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台風とハンバーガー

 皆さんこんにちはなの☆彡らむねーるなの☆彡noteでの私はTwitter等の私と違い語尾に『の☆彡』『なの☆彡』を付けないので「イメージが崩れる」「こんな皇女は嫌だ」という方はここでブラウザバックしてなの☆彡そんなの気にしない,普段と違う私を見たいという方はこのまま読み進めてくれると嬉しいの☆彡

台風とハンバーガー

 「台風は恐ろしい。おじいさんも孕み 建物や草木も孕み 大地も、河川も、空気も、なにもかもが孕む。おまえも孕みたくなかったら外には出ないことだ!」
 アッカの忠告を無視してアナワンは玄関の扉を開けて外に出た。
 植木鉢やベンチなど、あらゆるものが風に煽られ、揺れている。まるで巨大な生物に弄ばれているかのようだ。空を見上げると雲の動きが速い。雨風ともにますます強くなってきている。この分だとすぐにでもさらに強い嵐がやって来るだろう。

「今日は風が強いですね。俺の方が強いですけど」

 アナワンがそう言った瞬間、先程まで暴れていた雨や風がピタリと止んだ。
 アナワンは風の精霊使いだ。太古から存在すると言われる四大精霊のひとつ、風の精霊。その中でも最高位の精霊と契約している彼が現れると天候は忖度を始める。アナワンが外に出れば雨風は止み、アナワンが大学の講義を面倒に思えば巨大ハリケーンが起こり休校となる。世界はアナワンを中心に回っているのだ。
 だが、アナワンはそんなことを露ほども考えていなかった。彼はただ単に自分が一番強いと言っているだけだ。そこに深い意味はない。

 アナワンは扉を閉めると再び歩き始めた。向かう先は近所のハンバーガーショップである。今日はフライドチキンバーガーをテイクアウトする予定だ。フライドチキンバーガーはアッカの大好物で、彼が店を訪れると必ず頼むメニューだった。これを持ち帰れば喜ぶアッカの顔を見ることができる。兄のアッカが笑顔になること、それがアナワンにとって何よりもの幸福である。彼はブラコン精霊使いなのだ。

 しかしハンバーガーショップに向かう道中でアナワンはあることに気づいた。アパートからお店の途中にある公園の木々が倒れてしまっていることに。
 恐らく強風によって倒れたのであろう。その中には樹齢数千年を超える大木もあった。その光景を見てアナワンは思った。

 大木よりも俺が強い!


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