見出し画像

柳澤健/2016年の週刊文春

「週刊文春」はいかにして、
「週刊文春」成り得たのか。
「週刊文春」はどこからきて、
どこに行こうとしているのか。

作家・菊池寛により
雑誌社として始められた文芸春秋社の誕生から、
インターネットにその座を脅かされながらも、
それでも歩みを止めることなく進み続ける
2020年の現在までの壮大な歴史を描く。
新谷学・花田紀凱という
二人の名物編集長をのぞき穴として、
鮮やかに切り取って見せる。

その経緯、その成り立ち。
たくさんの人たち、数々の事件。
重ねてきた偉業、多くの失敗。
その時々、その場にいた人たち、
先人たちが遺してきた言葉を借りながら、
時に当事者として
自身が見てきたものを忠実に再現し、
ていねいに丹念に拾い上げる。

そうしたひとつひとつが、
小さな小さな層が積み重ねられ、
圧倒的なリアリティを持って迫る。
まるでその場に僕自身もいたような気になる。
開放的で明るくチャレンジを重んじる職場。
どんな権威にも屈せず、
権力におもねることなく果敢に挑む者たち。
ハメを外してミスも犯す。
手痛いしっぺ返しも食らう。
でも諦めない、挑み続ける。

「週刊文春」が必然として
「週刊文春」足りえる理由がわかるルポ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?