慢性腎臓病と透析治療を受けている方の食事療法の違い(途中です)

個人的に知りたかったことなので、自分なりに調べてみた。

加齢や食生活の習慣、生活習慣や飲み続けている薬の種類などによって腎機能は衰えて行くのだと思う。

特に加齢による腎機能の衰えはどうしても避けられないことだと思っている。

腎機能障害が進行してきた場合には、

①蛋白制限、②塩分制限、③カリウム制限などの食事療法を行うことにより、腎機能障害の進行を抑え、慢性腎臓病の合併症を予防する。

食事療法はもとの疾患の種類、病状、腎機能によって異なる。

間違った食事制限は、病状を悪化させてしまうこともある。

無理のない範囲で食事療法を継続することがいちばん大切だと思っている。


■慢性腎臓病では、なんで蛋白制限が必要なの?

食事蛋白は老廃物の一種である窒素代謝物を作る。正常の腎機能であれば、それを処理するのに十分な糸球体がある。

しかし腎機能が低下していると、残った糸球体1つ1つがその能力を超えて処理しようとする。(糸球体過剰濾過)

この状態は長く続かず徐々に糸球体濾過機能も落ちてきてしまうと考えられていく。

その負担を軽減するために行われるのが食事タンパクの摂取制限です。


■どのくらいのタンパク制限が必要か?

日本腎臓学会のガイドラインではm標準体重あたり0.6〜0.7g/dayが推奨されている。

標準体重が50kgの患者では、30〜35gのタンパク制限となる。

一般的には80g程度のタンパク摂取しているので、カロリー摂取不足にならないように徐々に行うことが大切になっている。


■カロリーはどのくらい取ればいいか?

蛋白制限を行うとその分の摂取カロリーが減る。カロリー不足になると、人間は筋肉から痩せていく。

筋肉はタンパク質であり、それが分解されるということは、自分の肉を食べている(蛋白異化亢進)ことになり、むしろ窒素代謝物(BUN)が増える。上述の糸球体過剰濾過に拍車をかけてしまうことになる。

なので蛋白質以外の栄養素である糖質と脂質でカロリーを補給する。

具体的な目標摂取カロリーは標準体重(身長m×身長m×22)あたり30〜35kcal/dayだ。

糖尿病、肥満がある場合はこれより低めの設定をする。


■塩分制限について

高血圧に対しては、早くから塩分制限を指導されていると思う。

しかし、腎臓病ではそれも含めて、人間の体液量の観点から塩分制限を行う。

人間の体の60%は電解質(塩分やカリウム)などを含んだ体液からできている。

その体液量を調節しているのが塩分であり、その排泄を担っているのが腎臓です。

したがって腎機能が低下すると、塩分の排泄機能が鈍り、塩分を摂りすぎると排泄できずに体に溜まります。

もともと塩分は水と一緒になるので、それが体液(塩水)として体に溜まり(体液過剰)、むくみ、高血圧をもたらし、さらに進めば心不全、肺浮腫にもなる。

具体的に塩分は1日6g以下を目標にする。


■カリウム制限について

腎機能が低下すると、電解質の1つであるカリウムの排泄も減少し、高カリウム血症が認められる。

したがってカリウム制限が必要になる。

血清カリウム値5.5mEq/L以下を目標に、1日カリウム摂取量を1500mg以下に制限する。

なお、カリウムは細胞の中に存在し、水やお湯に溶けるので、野菜などは小さく切って茹でこぼし、流水に晒すなどを行い、カリウム成分を少しでも除くことができる。

また果物は缶詰から取り出した実はカリウムが少なくなっている。

✴︎カリウムが多い食品

果物・・・バナナが最も多く、夏みかん、メロンなどが続く。

     干し柿、100%ジュースも多く、注意が必要

野菜・いも・・・イモ類は全体的に多く、特に里芋が一番多く含む。

かぼちゃ、にら、水菜、ナス、白菜、セロリ、キャベツも比較的多く、切干大根やカブなども多く含みます。

肉、魚・・・全て比較的多く含む。特にお刺身などは、注意が必要。

主食・・・麺(茹でたあとに湯切りをする)

海藻類など・・・とろろ昆布、干しひじき、納豆

調味料・・・黒砂糖、だし

乳製品・・・牛乳

お菓子・・・スイートポテト、あんみつ

飲みもの・・・トマトジュース、野菜ジュース、豆乳、日本茶(玉露)、黒ビール。

(ペットボトルのお茶やスポーツドリンクはそれほど多くない。)


■食事療法の適正な評価方法

*摂取蛋白量と摂取カロリーのバランスを適正にすることが目標。体重、血清尿素窒素(BUN)とクレアチニン(Cr)の比、(BUN/Cr比)、畜尿検査での摂取蛋白量、などがチェックポイントになる。

◆体重の変化がない

体重減少がなければ、摂取カロリーが正しいことが分かります。ただし、むくみがある場合はそれも加味して評価する必要がある。

◆BUN/Cr比が10倍未満

例えば、体重減少がなく、BUN 38mg/dL , Cr4.3mg/dLであれば、摂取蛋白と摂取カロリーのバランスは取れていると考える。逆にBUN/Cr>10であれば、摂取蛋白過剰、あるいは摂取カロリー不足と考える。

◆畜尿検査での推定摂取蛋白量が適正

蓄尿の定量検査から推定摂取蛋白量を計算する。

*塩分摂取量は適正であるか

血清Na濃度は、塩分摂取が多くても正常範囲のことが多く、指標にはならない。

◆推定塩分摂取量(g)=尿中ナトリウム(U-Na)(mEq/day)÷17(g/mEq)




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