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タイブレーク導入へ調査 コミッショナー、「徹底審議」指示―プロ野球

 日本野球機構(NPB)がセ、パ両リーグ公式戦の延長タイブレーク制導入に向け、本格的な調査を開始していることが24日、分かった。
 榊原定征コミッショナーは「導入すべきかどうか、実行委員会等で徹底的に審議するように」と指示している。
 タイブレーク制などを研究する専門委員会では、来季以降に採用した場合のメリットとデメリット、延長の何回からどのような状況で始めるかなど、さまざまな意見を出し合っている。
 両リーグがタイブレーク導入を視野に入れる理由について、関係者は「引き分けをなくし、勝敗をはっきりさせる」と説明。さらに、試合時間を短縮したり、選手の消耗を抑えたりする狙いもあるという。
 米大リーグでは2020年から導入されており、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でも採用されている。球団関係者の一人は、「世界の流れはタイブレーク。高校や社会人などアマチュア球界が一足早く実施していることは無視できない」と語った。

https://news.yahoo.co.jp/articles/4bd0a6ac9e6d50c2b387b3e23d791a3a3243291e

 求められているのは「試合時間の短縮」であって「引き分けをなくす」事ではないと思いたいのだが、これに類するニュースの反応を見ていると試合時間の短縮以上に「引き分けをなくせ」という声があるのに驚く。
 なぜそんなに「引き分け」を嫌う人が多いのだろう。力を尽くして戦った末の「引き分け」である以上それはれっきとした「結果」であり、尊重されるべきだと思うし、ペナントの終盤においては残り試合や前後(順位)のチームとのゲーム差によって勝ちか負けのどちらかに微妙に作用する妙味がある「引き分け」は十分ペナントを盛り上げる事に貢献していると思うのだが。
 そもそもなぜ「勝率」でペナントの順位を決めているのかを考えてみれば、引き分けが試合の結果として尊重されている事実が理解できる筈なのだが、「メジャーでは引き分けがない」という、根拠たりえない意見ばかりで、引き分けが悪であるという論理的な根拠を示した意見を見たことがない。まだ「引き分けではすっきりしない」という単純な感情論の方がマシだ。私は「負けるよりは引き分けの方がマシ」という主義なので、単に主義の違いとしてまだ納得できるから。

 それでも、どうしても引き分けをなくしたいという立場に寄り、かつ試合時間を短縮するためのタイブレーク案ならある。
 九回を終了し同点だったら、以降を継続打順の上、結果の如何にかかわらず打者1人で攻撃終了とする。常に走者なしで行う投手と打者の真剣勝負、サッカーのPK戦に雰囲気は近い。
 得点は打者が得た得塁に応じて与えられる。ヒットでもエラーでも、一塁まで行ければ1点、二塁までなら2点、三塁までなら3点、ホームランなら4点。四死球なら1点だが、2点以上取ったチームが次の相手の攻撃を1点に抑えるためにわざと四球を与えるという戦法が取れないように、四死球の場合は1点与えられた上で次の打者に打順が回る(走者はない)。
 懸念点としては、例えば明らかに次の塁へは行けない打球でも強引に次の塁に行こうとする事で怪我をする可能性がある事だろうか。
 細かい問題点はあるが大筋はこんなところ。このタイブレークによる記録をどう扱うかだが、公式戦である以上「記録には残るがタイブレークでの記録」つまり別物として扱いやすくはある。機構が考えているような「無死一、二塁」といった状況設定の方が記録の扱いに困るし、高校野球でタイブレークが議論になったときは選手から「出してもいない走者を背負いたくない」という不満の声もあった。以前ソフトボールでタイブレークが導入された時は先頭打者が判で押したようにバントばかりするので面白味がなかった。

 こんなところだが、個人的には、メジャーがどうとかではなく「引き分けは悪なのか」という議論をまずちゃんとして欲しいと思っている。悪でないのなら延長を十回までにするなどもっと簡単にやりようがある筈だ。

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