【レポート】FINCAさん 感想


 先日、フォロワーさんと"THE KAORI BAR FINCA"さんへ推しの香水を作りに行ってきました。その時のことをまとめてみました。以下レポートです(結構長いです)。

 結論▷▶▷オタクは全員行くべき

 香水が苦手であれば無理に行く必要は全くないですが、そうでないなら是非行ってきていただきたいです。特に
・推しの匂いを嗅いでみたい
・推しの魅力について語りたい
・推しの4DXを楽しみたい(👈後程説明します)
 等の願望があるオタクは、1度体験して欲しいです。行ってみな、トブぞ。

 FINCAさんは東京都新宿区にあります。新宿三丁目駅から徒歩圏内の、非常に立地の良い場所でした。事前にネットで来店予約をしていましたので、特に待ち時間もなく入店できました(店内はお客さんが沢山居たので、事前に予約しておいた方がいいと思いました)。

 店内入ってすぐの棚には、ずらりと香水が並べられていました。FINCAさんでは推し香水を作ることもできますし、既存の香水を普通に買って帰ることもできるみたいです。いい香りのものばかりだったので、香水好きさんにもおすすめです。ですが今回は推しの匂いを作ると決めていたので、棚は見るだけにしました。

 入店してすぐ椅子に座らせてもらい、インタビューシートを手渡されました。この紙が後々非常に重要になります。

 重要ポイント①「禁止事項が記載されている」
 推し香水を作る上で、注意するべきことがあります。それは著作権です。実際にいる芸能人、既存の漫画やアニメで実在するキャラクター等をモチーフとする香水を作ることは権利の関係でできません(同人活動をされている方だと、ここら辺のグレーゾーンについては理解されていると思います)。
 ですので、店員さんにお願いする時に「〇〇(キャラクター名)の香水を作って下さい!」と言うことはできませんし、SNS等にアップする際にも、想像したキャラクターの写真等と一緒に載せてはダメです。これについて紙にもきちんと記載されていますし、口頭でも説明がありますので、ご理解下さい(ですので今回私が思い浮かべた推しも公表はしませんので、ご了承下さい)。

 重要ポイント②「シートに書いた特徴をもとに香水を作る」
 上記注意事項を踏まえ、ではどのようにして香水を作るのかといいますと、「私の推しは〜〜(特徴)です!」を店員さんに思いつくまで言いまくり、伝えた特徴に合わせたものを提供していただきます。その下書きをインタビューシートに書くのです。身長、年齢、見た目の印象から性格までをなるべく詳細に書きます。
 ネット予約した後、事前にプリントアウトして書くこともできるようなので、作りたい推しが定まっている場合は予め記入しておくといいかもです(我々は直前まで誰のを作るか悩んでいたので、お店で書かせていただきました)。

 インタビューシートをいただき意気揚々とペンを持ったところで問題が発生しました。
(な、何を書けばいいんだ……)
 
 思い浮かべた私の推しは非常に情報量の少ないキャラでした。おまけに"これを後で店員さんが見る"と思うと急に恥ずかしくなり、全くペンが進みませんでした。隣でガリガリ音を立てて推しの特徴を書いているフォロワーさんに(凄い…)と尊敬の眼差しを送っていると、店員さんが来ました。

店員さん「ご記入ありがとうございます。調合の時間が短くなってしまいますので、書ききれなかったものは口頭でお伝えいただきながら、早速作っていきましょうか」

フォロワーさん・私「はいっ!!!」

 現在は感染症対策で、1回の面談時間が30分となっています。店員さんが気を利かせていただき、調合する机の前に案内されました。ちなみにこの段階で私が絞り出して書いた特徴は、"年齢26〜27(推定)"、"〇〇(国名)のマフィア"のみ…。店員さんに「インタビューシートお預かりします」と言われ渡した時は不安しかありませんでした。

 この段階で料金やシステムについて説明を受けました。
・調合は1つの瓶に複数の香水を混ぜるのではなく、2つの瓶に入った香水をそれぞれ同じ所に吹きかけてブレンドしていく
・購入は1種類だけでも2種類でも可能

