febs『まちぼうけ』(2018)

★★★★☆ また活動してほしい気待ちの星四つ


早速サブスクに一切なくて申し訳ないんですが、今回は大好きな札幌のスリーピースバンドの話です。

彼らの音楽を初めて聞いたのは、Art Theater Guild(彼らについてもいつか書きたい)の来札時の対バン。札幌に演奏が上手なバンドは数あれど、ライブで心を握りつぶされるような感覚を覚えたのは彼らしかいないです。

そんな彼らこと、febsによる自主制作の2ndミニアルバム。

NOT WONK加藤さんの「そっけなくてかっこいい」。まさにこの言葉がぴったりすぎて、引用させてもらいました。本当に、そっけなくてかっこいいんです。

音はシューゲイザーっぽさをほのかに感じさせつつも、比較的ストレートなオルタナ系ギターロック。ここにややハイトーンで震えるようなボーカルが乗っかります。音は結構荒削りなので、それは少し人を選ぶかもしれない。

特筆すべきは曲の良さ。キャッチーさは正直ほとんどない。でも静と動の使い方がとにかく上手くて、盛り上がるところでもう一気にワーーッと心を掴まれて揺さぶられる。それが全然わざとらしくもいやらしくもなくて、ひたすら無骨でかっこいい。

夜の環状線沿いの道路で風と排気ガスを受けながら、もしくは帰りのバスでひとり沈みながら聴きたい感じ。個人的ベストトラックはライブで心を握りつぶされた『中指』。サビで心を持ってかれて思わず叫びたくなる。

2000年代の邦楽ロックを聴いてた人にはおそらく耳馴染みが良いと思います。THE CHEWINGGUM WEEKENDみたいなエモーショナルなギターロックが好きな人はもちろん、『ファンクラブ』の頃のアジカンやSyrup16g、あとはTHE NOVEMBERSの音作りやアンニュイさが好きな人にも聴いてみてほしい。

…とはいっても自主制作盤なので、買えるところも聴けるところもかなり限られてるのが実に残念。今のところ、札幌の音楽処というお店で買えます。

もしfanを聴いて好きだなーと思ったら、他の曲も好きだと思うので躊躇せず買ってほしいです。

正直、買ってから何回聴いたか分からないです。そしてこれからも聴き続けるでしょう。こんな作品と出会えるなんて、世の中捨てたもんじゃないし、ライブハウスにも行くもんだな。

残念ながら今はもうほとんど活動してないみたい。またいつか観れる日を心待ちにしています。


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