと
その水が原因で垢がつきます。グラスの内側だけでなく、外側にもしっかり水垢対策することが必要です。

上記で述べたように、最後に浄水気の水でしっかり洗うことや、グラスの全面をお湯で流すことや、しっかりと柔らかい布で拭き上げることが重要になります。

■匂いの原因である、グラスの油汚れ

汚れから匂いがする理由は、以下のようなものが考えられます。

脂肪酸の酸化:グラスに付着した油汚れが酸化することで、脂肪酸が生成されます。脂肪酸には、強い臭いがあるものがあり、この臭いが匂いの原因になることがあります。

ワインとの反応:ワイングラスに残留した油汚れが、ワインと反応して匂いを発生させることがあります。例えば、脂肪酸とワイン中のアルコールが反応することで、エステルと呼ばれる化合物が生成され、この化合物が匂いの原因になることがあります。

洗剤の成分の影響:ワイングラスを洗った際に、洗剤の成分が残留している場合、油汚れが残っているときよりも匂いが強くなることがあります。これは、洗剤の成分が油汚れと反応して新しい化合物を生成し、匂いの原因になるためです。


洗剤が油汚れを取る仕組みには、以下のようなプロセスがあります。

洗剤に含まれる界面活性剤は、油と水の間の界面に作用し、油と水を混合させます。油は水と混ざらない性質を持っているため、このプロセスによって油が分散し、水に溶けやすくなります。

また洗剤に含まれる界面活性剤が油と混ざり合うことで、油を小さな粒子に分散させ、油と水の混合物である泡を形成します。これによって、油が水に溶けやすくなり、洗浄が容易になります。

■グラスに垢がついた時の、垢の取り方

基本的には『水垢取り用の洗剤』をつかいます。

最初に注意点として、知っておくべきことは必ず細かくて柔らかいスポンジを使用することで、研磨される成分が入っているものは使ってはいけません。また、水垢はついてしまうと基本的に全てを取ることは出来ないと思った方が良いです(グラスの曇りなどはマシになる)

水垢取り剤に含まれる成分は多岐にわたりますが、一般的には以下のような成分が含まれています。

  • 酸性の成分:クエン酸、酢酸、グリコール酸、塩酸、硝酸、リン酸など。

  • アルカリ性の成分:炭酸ナトリウム、重曹、アンモニア水、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンなど

  • 界面活性剤:アルキルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなど

ただし商品によっては、これらの成分以外にもさまざまな成分が含まれる場合があります。

垢がついてしまったグラス

ただ、上記画像のように水垢がついてしまった場合は、水垢取り用の洗剤を使っても、水垢が原因物質がつき、それが硬質化した場合はある程度の研磨をしないと、完全に取れなくなっている出よう。

水垢は、水道水中に含まれる石灰分やマグネシウム分が蓄積したものであり、水中に溶けている状態で存在します。水垢が固着し、硬質化する原因は、水垢が長時間付着していることや、水垢が蓄積された場所が湿ったままであることです。水垢が長時間湿ったままであると、鉱物質が固着し、硬質化することがあります。

ですから、日々の適切な洗浄が大事という事です。それによって匂いも防ぐことが出来ます。

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