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雷操の零 1章6話

さっきの町にはまだ情報はありそうだった。でも時間がない。それに古い情報だけだと何もわからない。


村についた。やっと人がいた。どころかとても活気に溢れている。

若い人から年寄りまで幅広い年齢の人達がいるようだ。

なんというか…。自分が話し掛けられるような人がいなかった。どこにも割り込める隙がない…という方が正しいだろうか。

〈村に御用のある方は村役場まで〉
親切に書いてあった。取り敢えずそこまで行こう。

ー村役場ー

役員「はい、どうなさいましたか?」
零士「えーっと…」

なんて言えばいいのだろう。世渡と言ってもその意味はごく一部の人間しか知らないし、用件を伝えられない。言葉を考えながら周りを見る。この場所、村役場にしてはかなりきれいだ。

役員「あの…」
零士「あぁ、すみません。」
零士「えっと…私は旅人なんですが…ここはどういう場所なんですか?」

役員は少し困ったような顔をして言った。

役員「大変遠い所から来られた…ということですね…?」

つまり、他の場所からはかなり離れている、ということか。

零士「まあ、そうですね。」

遠い世界から渡り歩いてきたから、あながち間違いではない。

役員はこの村の案内図を探して渡してくれた。
零士「ありがとうございます!」

礼をして役所を出る。人が多くて大変そうだったから質問はできなかった。
案内図を開きこの村の地図を確かめる。

今いるのが北区で、南区は人があまり多くないようだ。取り敢えずそこに行ってみる。

ー南区ー

南は案内図通り人が少なく、村というのにふさわしい場所だった。

すぐ近くの人が話しかけてきた。

おじいさん「きみ、遠いところから来たのかい?」
零士「そうですね…。」
おじいさん「そうか。それはご苦労だったな。」

いや、あまり疲れてはいないのだが…。

零士「だからあまりこの辺りのことを知らないんですが…何か知っていますか?」
おじいさん「おお、この辺りのことに興味があるのじゃな。ほれ、ついてこい。」

連れられておじいさんの家のところまで来る。

おじいさん「わしは前は村長だったから、この村は誰よりも詳しいぞ。」

この人、村長だったのか…。

家の中に入れてもらう。そして本棚の本を手に取り話し始めた…。


[情報]
零士はどこでも寝ることができる。そのため旅には苦労しないほう。寝ていても敵の気配には気づくのですぐ対処できる。

食料は現地調達もあるが、大抵はもとから収納魔法でパンなどを持っていてそれを食べる。

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