感覚で勝つPLO(2) - プリフロップ導入

全て導入にあたる内容なので、全文無料です。

前提

PLOのプリフロップの自由度は高いです。VPIPが20未満のTightでも、30前半のLooseでも、勝ち越すことは可能(らしい)です。

既にある程度プレイした皆さんが体感しているように、 PLOがポストフロップゲーだからですね。なので、上の言葉には次の枕詞がつきます。

「ポストフロップが上手ければ」と。

当然ながら、Looseスタイルの方がより高いポストフロップスキルが求められます。基本を理解し、勝ち越すまではプリフロップはTightにプレイしましょう。


レーキについて

全ポーカープレイヤー共通の敵ですね。特にキャッシュゲームの話をする際、レーキを無視する訳にはいきません。

そもそも、レーキバックを除いて勝ち越すには、プレイヤープールの平均より強い程度では全く足りません。相当上位に位置する必要があります。

PLO25zoomでは約10bb/100ハンドのレーキが取られます。つまり、レーキバックを除いて2bb/100のwinrateをだすには、12bb/100勝つ必要があるということです。また、8bb/100勝つプレイヤーは、△2bb/100のwinrateになってしまいます。

特にPLOではレクが多く、「何でこんなプレイヤー達を相手にしているのに勝てないんだ」と思うことがあるかもしれません。別に、あなたが相手より下手な訳ではありません。あなたは相手に負けているのではなく、レーキに負けているのです。


PLOキャッシュゲームにおけるレーキの影響

まず、limpはNLHE以上に許容されません。そして、

「プリフロップでbet/raiseする際は常にポット一択」です

RFI(raise first in)、3bet、squeeze、4bet、5bet、常にポット一択です。キャッシュゲームにおいては、迷う余地がありません。(超ハイレートやトナメは別です)

レーキにはcap(上限)があります。通常はポットの数%ですが、一定の額以上は取られません。つまり、ポットが大きいほどレーキ率は下がり、単純に得となります。

bet/raiseに対して相手がfoldすれば一番良い結果となりますが、相手は基本的にfoldしません。その場合も、できる限り大きいポットをプレイしたいのです。相手のfold頻度の最大化、foldしない場合のポットの大きさ、どちらから考えてもサイズはポット一択となるのです。

また、レーキはcallレンジにも非常に大きく影響します。上記と関連して、レーキ率が高いほどcallが減って3betが増えるわけです。

参考までに、PLO MasterMindのソリューションで、CO RFIに対するBUのアクション頻度を見てみましょう。

50z:call 9.9%、3bet 9.0%
500z:call 15.2%  、3bet 8.1%

レートが上がる(レーキ率が下がる)とcallの頻度が10%→15%と1.5倍に増えています。逆に3bet頻度は減少していますね。高レーキ環境では、中途半端なハンドでcallすることは避けましょう

call or foldで迷ったらfold、
call or 3betで迷ったら3betです。

最後に、若干エクスプロイト寄りな話になりますが、EP・MPからのRFIレンジもソリューションよりTightにすべきです。

なぜなら、相手はソリューション以上にIPからcallしてくるからです。EP RFIに対し、高レーキのソリューションでは50%近くウォークします。しかし、現実のプレイヤープールではそんなことはありません。

EP・MPからは特にTightにプレイし、レーキによる消耗とOOPでの難しいスポットを避けましょう


スターティングハンドの性質(ナッツ性とプレイアビリティ)

PLOのスターティングハンドで重要な要素2つです。以下のように考えれば問題ないでしょう。

  • ナッツ性 = 数字のランクとスート

  • プレイアビリティ = 4枚の数字の繋がり(コネクト)とスート

要するに、①ナッツを作りやすいか?②ボードヒットしやすいか?ということです。スートは両者の共通項になるといったイメージですね。

PLOではマルチウェイでのプレイが増えます。また、betしてきた相手がナッツorナッツドローを持っている頻度も高くなります。そのため、マルチウェイで重要となるのがハンドのナッツ性です。

当然、カードの数字が高い方が、強いペアやドローを作りやすくなります。スートもダブルスート(ds)>シングルスート(ss)>トリップスート(sss)>モノトーン(mo)>レインボー(rb)の順にフラッシュを作る確率が高くなりますし、数字のランクが高いほど強いフラッシュになります。

また、数字はコネクトしている方が強いです。ペア+ドローやラップ(モンスターストレートドロー)をヒットする可能性が高くなります。また、スートがあれば(ランクはともかく)フラッシュドロー(FD)がつく確率が上がります。

非常にマルチウェイになりやすいEP・MPからraise first inするハンドにはナッツ性+プレイアビリティが求められるというわけですね。

また、ナッツ性は低いけれどプレイアビリティは高いハンド(例:JT98ds)等は、マルチウェイで高SPRではプレイしたくありません。仮にFDをヒットしても、人数が多い程相手に上位FDがいる可能性が高くなります。

そのため、3betして参加人数を減らし、低SPRでプレイしたいハンドとなります。(3betしてもレクには頻繁にflat callされますが・・・)


