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日銀破綻 持つべきはドルと仮想通貨 藤巻健史

はじめに

歴史的事実として、異次元緩和を行ったドイツの元中央銀行・ライヒスバンクは終戦後に潰れ、今の中央銀行「ブンデスバンク」に取って代わられました。
ドイツは今でも「異次元緩和」に大反対です。
ライヒスバンクに起きたことは、日銀に起こらないとは、私には到底思いません。

ハイパーインフレの共通する原因は「弱い政府」の存在である。
具体的には財政支出の膨大化を抑制することができず、また、肥大化した財政支出を賄うための徴税能力を持たない政府、政府の財政赤字を紙幣の増刷で賄うことを拒否する独立性を持たない中央銀行の存在である。

金融システムが崩壊しても、日本がなくなるわけではありません。
新中央銀行は設立されますし、市場原理は偉大です。
しかし、経済再生するまでの混乱期は大変です。
混乱期の政府は頼りになりませんから、自分で自分自身や家族を守らねばなりません。

なぜ日銀の現役は黙っているのか(コラム)

「異次元の量的緩和」政策に日銀OB達の多くも異を唱える人が多くいます。
ところが現役の日銀マンに、そのような人はいないのです。
日銀マンは、反対論を唱えれば出世が遅れ、定年後に次の職場を斡旋してもらえないリスクが生じます。
中央銀行としての秩序よりも家族を養えないリスクに慄いているのです。
その意味での終身雇用は、国の金融政策をも誤らせているのです。

異次元緩和は日本株、国債、円の大暴落で幕を閉じる

大暴落はある日、突然起こると思っています。
日本株、国債、円の大暴落、日本売りがいきなり始まるのです。
異次元緩和は究極の日本売りで幕を閉じるのです。
当然予想された政策ミスの結果であり、人災です。
溜め込んだ累積赤字を市場が暴力的に解決しただけなのです。
「問題の先延ばしはこれ以上、無理」と市場が最終判断を下すのです。

インフレがなぜ大増税と同じか(参考)

1000万を借りている個人タクシーの運転手さん(債務者)は、タクシー初乗り100万円の悪性インフレが来れば、1日で借金を返せます。
一方、10年間で1000万円貯めた預金者(債権者)は、10回タクシーに乗ると預金が無くなります。
このようにインフレは債権者から債務者への富の移行なのですが、日本において債権者は国民、最大の借金王は政府です。
従って、インフレは国民から国への富の移行という意味で税金と同じなのです。

避難通過としてドルを買う

米国は政治も軍事力も経済も今や世界最強です。
保険を買うときに潰れそうな保険会社の保険は買わないと思います。
安心な保険会社の保険を買うでしょう。
それと同じように、保険としては強い国の通貨を買うのが王道です。
よく金利の高い新興国通貨はどうですか?
と聞かれますが、流動性のない市場の金融商品は、いざという時に逃げることができません。
大事なのは儲けることではなく、自分を守ることです。

テーパリングを誤解している人が多すぎる

ダイエットに例えると、量的緩和の「引き締めに入る」とは体重が減り始めることを言います。
ニュースで報道される「日銀の資金供給増加にブレーキ」とは、その増え方の程度が落ちたにすぎません。
体重が増えずに一定になることを「テーパリングの完了」と言います。
ダイエット(=体重の減少)はそこから始まるのです。
ということで、テーパリングの意味は「中央銀行が金融緩和政策による金融資産の購入額を徐々に減らしていく」ことでテーパリングの開始とは金融引き締めの方向転換ではありません。
テーパリングが完了して、そこから始めて引き締めに入るか否かの議論が始まるのです。

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