Pond

POND

あーあ
アタシのゆくさきは
霧に浮かぶポンド

滴り落ちる甘い芳醇
降りそそぐ激しい雷雨

天国と地獄の繰り返し
どこまで運ばれていくのやら

底に沈んで渡された玉手箱
アタシの命を通り越し
隣りで眠る天使に届け

ここから流れる幼き滝は
いつしか大きなうねりとなって
静かに確かに世界を彩るのさ

頭ごなしに罵りあって
何も生まない産めないカラス
それでも翼を広げ舞い踊り
綺麗なつもりでいたいのよ

あーあ
アタシのこの命は
いつだって止められない
足りない何かを埋めるため
あわわあわわと焦ってる

明日、みちるつきのもと
ぼんやり海に浮かべたら
ずっと抜けない力を抜いて
ただただぼんやり浮かべたら

あーあ
アタシのこの命
あなたの夢であろうとしたのに
なんなもならずに雪になる

辺りを全部真っ白にして
なんにも無かったことにする

どうかどうか溶けないでと
億千万年祈ってるようでいて

凍って固く固まった命の底を
ホントはジリジリ溶かして欲しい
こんな命を溶けて溶かして
あなたのいるその世界にどうか混ざりたい

もちろん最後はわらえることも
少しはわかってもらえることも
知ってはいるけどそれよりも
孤独の音色に安堵し同時に恋もする

夏の遠くの夜空の奥で
微かに響く花火のドーンのように
アタシの胸に響き続けて

あーあ
ひとたび夢をみて
あんなにはしゃいでいたけれど
それはきっとあたしの独りよがりに
ただただ巻き込んでしまっていたんだと思うと
わらって何でもないふりをして
涙がポロポロ、命から剥がれる

あーあ
どうせあれでしょう
じぶんのことであれでしょう
あなた個人のあれでしょう

そうねそれはそうだよね
そう言われたらそうかもしれない
グウの音もでないもの

あーあ
明日のみつるつき
どんな顔してみあげよか

ううん、見上げるなんてできない

だからといってじっとはしないよ

うつむいてトボトボと
ただのアタシをいきてみる

眩しい光からうまく逃れて
だからアタシの声を生きるよ

満ち満ちてすべてを淡く照らす
あのお月さまのように

あーあ
アタシのゆくさきは
霧に浮かぶポンド

滴り落ちる甘い芳醇
降りそそぐ激しい雷雨

天国と地獄の繰り返し
どこまで運ばれていくのやら

底に沈んで渡された玉手箱
アタシの命を通り越し
隣りで眠る天使に届け

その泉からコンコンと溢れ出る
愛と呼ばれる命の水と共に

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