【簡易レビュー】RADEON RX6800XTをVRChatで使ってみて。

※記事末尾に確認できた不具合について随時追記中
要確認!!→対策方法追記済

※検証を行って欲しい事をTwitter等でお知らせ頂けば随時検証、追記を行いたいと思いますのでお気軽にお声かけ下さい!

新世代GPU到来 遂にハイエンド級が復活したRADEON


2020年末、NVIDIA、AMD両陣営から新世代のGPUが発売され自作PC界隈でも大きな盛り上がりを見せていますね。
比較的マシンスペックを要求するVRSNS「VRChat」上でも、今回発表された新GPUでどれだけ動作が快適になるのか、一体どれを買うのが正解なのかという話題を良く耳にします。
特に、RADEON RX6000シリーズではGeForce最上位モデルに近しい、若しくは上回る性能を持ちつつも低価格、下位のグレードであってもVRAMを16 GB搭載しているなど非常に魅力的なラインナップとなっています。

VRChatでは不具合が懸念され続けているRADEON


VRChatではNVIDIAのGeForce系のGPUが基本的に相性が良いとされ、VRモードで快適にプレイする為にはGTX1660Ti~RTX2070Superあたりのグレードがオススメされてきました。
一方、AMDのRADEON系ではRX5700XTが使われる事が多いのですが、VRChat上ではRADEON系でのみ発生する不具合やSteamVRとの相性の観点で一般的にオススメされることはあまりありませんでした。
しかし、前述したとおり今回のRADEON RX6000シリーズでは同世代のGeForceRTX30シリーズとカタログスペックやベンチマークの結果で比較した際には非常に魅力的に見える存在となりました。

…と、言うわけで、実際にRADEON RX6800XTを入手することに成功しましたのでVRChatでの動作をチェックしていこうと思います
※お待たせしましたここまで前置きです。

動作レビュー環境

CPU:Intel Core i9 9900KF@5.1GHz(オーバークロック、HT無効化)
メモリ:16GB*2枚(32GB-2666MHz動作)
電源:Thermaltake 1200W電源
VRHMD:VALVE INDEX
GPU(旧):PALIT GeForce RTX2080Ti 11GB GamingPro OC
GPU(新):SAPPHIRE NITRO+ AMD Radeon RX 6800 XT

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上記のPCでGPUだけを入れ替えて検証しています。
RADEONのドライバ設定は初期設定から変更し、
テッセレーションモード→アプリケーションで指定しない限りオフ
に変更しています。
SteamVRSSの設定は両方とも150%に設定しております。(片眼解像度:2468×2740)
後述の比較検証では主に下記の2点に注目し比較を行っております。

・GPU FlameTime(1フレームの描画にかかるGPU処理時間、短いほど良い)
・FPS(1秒に描画されてるフレーム数)

VRChatプレイ中のSteamVRのVRビューウィンドウをOBSにて録画を行い、後に動画のキャプチャを撮影して比較を行っています。

VRChat初期ホームでMIRRORの前に立ったとき(一人)


・RTX2080Ti動作時

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・RX6800XT動作時

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RTX2080Ti動作時のGPUフレームタイムが10ms 60FPSに対して
RX6800XT動作時のGPUフレームタイムは 5ms 120FPS
負荷の低いこのワールドでは2080Ti比でGPUフレームタイムが50%程に短縮されました。

重めのワールドでMIRRORの前に立ったとき(一人)


・RTX2080Ti動作時

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・RX6800XT動作時

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RTX2080Ti動作時のGPUフレームタイムが15ms 60FPSに対して
RX6800XT動作時のGPUフレームタイムは 10ms 60FPS
SteamVRの設定でモーションスムージングが有効化されているためFPSに変化は無いがGPUフレームタイムが2080Ti比で66%程に短縮されています。

重めのワールドで遠くを見たとき(一人)

