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『贖罪』/湊かなえさん読了。


『贖罪』、読了しました。
個人的に湊かなえさんの本を拝読するのは2回目となります。
前回読んだのとはまた違った読み方をしてみました。犯人を予想しながら読むのではなく、4人の女性がどう贖罪を解釈して償いをしていくのか予想しながら読んでいました。


《  あらすじ  》

15年前、静かな田舎町で1人の女児が殺害された。直前まで一緒に遊んでいた4人の女の子は犯人と思われる男と言葉を交わしていたものの、なぜか顔が思い出せず、事件は迷宮入りとなる。
娘を喪った母親は彼女たちに言った、
あなたたちを絶対に許さない。必ず犯人を見つけなさい。それができないのなら、わたしが納得できる償いをしなさい、と。
十字架を背負わされたまま成長した4人に降りかかる悲劇の連鎖の結末とは!?

『贖罪』裏表紙から引用。



最初からいきなり苦手な表現あり、
読み切れるか不安になりましたが、この本の形式が終始語り掛けるような文章だったので、私が登場人物それぞれから話を聞いているような感覚となり、
世界観に引き込まれていきました。やはり、湊かなえさんはすごかったです。


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ネタバレ注意です⚠️







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結局、エミリちゃんのこと以外ですべての悲劇的な出来事を理由づけるのは、エミリちゃん事件による“精神的ショック”やもしくは“エミリちゃん母による言葉の呪い”、つまり言葉のもたらす怖さだと考えました。


エミリちゃん母は決して悪くはなくむしろ被害者家族なのに、
「そのつもりのなかった」が発してしまった言葉(贖罪の指令)が結局は呪いになってしまった・・・
どの子供たち(当時の)も、あの事件の呪いとエミリちゃん母の言葉の呪いが(と表現させていただきます)、それぞれのあの悲劇的な出来事の直前に頭に浮かんでしまうほどだったわけですから。


ラストの犯人を知った時の衝撃とショックはけっこう大きかったです。
唖然としました・・・

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