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極上のHARUMA .MIURA

誤解を畏れずに言うならば『三浦春馬』はブランドである。それもセルフプロデュースのされた極上のオリジナルブランドである。所属事務所の芸能プロダクションと云う器のバックボーンが在るとしても『三浦春馬』と言うブランドは会社のオリジナルでは無く、彼自身が作り上げて来た彼の生涯懸けて積み重ねて来た彼独自の彼だけの極上ブランドである。


所属事務所は云わば住所の様なもので戸籍に記載される現住所みたいなものだと思う。本籍は三浦春馬本人、彼自身。芸能界と云う特殊な世界に身を置き仕事をする上で生活する為に暮らすアパートの様な存在で、そこには彼以外にも沢山の住人が居て親交もある。その中で『三浦春馬』と名札の掛かった一室で自分自身を作り上げて来た。マネジャーと云う会社と自身を繋ぐパイプに守られて自ら選択し共に歩んで来た。決して会社のコマのひとつなどでは無く、あくまでもアパートの住人なのだ。プロダクションは云わば管理会社であり、契約により彼のプロデュースを遂行する。芸能界の中での仕事の交通整理を担当してくれる。様々な渉外などを担当し彼の仕事を円滑に進める潤滑油なのだ。


幼い頃から児童劇団に所属して芸能活動をしながら成長してきた。母親は決してステージママ的な人では無く、彼の恩師でもある方が付き人の様に付き添い彼の芸能活動を支えて来たと彼自身の言葉で愛を込めた『お付きの方』と呼んでいた。その方への感謝や敬慕はいつまでも変わる事なく語られた。
子役としての演劇活動だけでなく、ダンスユニットでの芸能活動もしていた。その後、高校進学を期に現在の事務所所属となり本格的な芸能活動が始まった。大手プロダクション所属となったことで比較にならないぐらいの忙しさになったと思う。主演俳優となったことで番宣活動なども加わりTVへの露出も増える。バラエティー番組などで思春期の男の子には気の進まない仕事もあったかもしれないが、それは誰もが経験する事であろう。主役または主役級の仕事が一気に入り高校生活との両立だけで大変だったようだ。真面目な彼は役者として集中して取り組む事を選んだ。近年多くのタレント達が大学進学するご時世だったが役者一本を仕事として選んだ。二足のわらじをこなす事を絶ったのだ。


その頃から活動の場が映像から舞台へと拡がって行った。地球ゴージャスで初舞台『星の大地に降る涙』で歌、ダンス、殺陣をこなし見事に主演を勤め上げた。その後同じ地球ゴージャスの『海盗セブン』では元宝塚の大地真央や森公美子、小野武彦など早々たるメンバーと共に全国5ヵ所全77公演12万人の動員を記録したとある。劇団☆新感線の『ZIPANGPUNK 〜五右衛門ロックⅢ』では華麗な三浦春馬が 舞台上で弾けていた!2012年の年末から始まった公演をハンサムライブと平行でこなす等ヤルと決めた仕事に対する努力は並大抵では無く、その年代だから出来る無理でもあったと思う。誰にでも過ぎてしまうと、その頃どうやってそんな事が出来たのだろう?と思えるような事が出来る時期と言うのが在る。彼にとってのそんな時期であったのかもしれない。人一倍努力家の彼がそれ以上に頑張った結果は今も語り継がれる伝説のハンサムライブであり五右衛門ロックのパフォーマンスなのだから。『五右衛門ロックⅢ』に関しては映像が残されて劇シネマとして公開された。今でもドリパスで各地でリクエスト上映され続けている。

2015年の『地獄のオルフェウス』でフィリップ・ブリーンとの出会いでストレートプレイを経験し、2019年に再びフィリップに指名を受けて『罪と罰』と云う難解な役に挑んだ。


その間にも2016年に自身が感銘を受けて絶対に自分が演じたいと切望したブロードウェイミュージカル『キンキー・ブーツ』ではドラッグクイーンのローラでピンヒールを履きこなし度肝を抜くパフォーマンスで魅せた。2019年に再演と云う快挙さえ果たしたのだ。翌年には更に本格的なミュージカルで台詞を歌に乗せて唄うと言う自身では初の挑戦だと語っていた。(キンキー・ブーツではパフォーマンスとしての歌唱とダンスだったので)残念ながら新型コロナの影響で僅か11公演で幕を閉じた。そして世界初演のオリジナルとなる『イリュージョニスト』では幻影師の役で主演を勤めることになっていた。

このように、舞台だけをとっても1つとして同じ様な役柄が被る事無く舞台のスタイルさえ本格的なミュージカルからストレートプレイまで多彩に挑戦し続けていた。彼なら出来る…三浦春馬にさせたいと選ばれる役者だったのだ。彼もその期待に応えるべく努力を積み重ね役を自分自身に近付けていった。現状に満足する事無く、常に上を目指し学ぶ姿勢で臨んだ。日々違う景色の見える舞台を愛し、もっと舞台が日常に近づく様にと願い映像の仕事にも歌にも積極的に活動の場を拡げていた。きっと10年前に最初に訪れたオフブロードウェイでの景色が心に強く刻まれていたのでは?と想像してしまう。まるで映画やゲームセンターに行くみたいに沢山のミュージカルの看板が溢れた様子に感嘆していた姿を想い浮かべるのだ。自分がそう感じた様に日本でも日常的に気軽にミュージカルを観にいけたら良いと感じていたのでは?と思ってしまう。そんな事を話していた記事を見たような気がするのだが…余りにも短期間に沢山読んだので思い出せない。もっと演劇や舞台が身近になれば…と語っていたと思うのだが?

自分自身だけでなく広くエンタメ界の在り方まで考えていたのだ。そういう視野の広いひと。作品の中に生き、愛し、高めようと努力し続けたひと。

ひとの言葉を真摯に受け取る事の出来るひと。
常に心を込めて言葉を選び、紡ぐひと。そしてみんなに愛された心優しいひと。

タラレバは言えばキリが無いけれど…このコロナさえ無ければ何か違っていたのかも…と思わずにはいられない。どんなにツラい事があったとしても強い意志と目標が彼を支えてくれたのでは…と想像でしかあり得ないのだけれども。ただ…彼は余りにも真面目で実直過ぎたのかも知れない。現代のこの時代を生き抜くにはピュア過ぎたのだと思ってしまう。
まだ彼のほんの一部分しか知らないけれど、彼が見せてくれた…彼が見せたかった『三浦春馬』は余りにも素敵過ぎてもっともっと知りたいと思ってしまう。焦らずにゆっくり、あなたが作り上げてきた極上のブランドを見聞するよ。これからもあなたは色褪せるどころか、もっと耀きつづけるんだ。今まで出逢って無かった人たちとの出逢いが永遠に未来へと繋がって、あなたの魅力を語り続ける。そんな話しを、わたしはほくそ笑みながら聴いて思うんだ…「やっと気付いたのね(笑)ようこそ三浦春馬へ」ってね。極上のブランドは時代に左右されることなくずっと愛されていくのよ!あなたもずっとね。おばあちゃんになっても見守り続けるからね。

You won't fade  forever 




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