・RTX2080Ti動作時

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・RX6800XT動作時

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RTX2080Ti動作時のGPUフレームタイムが18ms 40FPSに対して
RX6800XT動作時のGPUフレームタイムは 12ms 60FPS
2080Tiではフレームタイムが伸び、FPSが落ちています。
ここでもGPUフレームタイムが2080Ti比で66%程に短縮されています。

・RTX2080Ti動作時

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・RX6800XT動作時

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RTX2080Ti動作時のGPUフレームタイムが18ms 40FPSに対して
RX6800XT動作時のGPUフレームタイムは 14ms 60FPS
2080Tiではフレームタイムが伸び、FPSが落ちてしまっています。
GPUフレームタイムが2080Ti比で77%程に短縮されています。

GPUコアの単純な性能比較の指標としてFP32 FLOPS(単精度FLOPS)があるが、RTX2080Tiが13.4TFLOPSに対してRX6800XTの20.74TFLOPS

コア性能向上の分、順当にフレームタイムが短縮されている印象を受けました。

人の多いインスタンスで一番重かった瞬間(30名程)

・RTX2080Ti動作時

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・RX6800XT動作時

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RTX2080Ti動作時のGPUフレームタイムが26ms 40FPSに対して
RX6800XT動作時のGPUフレームタイムは 21ms 40FPS
RX6800XTでも60FPSを維持出来ず40FPSに落ちてしまっています。
GPUフレームタイムが2080Ti比で80%程に短縮されています。

人の多い場面ではCPUが足を引っ張り、GPUの性能向上は無意味という意見も合ったが30名ほどのインスタンスでもCPUフレームタイムは8ms未満。

まだGPUに対して余裕がある為CPUは大きなボトルネックにはなっておらす、この比較検証では純粋にGPUの性能比較が出来ていると言えると思います。

検証のまとめ

全体的にVRCのパフォーマンスは改善、2080Tiでの検証結果を上回る結果となった。(当たり前と言えば当たり前!!)
今回の検証ではVRAM16GBの真価を発揮出来る場面に遭遇できていないため劇的な差は出てきませんでした。
大規模なイベント等に参加する機会があればまた検証を行い追記したいと思います。
このまま安定動作するのであれば、2080Tiの当時の価格が18万円近かったのに対してRX6800XTは10万円前後で購入できるため、今新品で買うのであればRADEON RX6800XTは非常にオススメできる…。

正直、前世代のハイエンドGPUからの乗換という面では大差が無いというのが率直な感想なので既にハイエンドGPUを使っている方は買い換えを急ぐ必要は無いように感じます。

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 RADEON RX6800XT VRChatで不具合

RADEON系の不具合としてTwitterで幾つか報告がある為、自分の遭遇した不具合や現象があればここに追記していきたいと思います。

2020/12/16追記:
比較検証を行った際には発生してなかったスパイクなフレームタイムの増大(プチフリ)が発生。直前にソフトやドライバのアップデートは行っていなかった為謎。要検証。
→DDUを用いてドライバの完全削除と再インストール
変化なし。
SteamVRの設定から「モーションスムージング」をOFF
少しマシになった?(多少発生する)

2020/12/18追記:
人の入れ替わりが激しいインスタンスに滞在していた際、何度か前触れも無くVRChatがクラッシュする事があった。
PCへの負荷が低いインスタンスでも、ランダムに突如クラッシュする現象が発生したため調査中。
※RTX2080Ti使用時は発生していなかった。
→DDUを用いてドライバの完全削除と再インストール
SteamVRの設定から「モーションスムージング」をOFF
パブリックインスタンスや高負荷ワールド、VR睡眠等を行っているがクラッシュは発生しなくなった

2021/01/06追求:
特定のシェーダーの描画が壊れ、チラつく現象が発生した。
RTX2080Ti、RTX3090、RX5700XT環境のユーザーでは発生してい無いためRX6000シリーズ固有の不具合だと推定。









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