休肝日で人生が変わるよ
「アルコールと病気-TOKIOの会見を観て」を読んでくださって、ありがとう。朝、起きてメールボックスを開けてびっくりしました。たくさんのサポートが…すごい。そして、テキストを読んで「自分は習慣飲酒かもしれない」と感じている方があんがいと多いことを知りました。
もし、毎日、習慣的にお酒を飲んでいるのであれば、週に3日は休肝日をつくってください。しばらく、家呑みをやめられるならやめてみてください。もし、やめてみて体調がよくなったと感じるなら、飲む日を決めてください。
年齢がまだ20代、30代の方は肝臓が元気なので、ダメージを感じることは少ないかもしれませんが、40代、50代になってくると、肝臓の働きがにぶってきて、体調に影響を与えます。何歳であっても、毎日、習慣的に飲んでしまうのは「習慣飲酒」なのだ、と頭のすみにインプットしてください。
アルコールを分解する消化酵素の数は生まれたときに決まっており、それぞれの酵素を使い果たすとなくなります。生まれつき酵素が少ない人はアルコールを分解できずひどい二日酔いになります。
春先、繁華街を歩いていると、コンパで飲まされて急性アルコール中毒になり倒れている若い方を見かけます。お友達が動揺しているので替わりに救急車を呼んだことが何度かあります。自分の体質がわからないようなアルコール初心者は、お酒を飲むとどうなるか、少しずつ観察しながら飲んでください。
一緒に飲んでいる人が泥酔して倒れて動かなくなったら、それは急性アルコール中毒の可能性が高いですから、躊躇せず救急車を呼んでください(あまり大ごとにしたら相手に悪いかな、と悩んでいるうちに死んでしまうかもしれません。声をかけ続けて返事をするかどうか確認、意識がぼんやりしているなら即、救急車です)。泥酔している人をタクシーは乗せてくれません。もし家に連れて帰っても一人では心配です(吐いたものが気管に詰まったりするから)。
毎日、習慣的にお酒を飲んでいる方は、スタミナもあり肝臓が強いのだと思います。すばらしい臓器をお持ちなのですから、大切にして人生を楽しんでください。肝臓が疲れると、かなりだるくなります。なんだか起きられない、つい居眠りをしてしまう、顔色が悪い、やる気が起きない、朝、目覚めが悪い。原因不明の不調が、じわじわと進んでいくので、無自覚な人が多いんです。
単に疲れているから、仕事が忙しいから、風邪をひいたかな、という程度で、お酒のせいだなんて気にもかけない。体調が爽快だった時の自分を忘れてしまって、だるさが日常化します。お酒を飲むと眠りも浅くなるので、脳も休めません。ぼんやりしてしまいますが、それも自覚できません。
体調がいいと、人はおおらかで優しくなれるし、なにより爽快で、気持ちよく目覚め、充実感があり、勝手にやる気が出てきます。そういう、澄み渡った空のような心の状態を感じながら、毎日を生きていけたらいいですよね。せっかく丈夫な内蔵をおもちなのだから、フル活用して、人生を楽しめるといいですね!
人と話をするときに、お酒はよい潤滑油になります。ですが、たとえば、ビール350ミリリットルを1本飲んだだけで、難易度中くらいのクロスワードパズルができなくなったり、小学生の四則計算問題が解けなくなったりします。アルコールが脳に与える影響は人それぞれだけれど、思考力は低下します。
その分、前頭葉の働きが抑えられて、ふだんよりも開放的になるので、ストレス発散になるから、人間にとってお酒は大事なものなんでしょう。人間の脳のガードはとても高いのですが、脳にとって毒になるアルコールを、なぜか脳は関門通過させてしまいます。それは、アルコールがなにかしら人間を助けてきたからなんでしょうね。
古代では、イニシエーションの時のトランスパーソナルな体験をサポートするために、お酒は使われていたのかもしれないです。
人間とお酒のつきあいはとっても長いけれど、かつてお酒は人間にとって神聖なものでした。そのお酒への感謝とリスペクトをもって、お酒とのいい関係をつくっていけたら、お酒は人生の友、百薬の長になりますよー。
読んでくださってありがとう。
(たくさん学ばせてくれたアルコール依存症だった父に感謝)
日々の執筆を応援してくださってありがとうございます。