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「恋するリコーダー」本村睦幸さんからリコーダーを教えてもらう (8)


リコーダーを習い始めて「リコーダー」が瞑想だって知った。マジ、瞑想状態に入る。うわー。びっくり。楽器って瞑想的な要素があるよね。リコーダーもしかり。ストレス発散にめっちゃいいですよ!

リコーダーは瞑想

2回目のレッスンで、本村さんから「モンセラートの朱い本」の中の曲「Stella splendens」で練習してみましょう、と提案があり、私のリコーダー熱は急激に上昇。そもそもこの曲がとっても好き。

リコーダーが吹けるようになったら「モンセラートの朱い本」の曲を演奏したいなあ、と思っていた曲がいきなり練習曲に。

レッスン後から、毎日この曲を吹くようになった。まずアルトで、次にソプラノで。

本村さんから「祈るような気持ちでゆっくりと味わいながら吹いてみてください」と言われたので、ゆっくり吹く。

ゆっくり吹くのって、早く吹くよりずっと難しい。なによりリズムが取れない。あ、でも、ゆっくり吹くほうが正確にリズムを取るから、かえってリズムの練習になるのかも。

まず最初の第1小節をゆっくり。この曲は第3小節に早いリズムが入ってくるので、つい指が先走る。はやる指を押さえると、運指を間違う。

なるほど、ゆっくり吹いたほうが運指の練習にもなるんだな。早く吹くと勢いと勘で乗り切ってしまうけれど、ゆっくりのほうが音を探りながら指を運ぶし、自分の音をじっくり聞きとれる。

あー、この曲を繰り返し、ゆっくり吹いていると、瞑想状態に入っていく。

気持ちいい。頭が真っ白、何も考えられない……。ああ……、これはめっちゃストレス解消になるなあ、リコーダーって瞑想楽器だったのか。ヴィバサナー瞑想より遙かに明晰かつ深い瞑想に簡単に入れるじゃないか!

指先に意識を集中しつつ、頭は真っ白……。快感だ。忘我。気持ちいい。なんて気持ちいいんだ。しかも、深い呼吸、ちょっと酸欠になる感じがまた気持ちいい。癖になる。一日中、繰り返していられそう。


 震えるリコーダー


ゆったりと自分の出す音を聞きながら曲を吹いているうちに、音の出方が口に対するリコーダーの角度でずいぶん変わることに気がついた。

最初に本村さんに教わった通り、顎を引き気味にし、リコーダーを口に対して垂直に当てる感じだと音がきれいな気がする。そうだよ、最初から言われた通りに吹いていればいいのである、ちゃんと教えてくれているのだから!

腕が短いせいか、この角度にすると、身体はやや前かがみになってしまう。そうしないと肩に力が入ってしまうのだ。力が入ると支えている指が疲れるのである。

指で押さえちゃいけないんだよな。なんだろう、感覚としては自分がリコーダーにぶら下がっているような?

こんな態勢でいいんかな? これだとバランスが取りづらいなあ。

重心を後ろに置いたて上半身を脱力するにはどうしたら? あ、太極拳の立ち姿勢だといいかも。腰をやや落として後ろ重心、軸に乗って上半身脱力。

お、なかなかいいぞ、これで左右に重心移動すれば拍も取りやすいかも。

上半身脱力。そうすると、何が起きるかと言うと、リコーダーがめっちゃ震えだすのだ。ブルブル震える。リコーダーの震えが手を通して伝わってくる。これが、なんか快感。

喉を開くとリコーダーがさらによく震える。顎から口が緊張していると音が振動しない。最初の頃は緊張して喉がしまっていたんだな。

おお、びんびん、震える。生きものみたい。

これ、笛が息に共振しているんだよね。すごいなあ!

しかし、果たしてこの音でいいのか? 
なんかチャルメラっぽい気がする。

うーーん。
どういう音色が、よい音なのか?その基準がもしかして私にはないかもしれない。
生で聞いていい音だと感じる音はどういう音なのか、それを知らずして吹いていても永遠にいい音は探れないのではないか?

本村さんのリコーダーの生音、どんな音だったかなあ。
もっと音を意識して聞いておくべきだった。最後にコンサートに行ったのだって相当に前だし、zoomでは音質がわからないんだよな。

とりあえずは、自分が気持ちいい状態で音を出していればいいか。

震えるリコーダーは気持ちいい。
気持ちいいけど、震えてていいんか?
リコーダー探求はつづく。



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