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花房観音/花びらめくり

芥川龍之介「藪の中」→「藪の中の情事」
川端康成「片腕」→「片腕の恋人」
谷崎潤一朗「卍」→「卍の女」
夏目漱石「それから」→「それからのこと」
三島由紀夫「仮面の告白」→「仮面の記憶」

文豪作品を本歌取りしながら、
官能小説に仕立てる試み。
この5作品はどれも読んだ記憶がうっすらある。
こんなシーンあったと思い出される。

官能的かと問われれば、確かに。
ただそれぞれ本歌も、
官能的なものを内包している。
秘匿されたものを明らかにし、
隠されたものを白日に晒す。
小さな炎に薪をくべ、団扇であおぎ、
高々と天へと育てる。

いい作品と呼ばれる物語は、
少なかれ多かれ官能的な一面を持つ。
どこにインスピレーションを受けるか。
どういう物事に官能的なものを感じるかは、
人によって大きく異なる。
良い作品ほど、様々で複雑な
インスピレーション・ポイントを持つ。
ただ物語を読むのではなく、
妄想を膨らませるのが、
読書の魅力の一つでもある。

自分の好きな物語、気になる物語。
そこにも官能的な部分があるか探してみたり、
官能小説に仕立て上げられるか、
考えてみるのも面白い。

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