雷操の零 1章-3
??「はあああぁ、やっと解放されたぜ」
……………は?
……………………は?
どういうことだ。いま目の前で何が起きている?
鍛冶職人「うん…まあ、こんなやつは見たことないが…」
零士「ど、どういうことだ…?」
??「ん?急に混乱してどうした?」
零士「い、いやだって、目の前で剣が喋った…」
??「まあまあ、細けえことは気にすんな。」
どこが細かいんだよ…
零剣「俺は零剣だ。」
零士「いや、それは知ってる。」
零剣「なら、何が不満だ?」
零士「いや…まず剣が喋るのが…」
零剣「よし、説明してやろう。」
どうやら、何者かに魂を剣に埋め込まれたらしい。
零剣「まあ、自分が誰だったかは知らないし、知る気にもならんがな。」
零士「いままで当たり前のように振るっていた剣が生きていたとは…」
零剣「お前の振り方の弱点とか教えようと思っていたんだが…魔力が足りなくてな…」
しかもいままで自我があったのか…
鍛冶職人「ああ、構造が分かったからそれじゃこの零剣を鍛えておくぞ。」
え、いまから叩くの?
まぁ、いいか…
零剣「おう、よろしく頼むぞ。」
なんだこの光景…
数時間後…
零剣「ふう、できたぞ。」
鍛冶職人「なんでお前が言うんだよ。」
まあ、とにかくできたようだ。
零士「よし、ちょっと振るってきていいか?」
鍛冶職人「ああ、いいぞ。」
零剣「もちろんだ。」
_______
練習場
零士「よし、行くぞ。」
零剣「ああ。」
剣を構える。息を整える。雷魔法を唱え始める。
魔力が強くなっていく。剣を握り締め目を瞑る。
そして、雷が来る瞬間、剣を振る_____
雷がマトに放たれ、マトは轟音を立てて壊れる。
零剣「遅い!」
やはり言われた。
零剣「そんなんじゃ実戦に使えないぞ!」
いや、わかってるけど…
零剣「もっと回数を積め!」
剣に言われるとなんか不思議な気分だな…
零剣「やるぞ!」
零士「ああ!」
そして…
零士「あぁ、疲れた…」
零剣「まあ、今日のところはこれくらいだな。」
零士「よし、それじゃあもっとこの街を見て回ろうか…」
ちなみに…
先程零士が放ったのは雷撃という技。本人のみ持つ特殊な技で、雷を斬り放つ。破壊力はあるもののまだまだ改善の余地がある。
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