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野ばら畑

 散歩していたら、畑一面に白い花が咲いているのを目にした。何だろうかと近づいた。バラの畑だった。それも野ばらだった。車から降りたら甘い香りに包まれた。ミツバチがブンブンと飛び回っている。ひとり、野ばら畑の中に入り花に埋もれて陶然とした気持ちになった。

 しかし、なぜ、観賞用でもない野ばらを、こんなにも栽培しているのかがまったく解らない。気になってしかたがない。聞くにも誰もいない。しばらくしたら、おばあちゃんが野道をやってきた。そこで、なぜ、こんなに野ばらを栽培しているのかと聞いたら、秋になって赤い果実が実ったら生花用として出荷するのだという。なるほど。鑑賞するのが花ではなくて果実なのだ。これでようやく納得できた。



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