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『チキン・ラン』ゲームデザイン備忘録~四章:テーマ決め


【目次】

序章 ボードゲーム=題材+ゲーム性
一章 方針決定
二章 ルール作り
三章 テストプレイ
★四章 テーマ決め
五章 まとめと感想

【この章のポイント】
・テーマ決めはルールがおおよそ確定してから
・ルールとテーマが結びつくようにする
・中身が良くてもテーマが悪いとダメ

前章まででゲームのルールが完成したので、ここからは題材を決めていきます。序章でも書いたように題材が無くてもゲーム自体は成立するのですが、販売等を考えるとやはり何かしらの題材があった方が有利なのは間違いがないです。

題材決めはロジカルに行うのが難しく、とりあえず人気の高いモチーフを付ける(猫、ゴリラなど)や好きなものを当て込む、またテーマのない抽象的なものにしてしまうなど様々な解決法がありますが、基本的には以下のようなことに気をつけるといいと思います。

テーマ決めはルールがおおよそ確定してから

その理由は、テーマを早い段階で決めるとルール作成に影響を及ぼしかねないからです。

当然、ルールの選定の時にテーマから発想を得るというのは1つの手段です。しかし、あまりこの方法を使用しすぎると「ゲーム性から完成させるメリット」の恩恵を受けにくくなります。また、テストプレイを行いルールに大幅な変更が発生した時、その変更内容がテーマに引っ張られたり、テーマのそのものを一から考え直さなければならなくなったりする可能性があります。

なお『チキン・ラン』に関しても“ニワトリ”というテーマが決まったのはルールが完成してから、イベントカードの名称に関しては販売が決定してから考えました。(テストプレイ時には一目で効果が分かることを優先して仮名をつけていました)

ルールとテーマを結びつける

これは個人的な感覚になってしまいますが、テーマとゲーム性が一致しているゲームの方が一致していないに比べて美しいように感じます。

『チキン・ラン』に関しては

・ゲームシステムがチキンレースである
・モノと点数をやりとりする交渉系ゲームである

という点から“養鶏場の経営者”をテーマにしようと考えました。

ゲーム性を重視する制作者にとって題材とは飾りのようなものです。しかし、作品を手にする人にとってはとても重要な要素です。世間では「人は見た目が9割」なんて言われますが、ボードゲームにおいても同じでどれだけ中身が良くても手に取ってもらえなかったら意味がありません。(偉そうに語っていますが私は執筆時まだ販売経験0なのであくまで個人的な偏見です)内容がクソつまらなくてもテーマが良くて手に取ってもらえる可能性がありますが、テーマがクソつまらないと手に取ってもらえる可能性がありません。ゲーム性を重視する人にとっては理不尽なことだとは思いますが、そのことを嘆いても始まらないのでテーマ決めにも全力を尽くしましょう。

本章はここまでです。次章は今までのまとめと私の執筆してみた感想なので実質今回が最終回です。この度は私のような素人の制作過程の話を最後までお読みいただき本当にありがとうございます。制作および執筆のどちらも未熟ですが、少しでもボドゲ制作の参考にしていただけたらと思います。

次回は「ゲームマーケット出展までの過程」を書きたいと思いますので、興味のある方はぜひそちらも読んでいただけたら嬉しく思います。

最後になりましたが、これからもよろしくお願いいたします。ご愛読ありがとうございました。

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