ハンドカテゴリ

PLOのハンドの分類方法には色々ありますが、大体10種類前後に分けられます。勝つために特に重要となる部分のみピックアップします。

次の記事ではこのカテゴリに基づき各ポジションのRFIレンジを詳しく見ていきますので、ここでは感覚的な説明に留めさせていただきます。

  1. AA(約2.5%)
    セット=トップセット、AsならFD=ナッツFDと、ナッツ性は十分以上。加えてEQも高いという最強ハンド(※ただしプリフロップに限る)。しかし、実は大部分のAAにはコネクトが欠けているので、ポストフロップで頻繁にやられる。
    序盤は最強でイキリ散らしていても、中終盤になると結局やられてしまう、愛すべきキャラクター。プリフロall-inで捲られたり、4betpotでストレートボードが落ちても、生暖かい目で見守ってあげよう。

  2. ビッグペア(KK〜TT)
    AAと形が似ているので良く2番目に紹介されるハンド。が、その事と見た目のせいで過大評価されがちで、実力的には下のカテゴリに劣る可能性もあるキャラ。KKもQQもスートとコネクトがないとまともに戦えないし、特にJJ以下は弱い。
    はっきり言ってしまうと劣化版AA。ナッツ性(とEQも)が欠けたAAと考えると、実は長所を探す方が苦労するレベルのハンド。セットを引けない場合はショウダウンを願いながらプレイすることになり、時折ストレートブロッカーブラフに成り下がる。しかし、特定の装備品(A)を持った場合のみ、かなり強化されることは覚えておこう。

  3. ABBx(B=Broadway)
    スートとxのランクによって、評価がかなり上下するハンド。レインボーだと首を傾げざるを得ない。AsでBとxが繋がる場合はかなり強いハンドだし、加えてdsだったりすると準最強キャラに躍り出る。その場合ナッツ性は十分だし、プレイアビリティに関してはAAを上回る。AQJTdsとか、AKJ9dsとか。定義上、ある程度のコネクトは保証されているため、xが弱い場合でもAsやKsがあれば相当戦える

  4. Aランダウン
    過大評価されがちなハンドその2。AT98とかA654とか。ナッツ性とコネクトのいいとこどり・・・のように思えるかもしれないが、犠牲になっている部分が大きく、少し中途半端なハンド。
    Asがあって中堅、Asがなければ弱キャラと考えて良い。仮にdsでも・・・それなりに強い程度に収まってしまう。特に3に対してナッツ性(ランク)で劣り、5に対してお互いボードに絡んだ場合に劣るのが痛い。特に OOPでは、FDがないだけでポストフロップで厳しい戦いを強いられる。

  5. ランダウン
    ナッツ性には欠けるが、コネクトにおいては最強のハンド。定義にも色々ありそうだが、とりあえず計2ギャップまではランダウンと呼んで差し支えない・・・気がする。
    コネクトはしている前提なので、ランクとスートで評価が上下する。ヘッズアップポットならAA相手でも戦える強さを持つが、上位のランダウンや高SPRのマルチウェイポットに弱い

  6. ダブルペア
    ペアが2つなのでセットを引く確率が2倍!お得!・・・とはいえ、そもそもPLOにおいてセットを過信してはならない。ダブルペアも、ランクとコネクトとスートによって評価がかなり変わる。AA22(rb)なら最強(※ただプリ)だし、8822(rb)ならトラッシュに近いし、QQJJdsなら準最強クラス。
    ミドル〜ボトムセットでCbet打つかどうかの判断に自信がないうちは、弱いダブルペアのプレイはやめておこう。特に、IPでflat call過多にならないよう注意しよう!

  7. その他(ミドルペア、ローペア、2Holdemハンド、その他トラッシュ)
    一般人。しかし、最強の一般人は無視できない強さを持つ。トップクラスのハンドはそれなりに戦える。A998dsとか、8876dsとか、AQ87dsとか、K987dsとか。

AAは約2.5%というのは必ず覚えておきましょう。色々な局面で役に立ちます。


オススメのプリフロップ学習方法

最後に、少しコストは掛かりますが、最速でプリフロップ周りの感覚を掴む方法を記載しておきます。特にモチベーションのある人は、こんな記事の更新など待っていられないと思うので・・・

0.1/0.25z以上をプレイ or 目指す人なら損はしません。ちなみに私は1をやりました。

  1. VISIONを単月契約してstreak modeのプリフロップをやり込む

  2. PLO MasterMindを単月契約してトレーニングmodeの(ry

  3. PLOプリフロップトレーナー(アプリ)を購入して(ry

それぞれの問題点
・1(と多分3も)はハイレート用のレンジで、実戦では補正する必要あり。
・2は低レート用のレンジもあり、各ハンドのEVも表示される。
プリフロ機能においては最優秀。ただし、スマホから利用できない。
・3は最安だが、トレーニング機能しかなく、検索機能等がないのが難点。

なお、漫然と問題を解いて正解・不正解に一喜一憂しても仕方ありません。絶対に、以下のことを意識しながら学習しましょう。

例) EPでA♦️Q♠️8♠️5♦️

  1. ソリューションではraise?fold?

  2. 仮にraiseが正解として、実戦で自分がraiseして利益を出せるか?

  3. このハンドタイプの下限は?(5→4なら?Q→Jなら?85→74なら?仮にssなら?)

暗記しようとする必要はありません。不可能ですし、世界最高クラスのプレイヤーも「多分ソリューションでraiseだと思う・・・」とか言いながらプレイしています。

そもそも、現実において微妙なハンドというのは自分のポストフロップスキルと後ろのプレイヤーによって正解が決まります。

微妙~最低限のラインがどの辺になるのか、感覚を掴むことを目標にしましょう。

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