令和6年度 東京農工大学 知能情報システム工学科 数理情報工学コース 編入体験記
・はじめに
令和6年度 東京農工大学 知能情報システム工学科の学力検査入試を受けたのでそのことについてまとめます。
体験記を書いてくださった先輩方にはとてもお世話になったので自分も残したいと思いました。
・自己紹介
出身 某私立高専 機械系と電気系の融合学科(電気がメイン)
席次 1年次 5 / 60
2年次 4 / 57
3年次 11 / 54
4年次 9 / 50
5年次 33 / 45
3年次で席次が落ちた理由はコロナで授業がオンラインになったからです。
資格 TOEIC 630(受験時)
その他(重要)
5年次の席次を書いている時点で察している方もいると思いますが、私は浪人生です。1年研究生をやっていました。
・出願手続きについて
この項目を作った理由は、私が出願書類を締め切り前日の15時に郵便局に出したからです。募集要項はこまめに確認しましょう。
・試験科目
1日目 数学 英語 物理
2日目 専門 面接
知能情報システム工学科では1日目に3科目、2日目に1科目と面接があります。それぞれの科目の配点は以下の通りです。
数学 200
英語 200
物理 100
専門 200
面接 ―
数学・英語・専門の配点が高く、物理の配点は半分となっています。
農工大の面接は合否にほとんど関係ないと思われます。受験者数が多いことと試験科目が多いので評価がしやすいからだと思います。良くも悪くも試験の出来で合否が決まると考えたほうがよさそうです。
・試験内容
数学
今年度の数学も例年通りで大問が4つあり、極値・重積分・行列・微分方程式でした。
農工大の数学は他大と比較して傾向が明確で簡単な方であるため、ここでは絶対に落とさないようにしたいところです。
過去問が公開されると思うので問題の詳しい説明はしませんが、今年度の数学の問題は例年と比較して簡単な問題が多く満点取れた方は多かったと思います。
200 / 200
英語
英語は結構難しく感じました。大問の問題形式は長文問題が2問、英作文が1問でした。長文の内容は言語の歴史や移民受け入れの利点など文系よりで、科学系の内容が出ると予想していたので少し面喰いました。大問ごとの問題形式は以下の通りです。
長文問題
英文・英単語の穴埋め
true,falseの選択問題
英文・英単語の並び替え
本文に合う図を選ぶ問題
その他選択問題
英作文
穴埋め形式の英作文
他の方の体験記にも書かれていると思いますが、配点が高い割には問題数が少なく1問ごとの配点が高いと思われます。
長文問題の中にはtoeicと似た英単語・英文の穴埋め4択問題がいくつかありましたが、ほかの問題はバリバリの受験英語でした。
英作文は先輩方の体験記から40~50字の英作文が出るということでしたので定型文を覚えていったのですが、問題形式が違ったので使えませんでした。笑
今年度の英作文はすでに決まったテーマについて長文が書かれており空欄に英単語を3~5字以内で埋めると言った問題でした。空欄の直前には接続詞や動詞などが置かれていて文脈に沿った英文を完成させるというような問題です。大問の長文問題とは全く異なる内容であったため、この英作文で応用できそうな単語がほとんどなく単語選びに苦戦しました。
私は英語の試験で手ごたえがあったのと面接で英語の勉強方法について訊かれたため得点は結構高かったのではないかなと思います。
160 / 200
物理
今年度の物理は傾向通り力学と電磁気学でした。
過去問が公開されると思うので問題の詳しい説明はしませんが、力学は剛体の運動の基礎的な問題でした。電磁気学は応用的な内容でどちらかというと数学に近い問題でした。
自己紹介で説明したとおり私は電気系の学科であったため物理は電磁気で得点を稼ぐつもりでいましたが、実際には半分も解けませんでした(半分白紙で出しました)。逆に力学のほうは簡単で基礎がわかっていれば解ける問題でした。
総合的には力学がおそらく満点で電磁気学が半分くらいでした。
70 / 100
専門
専門科目は大爆死しました。知能情報システム工学科では電子情報工学コースと数理情報工学コースの電気系と情報系が一緒になった学科であるため、専門科目の試験問題用紙5枚のうちから3枚選択する形式となっています。1つ目は計算機基礎でこれはどちらのコース志望者も選択しなければならない科目です。2つ目は電気回路か論理回路のどちらか、3つ目は電磁気学かプログラミングのどちらかを選択します。
私は電気系の学科だったので計算機基礎と電気回路、電磁気学を選択するつもりでした。電気回路も電磁気学も範囲がアホほど広いため対策するのは大変でしたがほかに選択肢はありませんでした。
電気回路はラプラス変換やフィルタなどの問題が出ました。ここ数年の問題では出題されていなかったので完全にノーマークでした。
電磁気は基礎がわかっていればそれを組み合わせて解けるような問題でした。
計算機基礎は進数変換・論理演算などの問題と見たこともない問題でした。情報系の人なら解ける問題なのかな?と思いました。計算機基礎は電気系の学科の人にとっては不利になってしまうと思います。
結局私が選択した問題は計算機基礎・論理回路・電磁気でした。計算機基礎は半分。論理回路は多分0点、電磁気は満点取れたのではないかなと思います。
100 / 200
・面接
面接で訊かれたことは以下の通りです。
・志望動機を簡単に
高専では無理言って深層学習の研究をさせていただいたのもあって人
工知能について興味があると言いました。
・電子工作などをしたことがあるか
arduino使って遊んだことがあったのでありますと答えました。
・これまでにどれくらいの量のプログラムを書いたことがあるか
コピペしたのをいじることが多かったのでそう答えました。
・触れたことのあるプログラミング言語
C・C++・Pythonと答えました。
・英語の勉強方法について
面接に向けて準備をしていましたが、このような質問が来るとは予想
していなかったので
「参考書たくさん買って何周も勉強しました。」
とかいう小学生みたいな文になってしまいました。
・すでに卒業していることについて入学後に身体的な治療を受ける必要は
あるかどうか
5年次の席次が異様に低かったのでこのような質問をしたのだと予測
します。精神的な面で少し問題はありましたが、身体的には特に何もな
かったので何もありませんと言いました。
私の面接はこれで終わりでした。大体5分くらいだったと思います。
・合否
試験の結果は合格でした。
正直面接を受けるまで完全に落ちたと思っていました。専門科目では大爆死して自信のあった電磁気で物理の得点を稼ぐことができなかったからです。しかし面接で最後の2つの質問を聞いて、お?これは??と思いました。
試験全体の得点割合はくらい7割5分くらいです。専門で大爆死しても他の科目で稼げば何とかなる証明になったと思います。
・最後に
冒頭でも触れましたが私は浪人しました。詳しい理由は別の機会でお話ししたいと考えていますが、簡単に言うと受験のプレッシャーに耐えられなかったからです。現役時代は一度も編入試験を受けませんでした。
しかし今振り返ってみるとこの1年は私の今後の人生にとって重要な時間となるのではないかと思います。親や先生、カウンセリングの方などいろいろな人に迷惑をかけてしまいましたが、人として大きく成長できた時間でした。
正直この体験記を書くときに浪人したことについて触れるかどうか迷いましたが、私のように進路が決まらず参っている方にこんなアホもいるんだよと教えたくて書くことにしました。進路が決まらず迷っている方は後悔しない方を選ぶとよいと思います。決して他人の言いなりにならずに自分で決めてください。
それでは受験勉強頑張ってください。