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Celesさんで推し香水を頼んだレポ-香水沼にハマるまで-

 この香水で私は香水沼にハマりました。

 前回Celesさんの推し香水セレクトで推しキャラの香水を頼み、解釈&好みドンピシャの最(高)香水を選んで頂いたのが嬉しく、直ぐに他の推しキャラの香水を頼みました。
オーダー内容は「理想主義者だが他人に思想の強要はしない厭世家」です。みたいな趣旨を何行にもかけてダラダラ書いてしまいました。伝えたい気持ちが先行して、かなりの長文になってしまいましたが「原稿用紙4枚分の文章を送ってくる人も少なくない」という公式様のコメントを思い出し、甘えさせて頂きました……送信

で、届いたのがこれです↓

「ルタンスの水」世を支配する作為的な香りと一線を画し、「清潔さ」を守ろうとする至上の精気体(エーテル)を表現。マグノリアがシトラスとともに舞い、クラリセージの微笑みとアルデヒドが純白の絹のような感覚を描く。ラグジュアリーの原点である清潔さを追求した、透き通るような透明感とアロマティックな感覚。ミニマリズムな哲学が詰まった、こだわりを感じるフレグランスです。【ユニセックス/シトラス/オードトワレ】

 前の香水とは違って、袋を開けても匂いが漏れてこなかったです。無。大丈夫か?と思いつつまずは説明を読まず、キャップを開けて匂いを嗅いでみます。
……よかった、ちゃんと匂いある。「浄化」ってかんじの匂い。白くて透明な人間でない存在(おどろおどろしいものでなく、神聖な)が白い雲と青い空を背景に宙に浮いてるイメージ(おくすりやってないです)
なるほど。今まで嗅いだ事のない種類の匂いに驚きつつ、いざ右手手首にひとふき。
……何とも表現し難い金属っぽい匂いが鼻を掠める。うーんとなったけど、間もなくその匂いは消えて「いい香り」になっていきます。甘くて、でも甘ったるくなくて透き通っていてすっーとする感じ。爽やかな風を彷彿とさせます。
1回嗅いだだけだと輪郭を掴みきれず、2,3回嗅いでやっと「ああ、こういう匂いなんや」と分かる匂いの強さが塩梅が香水としては異例な感じ。香水はばーーんっと「自分はこういう匂いですから!」っていうのを声高に主張して来るイメージがあったけれど、この香水はその主張がないように感
じます。人がこの匂いをつけていたら、近づいて嗅ぎ取りたくなるかも。 
レビューには、パキッとしたシャツの男性に似合いそうっていう声や、シャツのカッコいい女性に合いそうってあったけど自分は全くそう感じませんでした。
寧ろそれとは真逆の、浮世離れした掴みどころのない中性的な男の子、または世間に興味のない女の子のイメージ。よく晴れた青空、誰もいない教室にひとり窓際を見つめる女の子。僕が彼女を見つめているのを気付いた瞬間、風が吹いて透けた大きなカーテンが彼女の姿を半透明に隠す。そんな乃木坂の曲の歌詞にありそうな場面が浮かんでくる。
室内で白い陽の光を浴びる、そんなシーンにピッタリな感じ。
「よく見せよう」とか「こう見られたい」っていう欲や主張を感じられない控えめさがあるのにいい匂いなのズルい。
俗っぽいことから距離を置いた浮世離れした香り。主張は強くないんだけど、世の中の色には染まらないっていう絶対的な信条を感じさせる静かだけど揺るがない意志。
昼間都会の白いアパートの一室で青空に群がる建物を見下ろしながらこの香りをさせたらカッコ良さそう。

 は〜満足だわとホクホクしながら香水の詳細を調べると、Celesさんの真骨頂を見せつけられました。

えっ?このコンセプト……推しキャラの要素と驚くほどに一致してる……

思わず「は?」って声が出ました。怒りでなく感動で。理想主義の厭世家のイメージそのものじゃあないですか。こいつはグレートだぜ。
そしてこの香水の調香師であるセルジュ・ルタンスもまた、潔白の具現化のような人だそうです。香水を商業主義と切り離したいと考えていて、彼自身、世帯も携帯もインターネットも持たず断食に近い食生活を送る仙人のような人だそう。
生活習慣は朝5時に起きてひたすらノートに文字を連ねる(そのノートは見返す事はない)という本当に禁欲的というか、生きてて楽しい?と俗物的な人間の典型例である私は心配になってしまう程に俗世から離れたお方。そんな人だからこそ、こんなピュアな匂いが調香出来るんでしょう……。
 
 匂いで殴られ、香水説明で殴られ、調香師説明で殴られるというトリプルパンチを喰らいました。言葉にならない衝撃です。
Celesの社員さん本当に凄い。
そしてこの香水は「香水って強烈で頭の痛くなるもの」っていう固定概念を覆してくれました。こんな素敵な香水に出会えた事に感謝感謝。
推しとか抜きに私はこうして香水の沼にハマって行くのだった。



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