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叶えられない願い


それは実父に会うこと

この世にもういない人と、この肉体で会うことは何をどうやってもできないな


実父とは、私が1歳頃に母が離婚(だと思う)
記憶ももちろんないし、写真も1枚もない
何処で何してるかも全く分からなく過ぎていた数年前のある日

ある事で実父の居場所が分かったんです

でもその時は【会いたい】と1ミリも思えなかったし、むしろ、「今更なんだよ」って思って、何の連絡もしなかった

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その2年後、【会いたい】という気持ちが出てきて、あの時知った住所に訪ねてみたけど
時すでに遅し

あの時連絡がきた時から半年後に、亡くなっていました

癌だったそうです

身よりもなく、1人で死んでいった
その時、何を思ったんだろう?
私の想像でしかないけれど、あの時すぐに会いに行かなかった自分を随分責めました

【会えない】という事も、今まで感じてきた思いも全部、自分が決めた事で必要な事だった
後悔も罪悪感も必要な経験

自分がどう生きていくか?の道標である事

そう前を向いてみてもね
会いたかったって思いは2年経ったら今も消えない

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1度だけ母と実父の事を話しました
実父が亡くなったという事を伝えた時
母の口からは実父やその親族の良くない事しか聞けず、お墓参りも場所を知らないし、行く必要ない、で終わってしまった

あまり【いい人】ではなかったのかなw

だから、私には「知る」必要がなかったのかな
それでも、どんな顔してるのか?どんな声なのか?私が産まれた時何を思ったのか?今、何を思ってるのか?
知りたかったし、この体で感じたかったな

【もう出来ない】から余計にそう思うんだろうね

例え会えなくても、亡くなってしまっても
私たちは繋がっている
だから、悲しんだり後悔するよりも、幸せに生きていく事が今生きている私たちのやるべき事

そんな事分かってるよ
充分過ぎるほど、そう思わせてくれてる

だけどやっぱり
この目で見て、この手で触れて、この耳で聞きたかった
1度くらい、父親を責めてみたかったよね
1度くらい、一緒に笑いたかったよね

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1度も後悔のない人生を送る人っているのかな

後悔も虚しさも懺悔も、ここだから経験できることで
それでも生きていかなきゃいけない、と思うと
この世界が苦しくなるけど
そのお陰で大切な事に気付けて、自分にとっての幸せが何かを知る事が出来る、と思えば
また違う世界が見えてくるね


実父へ心を込めて
バカヤローとありがとう


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