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宮古島のパワースポット (1) 島のヒーロー、南米[風]遺跡に眠る
宮古島は沖縄本島よりもさらに南西、沖縄本島と台湾の中間辺りです。
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島全体がパワースポットと言っても過言ではありませんが、特に平良港周辺は、機会がある方には是非訪れて頂きたいエリアです。
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「漲水御嶽」… 島で唯一入れる御嶽
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「宮古神社」… 日本最南端の神社
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「豊見親墓」… 島最大のお墓《石造墳墓》
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上記3ヶ所はいずれも島を代表する観光スポットで、徒歩で巡ることができます。
海上交通を見守る一等地、風光明媚な《聖域》です。
かつて古人がこれらを建造し、手を合わせていたときも、きっと今日のような海風が吹いていたことでしょう(宮古島は風がなかなか強い!)
最後にこの聖域に加わったのは…地元で有名なバナナケーキ店(もちろんこちらにも寄らせて頂きました^ ^)
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今回は上記の中から、島最大のお墓「豊見親墓」に注目してみます(°▽°)/
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伝説の男「仲宗根 豊見親」
「豊見親」は「首長」の敬称。
つまり「豊見親墓」とは「首長殿のお墓」と言う意味です。
首長とは…16世紀頃から勢力を誇った仲宗根 豊見親に始まる一族。
仲宗根 豊見親は、1500年に石垣島で起こったオヤケアカハチの乱を平定後、与那国島の鬼虎の乱を平定した、いわゆる島のスーパーヒーローです。
(ただし石垣島をはじめ八重山諸島の島民からしてみれば、オヤケアカハチこそ島のヒーローですから、歴史って、勝者側の声が色濃く残ってしまうものなのですね…)
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宮古島が琉球王府の支配下になり、最初の首長(島主)を務めたのがこの仲宗根 豊見親で、以降、明治の琉球処分(沖縄併合)まで子孫に継承されました。
因みに故・中曽根元総理のご先祖は…群馬の新田一族とのことですが、「新田」が「中曽根」になった経緯については…詳しい方、ご教授願います<(_ _)>
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仲宗根 豊見親の「仲宗根」は、現代の沖縄ではポピュラーな苗字です。
もともと現地の発音「ナカズニ」「ナカジュニ」「ナハーヂュニ」の平仮名表記でしたが、本土と同様に「中曽根」「仲宗根」と漢字表記するようになりました。
(「中」の字は王族しか使用が認められなかったため、沖縄由来の方の苗字には現代でも「仲」が多く見られます。「仲本」さん、「仲間」さん等々)
その後、薩摩藩による大和めきたる名字の禁止の政策により、「中曽根」さんは「仲宗根」さんに改められ…と、苗字の変遷からも時の権力者、支配者の思惑を伺い知ることができます。
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「豊見親墓」とは…
「豊見親墓」は18世紀中期~19世紀前期に建造とされる石造墳墓で、国の重要有形文化財に指定されています。
「豊見親墓」と一括りに呼ばれていますが、実際には、
① 「仲宗根 豊見親の墓」
② 「アトンマ墓」
③ 「知利真良 豊見親の墓」
の三基からなります(読み方が独特で難しいです^^;)
① 「仲宗根 豊見親の墓」
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15世紀末に仲宗根 豊見親が、父の真誉之子 豊見親のために建墓したのが最初。
(すなわち「仲宗根」はもともと苗字ではなかったのです。現在は三基のある周辺の地名になっています)
以後、仲宗根 豊見親を初め、その子孫である忠導氏一門が祀られている。
(後に「忠導氏」が苗字の役割を果たすようになります)
現在に残る姿は18世紀中期のもので、様式は宮古島特有の石積み墓「みゃーか」に沖縄本島の横穴式「亀甲墓」が加えられた、折衷デザイン。
② 「アトンマ墓」
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忠導氏一門の継室(側室)の女性たちが祀られている。
(正妻と同じ墓に入れなかったため、彼女たち専用の墓が設けられました。語意は「後から来たママ」かな?)
建墓年代は不明。19世紀前期に現在に残る形になったと見られる。1764~1871年頃に整備された記録が残る。
①や③の墓とは異なり、岩盤を彫り込んだ土台の上に、切り石を載せ組み合わせているのが特徴。
③「知利真良 豊見親の墓」
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仲宗根 豊見親の三男・知利真良 豊見親と、その子孫である宮金氏一門を祀る。
(つまり分家のお墓です)
子孫の宮金氏 寛富が1750年頃に建墓。
①と同じく18世紀中期の形を留める石積み墓「みゃーか」+ 横穴式「亀甲墓」の折衷デザイン。
次男のお墓が残されていないのは…失脚後に三男・知利真良 豊見親が八重山顕職を継いだためです…(´-`)
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「風葬」の風習
「豊見親墓」三基の共通点は、石垣で囲われ、手前に広いスペースがあることです。
これは宮古島で長年継承されてきた独特の埋葬法に由来します。
宮古島では古くから故人を「風葬」し、その数年後に「洗骨」を経てようやく骨壺に収め、日用品と共に墓中に安置する埋葬が行われて来ました。
(風が強い宮古島ならではの「風」習ですね^^)
そして正月になると遺族たちが集まり、お墓の前では宴会が開かれるのです。
(三基のスペース内にも沢山のハマグリの殻が落ちていました、、、今でもやっているのかな?)
因みに沖縄での正月は、新暦の正月(1月1日)、旧正月(2月1日)、そしてあの世の正月(2月16日)の計3回です。あの世の正月は通称グソーの正月と呼ばれています。「賑やかさぁ~!」
こうした埋葬をしていた痕跡は、今なお続く宮古島独特のお墓のスタイル「家形墓」にも色濃く残っているようです。
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「豊見親墓」の建墓スタイルは、神社構造との類似や、世界各地のドルメン(支石墓)との関連も指摘されますが、今回は割愛。。。^_^
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南米遺跡との関連は…?
「豊見親墓」をご覧になって、南米の遺跡を連想された方は多いでしょう☆
実はこうした石組みの遺跡は、世界各地にそれはそれはたくさん枚挙にいとまがないほど存在します。
ただ、南米の遺跡を築いた民族は、日本人に近いタイプの黄色人種だと言われています。
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私たちが無意識のうちに南米の遺跡にシンパシーを感じていたとしても、あながち検討違いではないのかも知れません。
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南米・アンデス山脈一帯に広がったインカ帝国の遺跡。1533年、スペイン侵攻により滅亡するまで約200年間続いたと言われています。建造の労力の60%は石積みの土台部分に費やされているそうです。
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メキシコは南米ではなく北米ですが、チチェン・イッツァのあるユカタン半島を中心に広まったマヤ文明の一角のため、中米遺跡とするのが正確でしょうか。紀元前2000年頃から栄衰繰り返しながらも、17世紀のスペイン侵攻まで長~い間続きました。
宮古島の石造墳墓と、地球のほぼ反対側にある中南米の遺跡。
これらを建造したのは、元は同じ場所に暮らす、同じ民族だったのでしょうか?たいへん興味深いお話です。
宮古島と中南米、両者の文化を比較することで、何か手掛かりが見つけられるかも知れません。
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次回は宮古島に伝わる蛇の伝説についてご紹介させて頂きます(^-^)/
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