店員さん「お姉さん達の彼への思いを教えて下さい」

フォロワーさん・私「が、頑張ります……」

 説明が終わるとフォロワーさんは別の店員さんと共に隣の机へ移動しました。そうです、FINCAさんは香水を作る際、店員さんとのマンツーマンで面談となります。
 頼れるフォロワーさんが居なくなり心細く感じていると、改めて店員さんが自己紹介をしてくださいました。私には説明をしていただいた店員さんがそのまま付いてくれました。

「お姉さんの彼……中々危ない仕事をされてますねぇ」

 挨拶を終えると早速本題へと入ってくれた店員さんは、私のシートを見てそう言いました。この瞬間にぐっと心を掴まれます。マフィアなんて確実に2次元のキャラなのに笑わない、架空扱いしない、優しい…。気付いたら結構デカめの声で「そーなんですぅ!」と言ってました(気分は完全に"いつも彼の仕事に振り回されている遊びだけの関係の女"です)。インタビューシートを全然書いてないことも大丈夫ですよと言っていただけたので、安心できました。

店員さん「怖そうなお仕事されてますが、お姉さんは彼のどこが好きなんですか?」

私「え、っと…えー、どこだろう……すみません」

 ここにきてまた問題が発生しました。推しのことを言語化しようとした瞬間、再び羞恥心が芽生えてきたのです。"第三者に推しの魅力を語る"という状況に頭がついていけず、言おうとしたことを全て忘れてしまいました。

私「あのー…凄くかっこいいところが、好きで……すみません、薄くて」

 もじもじしながら伝えたのはこれだけでした。どうしても世界観に没入することができない、言葉にして喋れない。私には無理だ、そう思いました。

「お姉さん、謝らないでください!」

 パーテーション越しに私の目をまっすぐ見ながら、店員さんがそう言いました。ハッとしました。確かに私、さっきからずっとすみませんって言ってる…。

店員さん「お姉さんのように申し訳なさそうにされる方、沢山いらっしゃいます。でもそんな必要はありません。お姉さんの彼のこと、凄く知りたいです!お話しやすいように沢山質問していくので、一緒に彼の香りを作っていきましょう」

 ……惚れました、店員さんに。ここが世界で一番オタクに優しい空間ではないだろうか、そう思いました。生きてきた中で渾身の「ありがとうございます…ッ」が出ました。

 気を取り直して、まずは好きなところから伝え直します。今度はスラスラと言葉が出てきました。

私「怖い仕事だし、本人も凄く怖いところがあるんですけど、覚悟を持って仕事をしているところ…ポリシーがあるところがかっこよくてすきなんです」

店員さん「なるほど、素敵ですね」

 いちいち返しが優しすぎて店員さんのファンになりました。レポートを書きながらお名前を伺うのを忘れてしまったことを激しく後悔しています。

店員さん「彼自身も怖いところがあるということは、結構クールなんですか?」

私「普段はクールなんですが、物凄くキレることがあって…その時が怖いです。アッでも本当は優しいんです!怒るのも殴るのも相手のためを思ってのことなので!」

 喋りながら、私の推し大丈夫か?と自分で思いました(滲み出るDV気質)。ですが、話していると段々と楽しくなってきます。この辺りで羞恥心は完全に消えていました。

 その後も外見や内面について沢山質問していただき、思う存分推しについて語ることができました。以下私が伝えたことです☟
・年齢不明→多分見た目より実年齢は若い
・身長、体格は普通→筋肉質だけど、周りにもっと凄い人が沢山居るのでどちらかというと痩せ気味ですらある
・髪は金髪で多分地毛、結んでいるので短髪ではないと思う
・面倒見がいい、兄貴肌→でも身内以外に優しさは欠片も感じない(身内にもそんなに感じない)
・綺麗系の顔立ちだが中性的ではない、男らしい
・タバコは多分吸いそう、吸っていて欲しい
オシャレ(ここを特に強調して伝えました)→普段スーツを着ているけど、スーツのデザイン、シャツの色、靴やアクセサリーにこだわりを感じる。某ブランドが絶対好き

