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『チキン・ラン』販売せきらら日記~五章:結果と感想~

目次
序章 出展へのきっかけ
一章 必要なモノ・コト
二章 販売目標決定
三章 コンポーネント
四章 宣伝活動
★五章 結果と感想

【この章のポイント】
・結果は惨敗
・良いゲーム≠売れるゲーム
・今後も通販前提になる可能性は頭に入れておくべき

閲覧ありがとうございます。ボドゲ工房Rのランブンです。本章では出展の結果及び考えうる反省点を記事にいたします。
5月18日現在、販売状況は以下の通りです。

・ボドマート:2個
(ボドマート様1個、知り合い1個)
・ゲームマーケットECサイト:4個
・直接販売:2個+予約4個
(友人等5個、会社の知人1個)

合計11個

結論を言うと惨敗でした。制作数200個、販売目標100個(収支が0になるため)でしたので目標の10%程度しか売れなかったということになります。


では、何故販売数が伸びなかったのでしょうか。その理由を<ゲーム自体の要因><外的要因><広告活動の要因>に分けて考えたいと思います。あくまで一個人の考えですが皆様の参考になればと思います。


<ゲーム自体の要因>
まず、前提として『チキン・ラン』は好き嫌いがあれ面白いボードゲームと確信しています。けれども反省すべき点があったのでまとめます。

・コンポーネントがジャケ買い向きでない
ジャケ買いとは「イラストや世界観等で購入すること」です。『チキン・ラン』はカードイラストがシンプルで可愛く、視認性にも優れたクオリティの高いデザインだと思います。けれどもそれはあくまで『チキン・ラン』を知っている人が持つ感想で、つまるところ「可愛いから買う」と思わせられるデザインでは無かったようです。今回は販路が通販のみであったためコンポーネントを見せただけで買いたくなるような工夫が必要だったのですが、その努力を怠った結果だと思います。
ジャケ買い向きのデザインにするには世界観の設定も大切だと思いますが、『チキン・ラン』ではゲーム性との親和を考え「養鶏場の経営者」としました。これ自体は独自性もあり悪くないと思うのですがやはり買ってもらえるだけの世界観ではないのは確かだと思います。
また、無名の私が「包装に化粧箱ではなく麻袋を使用した」というのも悪い方向に作用してしまった可能性があります。ゲームの内容を考えると麻袋はマッチしていて良い案だと思うのですが、名もないサークルがやる作戦ではなかったようです。(元々原価を下げるために変更したので後悔はありませんが)

・名前がTwitterでサーチしづらい
『チキン・ラン』というタイトルは、どこまでニワトリを持つか(または捨てるか)というゲーム性から付けられました。けれども、「チキンラン」は単語なのでTwitterなどで検索すると『チキン・ラン』と無関係なものがヒットしてしまいます。制作者からすればゲームにあった良いタイトルですが、購入者からすれば検索しづらい悪いタイトルであったと言えます。

・内容が上級者向けすぎる
『チキン・ラン』はルールがシンプルで誰でも遊ぶことが出来ます。しかし、反面プレイの自由度が高くゲーム慣れしていない人には難しい内容となっています。現在の市場を考えるとボードゲームに触りたてのライトユーザーをターゲットにした作品が販売を伸ばしている傾向にあり、『チキン・ラン』はその需要に応えられていないと考えられます。今回のような通販オンリーの状況だと説明文を読んで「難しそう」と思われること自体が不利になるようです。

総合的に見て、『チキン・ラン』は「良いゲームを作る」ことに関しては注力されており実現できていましたが「売れるゲームを作る」という努力は足りていなかったように思われます。自身に知名度があれば「良いゲーム」を作ることの方が大切ですが、私のような無名サークルとなるともっとキャッチーなゲームデザインを心がける必要があったようです。


<外的要因>

・試遊してもらえる場が無くなった
今回はゲームマーケットが中止となり、試遊してもられる場がなくなってしまいました。知名度の無い私たちのようなサークルにとってこれは致命的な出来事だったと思います。もちろん知名度がないとそもそも試遊してもらえない、また試遊してもらっても買ってもらえない可能性はありますが、それでも試遊の有無では雲泥の差だと思います。こればかりは反省のしようが無いですが、今後もこのような事態が発生する可能性はあるのでそのことも頭に入れておかなければいけないかもしれません。

・値段設定が高かった
通販での出展ということもあり、値段設定を少し高くし過ぎた可能性はあります。値段は一度決めると中々変更しづらいということもあり、『チキン・ラン』のクオリティも鑑みて強気の値段設定にしましたが厳しかったようです。今回は通常より販売自体が不利ということを考慮して値段を決める必要がありましたが、ゲームマーケットでの出展を想定した値段設定のままにしたことは良くなかったと思います。

<広告活動の要因>

・そもそも広告活動が足りなかった
広告に関してできる範囲のことは行いましたが、それでも足りなかった可能性は十分にあります。例えばTwitterのフォロワー数に関していえば、もう少し自分からフォローしにいきフォロバを期待するという方法も取れましたが、それを最初の50人程度にとどめたのは良くなかったかもしれません。現在200人程度フォロワー数がいますが、約75%が「テストプレイ会で出会った」または「相手からフォローされた」という状況であり積極性には欠けていたように思われます。またTwitterでの絡みもほとんど行っていなかったため、フォロワー数は増えていても存在感は薄かったかもしれません。

・紹介・プレイ動画を用意できなかった
『チキン・ラン』は世界観やルールの説明文ではその面白さを理解してもらいづらいタイプのゲームですので本来動画を用意すべきでしたが、そこまでの準備はできませんでした。この辺は明らかに怠っていた部分ですので次の作品までには環境を整えたいと思います。

・ゲームの魅力を説明しきれていなかった
上記のように動画がないだけではなく、ゲームの説明そのものが上手ではなく魅力が伝わっていなかった可能性があります。『チキン・ラン』は『モノポリー』の交渉要素を抽出したようなゲームですが、そのイメージを説明しきれていなかったようです。ゲームのジャンルとしても「交渉系」と書くしかなく、「せり」や「ブラフ」といったターゲット層の分かりやすい表現を使えなかったのが良くなかったと考えられます。ターゲット層を分かりやすくするために「上級者向けのシンプルな売買ゲーム」くらい言っても良かったかもしれません。


今回の出店を通して

「良いゲームを作る努力」だけではなく「売るための努力」をしなければならない

と痛感いたしました。本来は自身の面白いと思ったゲームを作り販売することが私にとっても市場にとっても良いことだと思いますが、ここまで悲惨な結果だと知名度をあげるためのゲームの制作も視野に入れないといけないかも知れません。次回の作品はすでに制作を始めてしまっているので完全にシフトすることはできませんが、今回の反省を活かして制作活動を行っていきたいと思います。

『チキン・ラン』販売せきらら日記はここまでとなります。少し醜い内容もあったと思いますがこれから出展を行う人に少しでも参考(反面教師)にしてもらえたら幸いです。今後も制作や発信活動を行っていきますので応援よろしくお願いいたします。
この度は最後まで読んでいただき本当にありがとうございました。

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ボドマートにて『チキン・ラン』出展
【URL】
https://t.co/vwpUTOImCk
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