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ヤマユリの花が咲いた

 溶けてしまいそうな暑さの中を、小屋まで戻ってきたら、昨日まで蕾だったヤマユリが咲いていた。小屋の北側斜面に沿って田舎道が走っている。毎年、今頃の季節になると、この道沿いにヤマユリが一斉に咲くのだ。日本の野草では例外なほどの強烈な芳香を放つ。散歩する人は甘い香りに酔いしれる。

 日本の野山は、美しいユリの宝庫である。ヤマユリをはじめ、日本固有種のユリが多く自生している。現在、世界中でもてはやされている園芸種のユリの多くが日本の野生種を品種改良したものである。日本は、「百合の王国」なのだ! こんな見事な花が、野山に普通に咲いている国は世界中のどこにも無い。奇跡と言ってもいいかもしれない。

 日本が「百合の王国」である理由は、ユリ属が多雨と酸性土壌と好むからである。ユリにとっては、この梅雨のジメジメした蒸し暑さが快適なのである。そう考えて、蒸し暑さをじっと耐えることにした(笑)。


追記
これほど目立つヤマユリが古典文学や和歌にあまり登場しないのは不思議だった。それは自然分布が本州のみで、さらに北陸地方には生育せず、近畿地方以北の山地に限られるからか?
都人にとってはあまり身近では無かったのかも知れない。現在、京都府では「絶滅種」に指定されている。

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