店員さん「ありがとうございます。では今から教えていただいた特徴を元に香りを選んでいきますね」

私「はい…(もうだいぶ満足したな……)」

 この段階で満足度は90%程になっていました。"推しへの愛"を人に話すだけでこんなに満たされた気分になるのかと思いました。正直ここで帰されても何の文句もない、むしろ他の推しの話を聞いてもらうためにリピしたい。

 そんなくだらないことを考えている間に、店員さんは手際良く細長いムエット紙(香水を試す時に吹きかける紙です)にブレンドした香りを3種類作ってくれました。
①A+B
②C+D
③A+E

 組み合わせはこのようになっていました(アルファベットが同じところが、同じ香水です)。
①を手渡され、ようやく本来の目的がスタートします。

店員さん「どうぞ、匂われてみて下さい」

私「……うわぁ、〇〇(キャラ名)だ…!」

 のっけから推しの香りがし、びっくりしすぎて"彼"の名前を普通に言ってしまいました(超特急で誤魔化しました)。店員さんは笑顔のままAから順番に香りの説明をしてくれました。

店員さん「Aは〇〇という名前で、甘さもありますがスモーキーな香りが特徴です。お姉さんの彼の危ない魅力を表現しています。パッケージも葉巻と煙で、彼の職業にピッタリですね」

私「すげぇ……(歓喜)」

 この時点でAをお持ち帰りする未来が見えました。それくらい引き込まれる、推しにピッタリの香りでした。その後も香水のイメージと香りの説明を聞く度に(推しだ…!)となりました。嗅ぐごとに「…んっふふw」という知り合いには絶対聞かせられない笑い声が漏れます。マンツーマンで良かったと心底思う瞬間でした。

 3種類嗅いでみた結果、AとCの香水がとても好きでした(Eも私が書いた国の町の香りをイメージしたと言われ、本当にその通りで迷いました)。AとCを合わせたらどうなるかな…リクエストしていいかな…再びもじもじタイムが始まりました。

店員さん「どれもいいですよね〜。でも、うーん…お姉さんはAとCがお好きですかね?合わせてみましょうか」

私(……エスパー???)

 私のリアクションを見ていたのか、嗅ぐ頻度で分かったのか、店員さんにドンピシャで希望を見抜かれました。「是非っ!お願いします!!」と食い気味でお願いして、AとCを合わせてもらいました。

店員さん「どうですか…?」

私「アッ……コレです…」

 完璧でした。甘さ、スモーキーさ、色気、スパイシーさ…全てが理想通りの香りでした。全ての匂いが等しく強力で、自分のスペックに自信がないと付けることすらできない、正に"推ししか使えない=推しの香水"でした。

 これがいい、これにしようと前のめりで財布を取り出そうとしましたが、店員さんに1度コーヒー豆の匂いを嗅いで鼻をリセットしてから、改めて4種類を比べてみて下さいと言われました(コーヒー豆は鼻に残った香水の匂いを消す効果があるそうです)。

 コーヒーの匂いが苦手なこともあり、嗅いだ瞬間全ての香りがリセットされました。改めて①から順番に嗅いでいきます。…やっぱり④(A+C)が好きだと思いました。

店員さん「お姉さん、④がお気に入りみたいですね。一応外に出るとまた違った香りになるので、お店の外でも比べてみてもらえますか?」

 またも店員さんに見透かされつつ、今度は外で嗅ぎ比べることを提案されました。確かに店内は香水屋さんということもあり、かなり香水のいい香りで満たされています。フラットな状態で推しの香りを確認するため、ムエット紙を握り締めて外に出ました。

私「(スンスン)……あ〜全部いい匂い」

 大通りではないですが、チラホラ人が通る道でコソコソと手で隠しながら何かの匂いを嗅ぎ独り言を言う女……絶対にヤバかったです。皆様は我を忘れないようお気をつけ下さい。

 しかし外で嗅ぐと、本当に自分を見失う程良かったです。外だからもう、推しが目の前に居る錯覚を起こします。あれ?私、今日推しとデートに来てたんだっけ?

