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眠れぬ夜に…願いをこめて

昨日、突然…思いもよらないお知らせが公式からもたらされた。

自分の気持ち的には…いつかはそんな日が来ると覚悟をしていたつもりでいた。でも…それがまさかそんなに早い時期に訪れるなんて思っても居なかったから一瞬にしてパニックに陥ってしまった……

本来ならば、日本のキンキーブーツが継続されて行くのだから喜ぶべき事なのだと…頭の中では理解しているのだが、心が追い付いて行かなかった…

小池徹平と三浦春馬の『キンキーブーツJAPAN』の存在すら知らなかったわたしにとっては、あの日以降に知った作品と言うばかりか…その魅力に釘付けにされた存在であったから  

映画やドラマなどの映像では稀に過去の作品を現代風にアレンジして新しい視点で作られたり続編が制作される事がある。しかし舞台は常に観客を相手に生の芝居を提供し、新たな作品を生み出し反応が良ければ再演が繰り返されて行く。そんな中で初演に携われるカンパニーの想いは、産みの苦しみを共にした特別なものが在ると思う。それがキャストや台本に改訂が加えられながら進化して受け継がれていく…早いものであれば1~2年でキャストや劇場の予定に組み込まれながら定番化して続いていく。オリジナルの作品や海外の作品など様々な舞台が日々たくさんの劇場で幕が開けられ…千穐楽を迎える。

主要キャストが入れ替わらずにカンパニーが集結することもあれば…一新してフレッシュな顔合わせになる舞台もある…Wキャストやトリプルキャストになったり、役が入れ替わるも事も在る!役者の数だけ組み合わせが複雑に組まれ…観客は色んなパターンの組み合わせを観たくて千穐楽まで何度も足を運ぶ…再演を繰り返す度に新たな魅力が加わり次回の公演への弾みとなっていく…同じ作品であっても上演される劇場によっては雰囲気が変わるものもあるだろう…毎日が呼吸をするように生きている舞台こそが、その魅力なのだと思う。だから人々は何度でも劇場に足を運ばずには居られないのだろう…

そんな魅力を持った舞台が新たに進化する為に新しいローラが…欠けてしまったピースを補う必然も理解出来る。…ただ、それはまだこれから先の話しだと思っていた。聞けば…元々三年後の再演が予定されていたらしい…その予定が履行されているだけなのだ。何も知らないわたしは自分勝手に思い込んで…勝手にショックを受けている…カンパニーは予定通りに日本のキンキーファンの為に舞台を届けようと思い遣りを見せてくれているのだ。
わたしたちは感謝こそすれ…悲しんだり寂しくなって居てはイケないのだよね…と一晩中考えていた。
ましてや『受け入れられない!』などと一瞬でも思ってしまった自分に「どんだけ上から目線なんだよ!」って言ってやりたいです…新しいキャストが受け入れられないのでは無くて…春馬くんのローラへの執着心が悔しさに形を変えてしまっていたのだと分かってます…ファンである身で在りながら『受け入れる』なんて事を考えるなんて烏滸がましいにも程があると言うものです…『受け入れる』のでは無くて『受け止める』のがファンだと思い出したのです。そう考えると、何だか気持ちが楽になりました。

キンキーブーツJAPANのカンパニーに新たに加わった「城田優」と言う『ローラ』を演じる役者…観せてくれるのは優くんのローラで在って、春馬くんのローラを継承する訳ではありません。ブロードウェイが求める『ローラ』と言うキャラクターが在って、それに演者の個性がプラスされて初めてJAPAN版の『ローラ』になるのですから…同じ脚本のローラを違う言語で演じているだけなのに全く違うキャラクターなのです。公式動画でしか知らなかった場面を映画版のBlu-rayを観た時に感じたオリジナル感…大好きなマット・ヘンリーの歌声を聴きながら、少しづつ違う動作に気付きました。それは韓国版を観た時に感じていたのだけれども…これが個性としてその国の『ローラ』となっているんだと思いました。英語がただ日本語に変えられているだけでは無い日本版のオリジナルが存在したんだ…全てが決められた動きと言う訳では無かったのだと言う、極めて当たり前の事をステージを観覧した事の無いわたしには発見だったのです。

優くんのローラがJAPANカンパニーに仲間入りして…その相互作用で新しい小池チャーリーがまた誕生するのでしょうね。春馬くんよりも一回り体格の大きなローラが舞台をところ狭しと踊りながら動き廻るのでしょう…「城田優」の『ローラ』ではなくて生まれ変わったJAPANカンパニーを観てみたい…と思いました。

初演を演じた「三浦春馬」が存在したカンパニーはオリジナルとして永遠に残っていきます。残念ながら…公式に残された動画以外には目にする事は出来ません。願わくば、その動画がいつまでも公開されています様に…もう二度と目にする事の叶わないファンからの切なる願いです。正式なディスク化出来る映像が残されていなくても…公式に公開されている動画をセレクションとして特典ディスクの様に編集して貰えないものだろうか?と思ってしまう今日この頃です……そんな願いがもしも叶うのならば…きっと観る事が出来なかったファンの心の支えになってくれると思います。自分の手元に大切に保管出来る満足感はファンだけのものですから。

5~6年後ぐらいには再演の声が上がって来るのかなぁ…なんて漠然と抱いていた想いが在りました。まさか、元々予定されていたとは知らずに…
きっとこれからカンパニーの誰もが初代のローラとの違いを感じながら新しいキンキーブーツJAPANを作り上げて行くのでしょう。そこには人知れない痛みが在ると思います。キャストが変わった…と言う事実以外の痛みが伴うと思います。それでも、みんながそれを承知で再び結集することを選んでくれたのですから…JAPANファミリーを愛するファンたちがその想いを受け止めないでどうするんだ!なんてボロボロの精神状態で自分自身を鼓舞するのです。初演とは違う生みの苦しみがあるでしょう…もう会えないと想う気持ちはその原動力として日本キャストの底力を期待したいと思います。そうして二代目、三代目と日本のキンキーブーツが続いて行く事が春馬くんの願いそのものなんじゃないのかな?なんて勝手に想像しています。記憶に残る役者になりたいと願った青年のたくさんの軌跡がひとつ叶おうとしているのですから…ファンならばそれを悦ばなければいけない…無理に思い込もうとせずに自然な感情に任せれば良いと思える様になりました。これから目にするカンパニーの想いを抱き締めてあげたい…そう思いながら明けゆく夜更けに自分の心を投影せずにはおられなかった。


穏やかな優しさに包まれた一年後でありますように…いまはただ願うしか出来ないけれど…彼らの決断を歓びへと昇華出来るのはファンにしか出来ないことだから …その一端を担うことが出来ればいいなと思っています。



全ての気持ちに蓋をするように納得することはまだ出来ないけれど…無理に納得しようとせずに自然な感情に任せてみよう…そう少しだけ思える余裕ができました。だからそんな気持ちを記録としてnoteを書いてみました。「受け入れられない」のでは無くてカンパニーの皆さんの『たくさんの想いを受け止めたい』そう考える事が出来たのでご報告のようなものです…これからまだ1年間、複雑な感情に捕らわれる事があるのでしょう…だからと言ってそれを恐がっていても悲しくなるだけだから…ただそれだけです。



眠れぬ夜に…想い人へ寄せて

#三浦春馬

#キンキーブーツJAPAN

#初代ローラ

拙い文章への共感やサポートありがとうございますm(_ _)m