見出し画像

株の鬼 100則 石井勝利

業績と株価は連動しないと心得る

本書はあなたにヒントを与え、「勝利の確率」を高める。
最初に知って欲しいのは、株価が大きく上がり変動する要員は業績ではなく、材料の大きさだということ。
良い業績だから上がるというのは、幻想だ。
株価が大きく変動するのは「びっくりするほどの材料が出た時」
サプライズ材料に、市場は驚いて反応し買いがどんどん集まる。
それは今儲かっていなくてもだ。

業績が良くても株価は暴落する

業績は極めて良いのに、株価の伸びはイコールではない。
業績が前期よりも良かった。だから上がるはずだ。
そういう常識で株の売買をしても、現実には予想を裏切られてしまう。
株というのは「材料の先食い」がである。

赤字でも株価が上がる

赤字の発表があると、株価が反騰する。
なぜ、そうなったからは「後付けの講釈」
言うなれば、「思ったほど悪くなかった」からだ。
株価は過去を買うのではなく、来期、来々期を睨んで「先食い」する特徴がある。
足元の業績がいかに悪くても、その業績による赤字を覆うばかりか、反転、大増益の夢をはらんだ何かの材料が明らかにされていると「株価の先食い」の動きが始まり、それに投資家やファンドが相乗りする。
これが、赤字→大増益の期待となり、足元の赤字は、将来の夢の実現のためにの準備に過ぎないと見なされ、全く問題にされないのだ。

悪材料が株価を上げる

株式市場では「なんだかはっきりしない」「不安である」というのが、一番嫌われる。
はっきりしていなくても、夢があれば買われるのが株。
2016年6月に決定したイギリスのEU離脱問題はイギリスに進出している多くの企業に衝撃を与えた。
その後2年半経っても具体的な離脱の条件がイギリスとEUで決まらないことが、不安に拍車をかけていた。
2019年2月にHONDAは「イギリス工場を閉鎖する」ことを明確にした。
これでHONDAの株価は急騰した。
本来、工場の閉鎖は売れ行き不振、経営悪化がなければ行わない。
HONDAの工場閉鎖は「良いニュース」ではなかった。
にも関わらず、市場が「あく抜け」の評価をすれば株価が上がるのだ。
どのようなニュースでも、プラスかマイナスかは市場が決める。

業績安定が株価の下げ要因となる

株式市場では「安定している」「倒産しない」ことが最大の強みではない。
株式投資の強みは「変化率」である。
将来、業績が2倍、10倍になるかどうか、というような期待値があり、そのような仕事をしているかどうかだ。
「安定している」だけでは、お金はその会社には集まってこない。

機関投資家のポジション調整を拾う

日本の株式市場で大きなお金を運用しているのは外国人の他に、日本の機関投資家がある。
生命保険や年金ファンド、共済組合、証券会社の投資ファンドなどである。
彼らは運用の調整のために3月と9月に、売却する銘柄を決める。
実はそれでその対象の株は下げる。
3月と9月に運用成績を確定する決算を行うので、配当を受け取るために保有し続ける銘柄と、差益を取るための売却銘柄に分け、即実行するからである。このタイミングは逆に言えば、買いのチャンスになる。
売られて安くなった3月、9月の有望株を仕込む。
差益が出た銘柄は業績が好調で美味しいわけだから、機関投資家がまた買いを入れてくる。
そこで利益を出せばいいのだ。
敵の裏をかく、これくらいの技を持たないと、市場の勝ち組にはなることはできない。

ダブル底を確認して打って出よ

「底値確認」で一番容易なのは「ダブル底」だ。
下値での二度底値確認からの反発のシグナルが手堅い。
個別銘柄の動きでも「ダブル底からの反発」が買いシグナルとして活用される。

原油の動きが株価を動かす

原油が上がると株価が上がる。これがセオリーだ。
理由は原産国のオイルマネーが株式市場に莫大に流れてくるから。
原油価格が上がれば、運用資金が潤沢になるので株式市場にもお金が流れ、リスクオンの状態になるので株価が上がる。
アメリカには世界的な規模のエネルギー関連の銘柄が多く、国際的に活動している。
原油安はこれらの企業の経営を圧迫するので、株価が下がる。
これが原油相場と株価との相関関係だ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?