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ランブン雑談・ボドゲ編 その5 萬印堂さん、何ですかこの線は?【キャラメル箱】

閲覧ありがとうございます。ボドゲ工房Rのランブンと申します。
本日は、ゲームマーケット2020秋で出展する『B級映画制作委員会』のキャラメル箱を印刷する際に起きた出来事を記事にいたします。
日記みたいなものなので気軽に読んでいただければと思います。
それでは本題に入ります。


事の発端

『B級映画制作委員会』は『チキン・ラン』と同様、萬印堂様にて印刷することにしました。

【株式会社 萬印堂とは】
東京都北区にあるボードゲーム・カードゲーム・タロットカード専門の印刷所。年間500作品以上のゲーム製作を請け負っている。小ロット印刷や無料相談会の実施などボドゲ制作初心者でも利用しやすいことが特徴。
https://www.mnd.co.jp/

印刷物は全部で3種類。カード、説明書、そしてキャラメル箱です。カードと説明書については『チキン・ラン』の時に印刷したのですが、キャラメル箱に関しては初めての印刷でした。とは言うものの、箱のサイズは分かりやすく記載されており選択が容易で、データ提出に必要なソフトも事前に確認していたため、そこまで大きな問題は起きないだろうと思っていました。


『謎の線』登場

ところが、イラスト担当(夜夜中氏)にテンプレートを確認してもらったところ、ある問題が発生しました。

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※テンプレートの画像が用意できなかったので写真はイメージ
※赤い線も実際には黒い線と同じ色

黒い線は分かる。キャラメル箱の通常の展開図だ。だが、

何だ、この赤い線は……?

明らかに展開図に絡まない線が、テンプレート上では書かれている。まさか「イラストをこの線より内側に描いてくれ」という指示でも無いだろう。しかも、箱の裏面にだけ書かれているのがなお不思議である。
さすがにこのままでは作業が進められないためこの線について調べることにした。けれども、よくある質問にもネット検索にも、この謎の線については書かれていなかったのである。ということはつまり、

萬印堂さん、テンプレートに不要な線が残ったままですよ?

と考えたわけでは無かったが、展開図に絡まない線である以上は制作に問題ないと判断し、そのまま箱イラストの制作を続けてもらったのであった。


キャラメル箱が届く

イラストの作業は順調に進み無事データ入稿、あとは印刷物が家に届くのを待つだけとなった。

そして、2020年10月7日。ついに『B級映画制作委員会』が家に届いた。

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完璧だ……萬印堂様と夜夜中様に感謝……。
箱だけではない。カードも説明書も、実にハイクオリティなものが完成した。もはや内容負けしないかだけが不安。ゲームデザインに絶対の自信を持つ私でさえそんな感想が生まれるほどの出来だった。

感無量の気持ちで箱を眺めていると、私はふとあることに気が付いた。

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何だ、この線は……っ!?

テンプレート確認から二か月以上経っていたため、あの謎の線のことなどすっかり忘れていたが、この瞬間にすべてを思い出したのだった。

『謎の線』は創意工夫の賜物だった

テンプレートに書かれていた謎の線が、実物にも存在している。
その事実だけはすぐに分かったが、肝心の「何故その線があるのか」が全く理解できなかった。テンプレートに書かれていた以上この線が正規のものであることは確かだが、それ以上のことが分からない。
そんなことを考えながら箱を観察していると、私はもう一つあることに気が付いた。

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箱の側面に切り込みが入っている……?

不良品?いや、そうではない。この切り込みがちょうど謎の線に届くまで綺麗に入っていることが、これが正しい姿であることを物語っていた。
ここでようやく、私はこの切り込み、そして、謎の線の正体に気が付いた。その気づきが正しいことを確かめるため、私は一緒に届いていたカードの束を取り出し、箱の中に入れてみた。

やはり、入れやすい。ほかのキャラメル箱より断然……。

そう、この切り込みは箱の開口部に余裕を持たせるもの、そして謎の線は拡張した開口部の折れ目だったのである。キャラメル箱はその構造上、箱の底辺にカードが引っ掛かりやすく入れにくい。その結果、無理に入れようと箱の入り口に力がかかってしまい箱を痛めることがある。また、カードが箱にぎっしり詰まっていると、箱を振ってもカードを取り出せないことがある。この切り込みはそのような問題を解決する。開口部が広がるので箱に力がかかりにくく、ぎっしり詰まったカードでも広がった開口部から摩擦を使ってカードを数枚取り出し詰まりを解消することができる。この切り込みおよび謎の線は、そのような気遣いによるものだったのである。

天才か、萬印堂。ありがとう、萬印堂。


最後に

今回の制作で、キャラメル箱の謎の線は開口部の切り込みのための線だということが分かりました。また、線自体は気になるものではなく、イラストを乗せる際には気にしなくてよい線であるということも分かりました。
ただ、分からないことがあれば萬印堂さんに質問してみるのが良いかと思います。私は面倒くさがりなので怠ってしまいましたが、印刷代は大きな単位でお金が動くので、皆様には失敗のないよう慎重に行っていただきたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。今回の記事で出てきた『B級映画制作委員会』および『チキン・ラン』はゲームマーケット2020年秋にて出展いたしますので、応援のほどよろしくお願いいたします。

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