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福沢諭吉さんからの手紙

地元の北海道U町はその昔、内地からやってきた開拓者達がS社という会社を作り入植してきたことで有名だ。地元の小学生は必ず授業でこのことを学ぶ。
S社は当時は酪農や数々の事業を始めたが、現在では小売業のみ行っていて、それは地元のちょっと大きなスーパーのようなお店だ。
懐かしくなって、ネットで検索、、???
いきなり、火事になって全焼のニュースが出てきた。
3年前に実家を解体し、墓しか地元に残っていない私達家族が父の納骨のためU町を訪れたすぐ後のことだった。思わずニュースに食い入る。
社長はSさんと言うらしい。開拓時代のことにも興味が出始め、まずはウィキペディアでS社を調べる。開拓メンバーの中にSさんの先祖らしき人がいた。どうやら一族でS社を存続してきたらしい。Sさんの先祖が、慶応義塾であの、福沢諭吉から会計学を学んでいたことも知った。


そこで、私のかすかな記憶が蘇る。
たぶん10年以上前。

妹が「こんな話聞いたけどピンと来ないから聞いてくれる?」と言ってきた。それは妹の友達スッチー(仮名)の話で、スッチーのお母さんがある日、部屋の掃除をしていたら、古い手紙が出てきて、それが福沢諭吉からの手紙だという話。
その話を聞いた私も全然ピンとは来なかった。「は?なんの話?なに言ってるかわかんない」「夢の話?」などと聞いた。妹も腑に落ちない顔をしながら、「だよねー」と二人で何かの間違いだろうと納得した。

その時の話がここでようやく繋がった。
スッチーも開拓者のS氏と同じ名字だ。何か関係があるに違いない。自分の生まれ育った何にもないと思っていた田舎町に、あの一万円札の福沢諭吉さんと縁のある方が居たなんて。知り合い辿ったら、諭吉さんと繋がるなんて。
いっそのこと、紙の諭吉さんも私の元に寄ってきて欲しい!と学問そっちのけの甘い考えを持った私に、明るい未来が拓けるのだろうか。

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