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雷操の零 1章2話

いた。さっきの紙を書いた人のようだ。
見た感じ、いかにも「世界線を渡り歩く作家」みたいな感じだ。

零士「あのー…。」
??「ん?」
??「おお、あんたも世渡か?」
零士「はい。」
??「あのメモを読んできたのか?」
零士「そうですね。」
??「…………」

??「そういや、あんた、どこかで…?」

私は彼を見たことはないはず。だとすると、操られていた時に出会ったのだろうか。

??「まあいい、それより、情報を共有しようじゃないか。」

[共有した情報]
彼は「坂田」と名乗っている。
世渡は今まで見かけていなかったらしい。

喪失者に関しての情報は少ないが、
「喪失者は総合力上限がない」らしい。

総合力上限は一つの世界に設定されている力の上限であり、自身の生まれた世界の総合力上限を超えることは出来ないため、世界が滅ぶような事例を防いでいるらしい。

つまり、喪失者は技も実力も強化し続けられる。

―――――
彼の話を聞いて思った。
零士「つまり、喪失者は世界を滅ぼせると…?」
坂田「ああ、そうだ。極端に言えばな。まあでも、そんな真似をするやつがいる様には思えないがな。」 

たしかに、恨みがないのに世界を滅ぼせる人はいないと思った。本当にいたら、全ての世界は滅んでいるはずだから…。

坂田「ああ、もう時間だ。この世界から離れないと…。」
零士「もうですか…」
坂田「別に、敬語じゃなくてもいいぞ。」
零士「ありがとう。」
坂田「まあ、次会った時はまた共有しよう。」
坂田「それじゃ、また。」

手を振った。町の情報は彼から聞いたから、この町から離れ、別の場所を探すとしよう。


[情報]
世渡は世界線を渡り歩く者、喪失者は自身の生まれた世界が消えた世渡。(説明参照)

世渡は、一つの世界に15日しか滞在することができない。

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