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元K-1王者の武尊、強さの秘訣は「オンオフ」のルーティン作り。「城戸選手から、ラムネもらってました」

世界最高峰の立ち技格闘技、K-1。

武尊(たける)さんは、「K-1 WORLD GP」で、3階級制覇という偉業を成し遂げた世界的格闘家、K-1ファイターです。

アグレッシブに攻め続ける攻撃的なファイトスタイルから「ナチュラル・ボーン・クラッシャー」の異名を持つ武尊さんですが、自身のYouTubeチャンネルでは、ドッキリ企画や大食い企画などにも挑戦し、リング上とは異なる表情を見せています。

練習や試合ではしっかりと集中し、プライベートな時間はリラックス。武尊さんならではの工夫を聞いたら、強さの秘訣が見えてきました。


── 3階級で世界王者。今やK-1の「顔」とも言える武尊さんですが、格闘技を始めたきっかけは?

武尊さん 子どもの頃って、ウルトラマンとか仮面ライダーとか「強い存在」に憧れませんでしたか? 僕の場合は、それがたまたまK-1だったんです。初めてテレビで見たのは、アンディ・フグ選手の試合。日本でも愛された、スイスの空手家・K-1ファイターです。

アンディ選手が、自分よりも身体の大きい選手を倒す様子が、僕には怪獣と戦うウルトラマンにように見えたんです。それがめちゃくちゃカッコ良いなと思って。

格闘技全体に言えることですが、「ケガをさせ合う」競技であることが特徴だと思っています。多くのスポーツは、試合中にケガをしないように「反則」のルールがあったり、ケガをした場合には、試合中でも治療をしたりしますよね。でも格闘技は唯一、ケガをしながらでも戦わなければいけないスポーツです。

それが自分の人生と結びつくと言うか...。どれだけダメージを負ってもボロボロになっても、最後にやり返して勝つ姿が、つらいことがあっても、努力して最後には成功するんだ、という人生のストーリーのようで。自分も格闘技を通して、見ている人たちに生きる上での勇気を与えられたらなと思って、K-1選手になりました。

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── 武尊さんと言えば、試合中、苦しい場面で見せる笑顔が特徴ですよね。

武尊さん 自分にとって、試合までの準備=仕事、試合=趣味、という感覚なんです。練習はめちゃくちゃきついし、減量もあったりメンタルを作ったりで、試合までの準備ってもちろん必要なものではあるけれど、本当にしんどいんです。でも、試合は純粋に楽しんでいます。それが表情に出てるのかな。

「仕事」だと思っているコンディショニングでも、特に大切にしているのは食事の管理。グルテンフリーにしたり、アルコールは一切飲まないようにしたり。減量期間だけでなく、1年中体重をキープするように節制しています。ここ4、5年はずっとこんな感じですね。

メンタル作りという点では、イメージトレーニングを大切にしています。練習の中でも、さまざまな試合を想定して、そしてなるべく良い試合運びのイメージを持つようにしています。試合当日も、まだお客さんが入っていない会場で、「満員の会場で、僕が勝ってお客さんが盛り上がっている」というイメージをして、気持ちを作っているんです。

── 練習でも試合でも、かなり「集中」「緊張」した状態で過ごしているようですが、リラックスするためにはどんな工夫をしていますか?

武尊さん まずは深呼吸ですね。試合では適度な緊張が必要なので、「今日は緊張しすぎてるな」という時は深呼吸を。普段は、寝る前には必ず深呼吸をしますし、あとは音楽を聴いたり、自分で楽器を演奏したりします。実は中学生の頃からバンドをやっていて、今でも毎日楽器に触ってるんです。

気持ちを切り替えたい時には脳を休めることが大切だと思っているので、目を閉じて、目から入る情報をシャットアウトするように心がけています。スマホを見ているだけでも、膨大な情報や文字が入ってきますから。視界をオフにして、耳で音を感じることが自分のスイッチをオフにしてくれる感覚なんですよね。その一つが音楽です。

僕はどちらかと言うと神経質、心配性なタイプなので、リラックスをする、オフモードになることの方が難しいんです。緊張、集中の状態からオフモードになれる自分なりのルーティンを作ることは、パフォーマンスを上げるためにも大切だと思います。

── コロナ禍で働き方が変わり、ビジネスパーソンはオンオフの切り替えが難しくなっている、という声もよく聞きます。

武尊さん オンオフを切り替えられないと、持たないですよね。僕自身、プロデビューした20歳の頃から、23歳で初めて世界チャンピオンになるまでは、ずっと「オン」の状態でした。プライベートの時間も、寝ている時もずっと試合のことを考えていて。その状態だと、試合まではメンタルがもちますが、闘い終わると燃え尽き症候群みたいになってしまっていました。身体の管理もできず、一時期ストレスで12kgくらい体重が増えてしまったこともありました。

今では、体調や食事の管理、気持ちの整え方を含めてかなり自己コントロールができるようになりましたが、効率や練習の濃度は、オンオフができるかできないでめちゃくちゃ変わるんだなと実感しています。寝る前にオフになれる時間を作ると、翌日の練習の集中力が全然違うし、普段の生活からオンオフを作れるようにしておくと、試合当日に向けたコンディショニングも上手にできるんですよね。

試合のリングに上がった時って、精神的にも「極限状態」なんですけど、深呼吸することで、緊張してるけど少しリラックスしている、という自分にとってベストな状態に持っていくことができる。これは、気持ちの切り替えをルーティン化できているからこそ、だと思います。

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── 普段からオンオフの切り替えが上手にできている武尊さんは、「森永ラムネ」をどのように使っていますか?

武尊さん もともと、K-1の先輩である城戸康裕選手が取材前やテレビの収録前に必ず食べていて、僕ももらってました。城戸選手は「頭を使う仕事の前は、ブドウ糖が良いんだよ」といつもカバンに入れていて、僕も今日のようなインタビューの前や、バラエティ番組に出させていただく時など、頭を使ったり、喋ったりする仕事の前にはラムネを食べるようにしてるんです。

ビジネスパーソンの皆さんも、今は在宅勤務などが多く、スイッチをオンにすることが難しいかもしれませんが、「気合いを入れたい」「これから頭を使うぞ」というプレゼンや会議の前はラムネを食べると良いかもしれないですね。

── 最後に、これからチャレンジしたいことを教えてください。

武尊さん 格闘技が大好きなので、新たなチャレンジはずっとしていきたいです。常にチャレンジをしていないと、目標がなくなってしまいますからね。そして格闘家としてやっている以上、「一番になりたい」という気持ちはずっとあります。

K-1 WORLD GPで、55kgで初めて世界王者になった時、次の目標は「上の階級」である57.5kgでした。そこでも世界一になって、今、60kgでもチャンピオンになることができました。でも、自分の体格的にこれ以上階級を上げることは難しいと思っています。

そこで、次はどんなチャレンジできるかなっていうのはすごく考えていて、これからも色んなことにチャレンジしていきたいと思っています。僕にたくさんの勇気をくれた格闘技への恩返し、という意味でも、これからも新しいチャレンジを続けて、皆さんにパワーを届けていけたら。

YouTubeも新しいチャレンジの一つ。リングの上では見られない、素の「世川武尊」を見ることができますよ(笑)。格闘技の魅力を伝えたり、楽しい気持ちになれる企画をしてみたり、いろんな挑戦をしているのでぜひ見てみてください。

── YouTubeの撮影前にも、「森永ラムネ」はピッタリかもしれないですね。武尊さんのこれからのチャレンジも、とても楽しみにしています!


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