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デジタルとAIの未来を語る オードリータン

●本書内容
8歳でプログラミングを始めてから30年間にわたりデジタルと関わってきた私が、テクノロジーが世の中をどのように変えるのか、また人間はテクノロジーに対してどのように向き合って活用していけばいいのかを述べたもの。
インタビューの条件。インタビューやスピーチの内容をインターネットで公開すること

●序章 台湾のコロナ対策
SARSの経験を生かした感染拡大防止策

・新型コロナ歴史
12日31日コロナ初報道
1月20日死者の話題
1月21日クルーズ船初報道
1月23日WHO記事が活発化


●台湾の感染対策
・1月20日
厚生労働省(日本で言えば)の下に中央感染症指揮センターを設立。
・1月22日
武漢からの入国禁止
・1月24日
中国からの入国禁止

スマホ活用し感染経路の確認及び感染者と接触した可能性のある人たちに警告メール送信。
民間企業にマスク増産要請→政府買上げ
結果→ロックダウン、学校休校、飲食店強制休業なし
社会の繁栄と防疫対策を両立させ、コロナ逆境下でもGDPプラス成長実現。その後、各国に大量のマスクと防護用品を支援。

●蔡英文政権の面々は全員SARS経験を共有
少数が高度な知識を持つより大多数が基本知識を持っていることが重要である。
よって互いに情報をリマインド(再確認)し意見を出し合える。前代未聞の出来事の決定権が1人に託された時に果たして的確な判断ができるのか?情報の共有の大切さがわかる。

●マスクについて
台湾の国民皆保険制度を利用して健康保険カードを使った実名販売開始。
スマホを使ってコンビニで購入したするシステムを設計。
自動販売機でキャッシュレス決済できる。
→誰がマスクを購入したという情報が政府に共有される

●マスクマップアプリを提案
行政がマスクの流通、在庫データを一般公開。
シビックハッカーの協力で効率的に購入できるようになった。
国民←→政府 信頼している
緊急事態宣言をしなくても国民が自発的に協力してくれる


●1章 デジタルを利用してより良い社会を作る
デジタル技術は道具。コロナ禍において石鹸やアルコール消毒を科学的テクノロジーに置き換えることはできない。しかし、石鹸の使い方を広く、早く人々に理解してもらうことができる。
石鹸で手洗いを呼びかけた結果、どれだけ石鹸を使われたかわからないが、水の使用量が増えているデータがから、手を洗っていることを推測できる。 

今後、人間が行なっていた中間的な仕事の大部分はAIに任せることが可能になる。ただ、最終的に仕事の品質や調整に責任を持つのは人間。AIと人間の協力モデルが標準になってくる。
オードリータンとコンピュータの関係はスティーブ・ジョブズが言った「精神的な自転車(bicycle of mimd)」。
自転車を使うことで山登りを楽にできる。これは自転車の方が人間より山登りが得意という意味ではない。重要なのはツールではなく、どこへ行き、何をしたのかです。

AIは2045年にシンギュラリティ(技術的特異点)が到来し、
AIの能力が人間を上回るという説。

●2章 公益の実現を目指して
小学生時代いじめに遭う
校長先生に中学を中退したいと告げる。
→大学に行かないと憧れる人たちと仕事できないよ
→もう既に一緒に仕事しています
(ネットを通じて教授たちとやりとりをしていた)
→明日から学校来なくていいよ
中学は義務教育だったため中退させると法律違反であり、校長先生に罰則が課せられる。
→校長先生は教育局の監査が入った時はあたかも在籍しているように守っていた。
両親は校長先生を尊敬していたため、中退を受け入れてくれた

14歳 中退 
15歳 出版社を起業。本を執筆し出版していた。
   その後ソフトウェア開発会社に変わっていった。
18歳 シリコンバレー起業
33歳 ビジネス引退。Siri開発に参画
     Siriを外国言語に対応させることや、
     Siriが学んだことを他のSiriとデータ共有を行い学習
     するプロジェクト等
35歳 蔡英文政権に入閣

●3章 デジタル民主主義
デジタル民主主義のメリデリ
・インクルージョン(一体性)
 国民全体を巻き込むインクルージョンが達成しないとデジタルツールにアクセス出来る人、出来ない人の差ができてしまう
・説明責任
 AIが出して答えに国民は理解を示すか。政府が説明責任を負わなければいけない

●5章 プログラミング思考
プログラミング言語ではなく、プログラミング思考を学ぶこと。一つの問題をいくつかのステップに分解し多くの人達が共同で解決するプロセスを学ぶ。
最初から最後まで1人の力で解決方法を考える。やり方とは異なる方法を学ぶことでどの分野でも通用する問題解決の方法が身につく。
つまり、プログラミング思考とは一つの問題を小さな問題に分け、複数が共同で解決すること。

①オードリータンの生い立ち
 ・中退
 ・起業
 ・ジェンダー(無性別)
②台湾のコロナ対策
 ・マスク在庫管理
③デジタルでより良い社会を作るには
 ・AI活用
 ・国と国民の双方向性
 ・プログラミング思考

書評
台湾のコロナ対策はSARSの経験をベースに構築したもの。
官民の連携によってできたマスク在庫管理アプリはスピード、信頼性どれをとっても日本にはできないもの。
オードリーはデジタルは国民のデジタライズの底上げとして利用しているように思えた。最新鋭の設備で研究して豊かにするというよりかは、地方から5G整備を整えたり、デジタルにアクセスできない人々(高齢者)を置いていかないようにデジタルをどう活用するのか。国民全員が豊かになるための政策や思考がある。
デジタルという切り口で人間社会や民主主義、コロナ、教育についてどうしたらよいかを書いている。

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