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NEXT GIGAでは標準アプリか?有償アプリか?そんな二項対立を超えたい。

GIGAスクール構想で1人1台端末を整備したタブレットやPCのリース契約が終了間近になるため、令和6年度から公教育の現場では端末更新の調達に向けた準備や情報収集が始まります。(特に教育委員会)
業界内ではNEXT GIGAと言われおり、国が端末更新の補助金を出すことで1人1台端末を引き続き再整備し、子供達のICTを使った学びを止めない政策が動き出します。
昨年度までのGIGAスクールを振り返る1つの視点で、現場で起きていた二項対立があります。それが標準アプリか?有償アプリか?という対立構造です。こちらについて、すこし考えてみたいと思います

1、標準アプリとは?有償アプリとは?

標準アプリとは、ざっくり説明すると、iPadとChromebookとWindows端末に標準で搭載されているアプリケーションのことです。いわゆるiWork・Microsoft 365・Google Workspaceを指しております。
一方の有償アプリは、EdTech企業が提供する教育アプリやソフト、サービスのことを指します。

2、標準アプリを推奨する声とその背景①

GIGA端末で使うアプリ選択に関する議論で、標準アプリを推奨する声があります。声が出てくる背景として2つあるのではないか?というのが私の考えです。
まず1つ目は、iWork・Microsoft 365・Google Workspaceは社会で広く使われているツールだからです。子供たちが将来、社会に出たときにこれらのツールを問題なく使えるように、今からでも扱えるようスキルを身につけるべきという声があります。

確かに、私自身も仕事ではMicrosoft 365やGoogle Workspaceなど活用しております。確か、20代から学び始めましたがその時の経験が今も少なからずいきています。

2つ目の背景ついて、これは経験談も交えて紹介します。

3、その背景②と有償アプリの功罪(自戒を込めて・・・)

他方で有償アプリを推奨する声もあります。コロナ禍の子供達の学びを止めずに先生たちがICTを利用することができたのは、さまざまな有償アプリを使って家庭学習やオンライン授業をしました。また、アフターコロナでは共同作業しながらプレゼンスライドを作成したりする子供たちの意見を共有しながら大人顔負けのディスカッションや学び合い・教え合いが活発になるような授業展開が行われるようになりました。

これらの教育が実現できたのは、自治体や学校が予算をとって有償アプリを購入し先生たちが授業の中で活用したからだと思います。

しかし、一方でメーカーは自社製品やサービスを教育委員会や先生に推しすぎました。その結果、自治体・先生視点、さらにその先の子供視点にたって伴走することができたか?というと、「はい」という回答を自信持って言えないのが現実です。

有償アプリの企業は、提供しているプロダクトやサービスで売り上げを立てています。だからこそ、つかってもらう=予算獲得の確度があがる=売上UPにつながる構造になってました。

「あれもできます、これもできます」みたいな説明が、かえって現場を混乱をさせていたかもしれません。

そういう背景もあり、現場の先生方は「使うことが目的ではない」「あれもできる、これもできるといわれたが結局何ができるかわからない」みたい声が出てきてしまいました。
そして反動で、社会人になってもつかう標準アプリを使った方が良い、という声になったのだと思われます。
思えば、私自身もしていたかもしれないな?と自戒を込めて、上記のようなことを述べております。

4、二項対立を超える鍵は、標準アプリと有償アプリを組み合わせた授業設計

このような背景も踏まえ、NEXT GIGAはこの二項対立を超えた実践を深めていくことが鍵になります。一方のアプローチに偏ることなく、標準アプリと有償アプリを組み合わせるような取り組みです。

試行錯誤ではありますが、昨年度から、以下のような標準アプリと有償アプリを組み合わせた授業実践を紹介する取り組みを始めました。

かならず整備される標準アプリの普及と、個別最適や協働学習に対応する有償アプリのプロダクトサービスをうまく組み合わせることで、こどもたち一人ひとりに合わせた豊かな学びが可能になるのではないか?
そんなことを考えながらNext GIGAをさらに豊かな学習環境になるよう、模索していきたいと思います。

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