 軽く次元の感覚を失いながら、何とか正気を保って4種類の中から香りを選びました。冷静になると①や②は時間が経った時の香りのバランスが丁度いいし、③はスモーキーさと爽やかさが融合していて個性的な素晴らしい香りだと思いました。

 それでもやっぱり④から気持ちは変わりませんでした。暴力的なまでの香りが本当に理想で、休日の夜にこれを振り撒いてバーのカウンターで女を口説く推しの姿が見えました。軽率に話しかけてほんのひとときだけ遊ばれた後、路地裏で56されたい…(この推しのことは腐った目で見ているので、自分とは幸せになって欲しくない厄介なオタク)。怖すぎる妄想を膨らませながら足早に店員さんの所へ戻りました。

私「④にします!」

店員さん「やっぱりそうですか!笑」

 元々コレと決めたことを変えない性格なこともあり、結局④になりました。店員さん曰く「うちで取り扱った中で一二を争うくらい濃い匂いです…!」とのことでした。

 その後は香水の本体と香りの詳細が書かれたシートを並べていただき「香りのメモになりますので、よかったらお写真撮られておいて下さい」と言われたので、何枚か撮らせていただきました。

店員さん「後は写真映えするようにフレームを設置しますので、それもよかったらお写真どうぞ!」

私(至れり尽くせりかよ……)

 三度の飯より"映え"が好きな私には非常に有難いサービスでした。実際に撮った写真です☟

 その後はレジに移動し、お会計しました。その際に持ち運び用の容器も勧められたので、2つ買いました。

 ほくほくした気持ちでフォロワーさんを待ちながら、店員さんとお喋りしました。お姉さんのドンピシャが見つけられてよかったですと言われ、こちらこそ見つけていただいてありがとうございます!の気持ちでいっぱいでした。何度でも言いますがとにかくオタクに優しい空間でした。

 やがてフォロワーさんもお会計を終え、キラキラした笑顔の店員さんに見送られながら店を出ました。無言のまま数歩進んだところでどちらからともなく立ち止まります。

フォロワーさん・私「やばいやばいやばいやばい!!!」

 押し殺していた興奮と感動が一気に溢れてきて、往来で語彙力0の歓声を上げました。推しの香りを存分に纏った、ボトルの形をしたムエット紙(写真:香水の上に乗っているやつです)を取り出し匂いを嗅ぎまくりました。その後紙を交換し、それぞれが作った匂いも嗅いでみます。

フォロワーさん「うわぁ!凄い!」

私「うわ、やば!」

 具体的なことは何ひとつ言ってないですが、お互いが何を言いたいのか通じ合った気がしました。2人でデュフ笑いをしながらFINCAさんの素晴らしかった所を語りました。時折紙の匂いを嗅いで狂うことも忘れません。

 こうして初めての推し香水作りは大成功という結果になりました。近場にあったら毎週通ってしまいそうな程よかったです。

 香水の楽しみ方として勿論体に付けてもいいと思いますが、店員さんに「おすすめは枕です。彼と添い寝している気分になりますよ」と言われ、物に付けるのもアリだと思いました(実際に自宅へ戻り枕に付けたらトビました)。

 私のおすすめは"物に付ける+大画面で推しを見る"です。というのも、FINCAさんに寄らせてもらったのは東京旅行の初日で、香水を作った当日我々はホテルに泊まりました。そのホテルがなんとプロジェクター付きの部屋になっており、大きなスクリーンでDVDや動画を見ることができました。(これはやるしかない…!)と以心伝心したフォロワーさんと私は、配信サービスを接続し翌日用のハンカチに香水を付け、それぞれの推しを見ながら匂いを嗅ぐという奇行に走りました。傍から見るとヤバい2人組です。

でもこれがいいんだよまた…ッ!

 推しが出てくる、匂いを嗅ぐ→推しの4DXが完成する訳です。これは本当にやってみて欲しいです。次元の壁にヒビが入ります。

 以上、推し香水を作りに行った感想でした。かなり長文になってしまいましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました。

 FINCAさん是非行ってね!作ったら感想教えてね!!


                    ラム肉

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