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体癖小説「雨宿り」⑥

 「ニシナさんみたいに、滅多にミスをしなくて、いつもきっちり仕事してくれる人がいるから、あたしも助かってるし、会社もそうだと思います、ニシナさんがいることで、みんな安心して仕事できるんじゃないかな。さっきだって、電話来てたし!」

 と言ったら、すごく納得したような、その場でパッと思いついたことを言っただけなのに、あたしの話をすごく受け止めてくれたように感じた。そんなに有休も取ってないから、胃が痛い時も仕事に来てるんだろうな。なんで胃が痛くなるんだろう……。几帳面すぎる感じはあるよね。それに、ひとりで仕事を抱え込んでる感じもあるかもしれない。さっきも電話来てたし。帰宅しても仕事に追われる、みたいなこともあるのかもしれない。こういう状況になると、思わずいろいろ話しちゃうってことはよくあるけど、それにしても、なんとなくSOSっぽいものをあたしは感じていた。

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