うぬぼれ自作ボドゲ紹介~第七回 7ダウト~
閲覧ありがとうございます。本日は今までと少し趣向が変わり、「高校生時代に考えたトランプを使ったゲーム」について書いていきます。何故このような昔のトランプゲームを取り上げるのかというと、このゲームの制作に対する思考が制作初心者にとって参考になると考えたからです。つまり、
・制作とは既存のシステムの組合せである
・最初は小さな規模で完結するものを目指し、完成させることを目標とする
という基本かつ重要な考えを伝えられると思ったからです。今よりも制作やゲームの知識が無く、十分なテストプレイができる環境では無かったので『7ダウト』自体のクオリティは低いですが、制作の過程を考えるという観点からは非常に分かりやすいものだったと思いますので参考にしていただけたらと思います。それでは本題に入ります。
【ゲームシステム】
トランプの『7並べ』を基軸に『ダウト』の要素を混ぜたシステム。通常の『7並べ』と同様にカードを置いていき手札を使い切った人が勝つのだが、
・複数回ラウンドを行い、最も勝利点が多い人が勝者となる
・配られるカードから事前にカードを8枚程度ゲームから取り除く
・カードは裏向きで置く(本来置けないカードを置いても良い)
・カードはマークではなく色を参照する(赤、黒の2種類のレーンが2列ずつ)
という点が通常と異なる。また、ルールによりプレイヤーは本来置けないカードを置くことが可能であるが、他のプレイヤーはそのことを指摘しカードを表にしても良い(「ダウト」とコールする)。指摘に成功した場合は勝利点を獲得。さらに指摘されたプレイヤーはラウンド脱落となる。逆に指摘に失敗した場合は勝利点を譲渡。さらに×を一つ受ける(2×でラウンド脱落)。
早く上がれた人から順に順位点を得られ、その合計点を競う。
【制作意図】
『7並べ』と『ダウト』にはそれぞれ弱点があり、この二つを合わせることでその弱点を補えると考えた。私が考えたそれぞれの弱点とは以下の通り。
『7並べ』
・選択肢の幅が狭く、途中作業感が強くなる
・運の要素が大きい
『ダウト』
・後半カード分布が偏ってしまい、グダグダしてしまう
細かい意図は他にもあるが、要は
既存のゲームから嫌いな要素をいかにして取り除くか
を考えたということである。具体的には『7並べ』の弱点を『ダウト』の良い所である「嘘を付けるため選択し放題」「運が悪くても嘘を通せれば解決する」という部分で補うことを考えたということである。
「新しいゲームを作る」と言うとどうしても“オリジナリティ”を求めてしまうが、既存のシステムを組み合わせて調整するだけでも全く新しいゲームになるということである。
【問題点や改善点】
勝利点の概念が煩雑であった。この勝利点の制度は指摘(「ダウト」)を行うメリットをどのようにして設けるかを考えた結果導入したのだが、ここに関しては単純に「手札を数枚譲渡する」で解決出来たように思われる。このようにするとゲームがかなりスッキリするはずである。
【最後に】
今回の記事を通して、冒頭に述べた事柄が伝わってくれれば幸いです。また、『問題点や改善点』で述べた改善方法の考え方も重要であると考えています。つまり
ルールはなるべく簡潔になるように削る、または統合する
ということです。一度システムを決めてしまうと、ゲームに違和感があったときに数値などを変化させてバランスを取ろうとしてしまいがちです。けれども、それでは一つ上のクオリティは望めません。制作者はたとえ面倒だとしても、もっと根本的にスッキリさせる方法は無いかという視点を常に持っていることが大切だと思います。
本章はここまでとなります。今回はボードゲームではなくトランプのルール改良でしたが、基本的な考え方は同じだと思います。また、トランプというのは参考にできるゲームが豊富でコンポーネントも分かりやすいです。なので、ボードゲーム制作が難しいという人はまずトランプゲームの改良から始めてみるのも一つの手だと思います。
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