Nuru

ヌルッとイクのよ
もう戻れない
戻る道がない
そして戻りたくもない
先なんて見えない
一寸先は闇
だけどだけどだけど
足を一歩前に出す
ブルブル震えて
たちすくんでいた
小さい私を胸ポケットに抱いて
あるかどうかもわからない
ところに一歩足を出す
日々、快楽に溺れて
何の意味も見出せなかった頃の
刹那的な焦燥感から逃れて
人生の意味とか意義とか
世の中のためとか役に立つとか
そんなことをかなぐり捨てて
ただこの心を一旦鎮めた場所から
湧き出る命の生きたがる方へ
一歩、足を出すんだ
男をやめる
人間をやめる
何かになろうとすることをやめる
わかんないけど
わかんないけど
このさきどこかですれ違った時に
なんだ今の？
そんなのありなの？
っていう今で言うところの
無しに限りなく近い有りを行きたい
やりたいこともなりたいものも
ほしいものももうぜんぶあるから
そんな欲望を超えた私を超えたところにある
なんだかよくわからないヌルッとしたところに
この足を突っ込みたいのよ
足から一番遠く離れた頭ん中はほっといて
足からヌルッとっとイキタイのよ
今、生きて
私と出会ってくれてる存在の
ありがたみに感謝しつつ
ぜんぶかなぐり捨てて
ヌルッとズブっとイクんだから