子どもの頃に、捕まえたカナブンを逃がした話

私は幼稚園児の頃に、よく虫をキャッチアンドリリースしてました。
特にやっていたのが、てんとう虫、かたつむり、だんごむしでした。
こやつら、綺麗な見た目をしてるんですよね。でも、僕の手で虫の天寿を全うさせられるだけの甲斐性は無いことは悟っていたので、捕まえる度に毎回逃がしていました。
ある日、メタリックグリーンに輝く甲虫を見つけました。
実は僕、メタリックグリーンが大好きなんです!!
その時におばあちゃんと一緒にいたので、「カナブンよ」と甲虫の名前を教えてもらいました。
一目惚れして、透明のナイロン袋に手早く入れて捕まえました。
私は基本的に捕まえた虫は逃がすようにしていましたが、カナブンだけは鮮烈で美しい色をしていたので逃がしたくありませんでした。
自分のものにするつもりでした。
ですが、ナイロン袋の中で、カナブンはけたたましい羽音を立てながら袋を脱出しようとします。
私がそのカナブンの必死な姿を1分くらい見たあとでしょうか。なんか込み上げてくる感情があり、逃がしました。カナブンは力強く飛んでいきました。
それを最近思い出し、私とカナブンの姿を重ねることがあります。
私は自由を奪われることを最も嫌います。精神病院で医療説明もなしにゴリマッチョの武人のような奴等に取り押さえられて何度も鎮静剤を打たれ、体を動かせずに小便を垂れ流した屈辱的な経験を複数回しました。
以降、自由であることの尊さを知るようになりました。
カナブンも、自由気ままに空を飛び回りたかったのに私に自由を奪われて、激しい怒りで羽を羽ばたかせたんだろうかと思ったりしています。
カナブンは今も好きな虫の一種です。

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