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うぬぼれ自作ボドゲ紹介~第五回 一撃(ICHIGEKI)~

閲覧ありがとうございます。ボドゲ工房Rのランブンです。
今回は『一撃~ICHIGEKI~』について記事にしていきます。

【ゲーム概要】

・ゲームタイプ
格闘ゲーム風ボードゲーム
2人プレイ、5~30分
カード同時出し

・設定
あなたは強力な霊を呼び出せる霊媒師です。様々な霊を自身に宿し強靭な体を手に入れ、相手を“一撃”で仕留めることが目的。しかし、霊を憑依させると“精神力”が削られていくため、“精神力”の管理を行いながら相手との“一撃”の攻防を行わねばならない。格闘ゲームのような間合い管理と、時に相手の考えを裏切る大胆な行動のバランスの中で最強の霊媒師となろう。

・システム
お互いにキャラクターを3体ずつ選び闘う。直線10マスのボード上で「移動」や「攻撃」といったカードを駆使し、相手に“一撃”を与えたプレイヤーが勝者となる。行動は「移動」や「ガード」といった基本カードとキャラクター特有の「攻撃」カードの中から両プレイヤーが1枚ずつ選択して行う。選択したカードは両プレイヤーが同時に公開し、出したカードの優先順位が早いほうから処理を行う。カードは試合中に増やしていくことができ、増やしたカードは全て手札となりいつでも選択することができる。キャラクターを3体選択するので構築要素も若干あるが、デッキシャッフルが存在しないため、基本的には公開された情報の中での読み合いを行うこととなる。
また、状況によって減少する“精神力”という値が設定されており、これにより“一撃”でゲームが終わってしまう緊張感と徐々に首を絞められるようなジリジリ感を味わうことができる。

【制作意図】

格闘ゲームにおける好きな要素だけを抽出したゲームの制作を目指した

格闘ゲームは多くの要素が複合しているジャンルである。そのため、どうしてもゲームに対して好きな部分と嫌いな部分が出てくる。今回は自身が思うゲームとして面白いと思う要素を抽出し、ボードゲームに落とし込んでみた。その要素を個人の好みで分けると以下の通り。

〈好きな要素〉
間合い管理、ゲージ管理、読み合い
〈嫌いな要素〉
コンボ、はめ殺し、膨大な必要知識量、難しい操作

この際、抽出した要素を存分に引き出すため、以下のようなゲームデザインを行った。

先攻後攻ではなくカード同時出しとした

今回は盤面をみて正確な判断を行うゲームではなく、相手が何をしてくるかをひたすら考えるゲームにしたいと考えた。なので、システムとしてカード同時出しを採用し、相手が何をしているのか分からない状況でカードを選択しなければならないようにした。

情報を複雑にしないため、体力の概念を無くした

攻撃技はパロメーターとして「リーチ(射程距離)」「発生速度」「後隙」「攻撃力」が必要となってくる。しかし、このすべてを採用すると情報が過多になるためカード同時出しのシステムに最も関係の無い「攻撃力」の概念を削除し、同時に体力の概念を無くすこととした。(“精神力”はあくまで「発生速度」と「後隙」の値を参照するので、総合的なパロメーターの数は減っている)

構築要素を無くすために「カード全使用」「すべてのカードを手札とする」というルールを設けた

この手のゲームでは、キャラクターを選択した時点で相性が存在する。そのため、キャラクターを複数体選択できるようにすることで、相性だけでゲームが決まってしまうのを避けている。しかし、その際に選んだキャラクターカードからさらに使用するカードを選択すると構築要素が高まり、結果としてゲームを始める前に時間が掛かってしまう。構築という要素は私がプレイヤーに楽しんでもらいたい要素ではないことから、そのようなことがおきないようキャラクターを選んだらそのキャラクターのカードは全て使用できるようにした。また、今回楽しんでほしい読み合いは「相手がどのカードを引いているか」ではなく、あくまで「相手がどのカードを選択するか」であるため、選んだカードは全て手札として使用回数も特段上限を設けなかった。

つまるところ

カードこそ使用するが、行うことはカードゲームではなく格闘ゲームとなるようなデザイン

を意識して制作を行った。

【問題点や改善点】

手札が多い、処理が若干難しく煩雑といった野暮ったい感じが抜け切れず洗礼されたゲームデザインとはいえないものと成ってしまった。また、全ての行動が同時出しであるためプレイヤー負荷が大きいのも問題である。このことから、全ての行動を同時出しにするのではなく、基本的には交互に行動を行い、ある一部で同時出しまたはそれに準ずるシステムを採用する形にしなければならないように思われる(同時出しとそうでない場面をシステム的に切り分けることができれば、手札が多い、処理が煩雑といった問題も解決できると考えられる)
今回は最初に思い付いたシステムから常にマイナーチェンジでのみルールを変更してきたが、ゲームデザインをもっと大局的にみる必要があったように思われる。そのため、ここから先は一度ルールを白紙に戻し、今回の制作で良かった点と悪かった点を意識しながら一からルールを作っていくのが良いと考えている。

【現状の進捗状況と今後の展望】

本来は2020年ゲームマーケット秋に出展する予定であったが、一からルールを作り直すことにした。問題点も多く見つかり新しいシステムも思い付きそうなので、今後に期待できる状態ではある。

【最後に】

今回の制作では視野が狭くなってしまったと反省している。問題解決の方法が小手先となり、抜本的な案を講じることができなかったのを痛感している。今回の反省は次回だけではなく今後の制作にも活きてくると思うので、制作で違和感があった場合は今回の件を思い出したい。

以上で今回は終了となります。最後までお読みいただきありがとうございました。次回もお楽しみに。

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