『ファイトソング』最終話

とうとう迎えた最終話。不器用なふたりの恋がどう着地するのかハラハラしていましたが、何ともほんわかした締めくくりでした。

とにかく、最終話の芦田さんは可愛いやら可笑しいやらピュアな魅力に溢れていて!
思いつくまま色々書いておこうかなと。

エレベーターのシーン、芦田さんは2年前、慎吾の態度から別れが花枝の強い意志と受け取って会うことを諦めてそのための行動を起こさなかったと打ち明ける。
2年間、終わった恋(取り組み)だと自分を納得させてきた。それなのに。車窓から小さな花枝の姿を見かけて気持ちが抑えられなくなって、あの時思わず追いかけたんだなぁと思うと何だか胸がキュッとなりました。
それでも好きだ、動かなくてはと思ってその一歩を踏み出させた花枝への想い、ずっと好きで大切に心に秘めてきた気持ちは本物だなぁって。再ブレイクしても変わらない純真なところが芦田さんの素敵なところだなぁと思いました。

そこから一転、誤解を解くためどうにか花枝に話を聞いてもらおうと右往左往する様子は可笑しくて!
まさに「花枝に話を聞いてほしい大作戦」という感じで一挙手一投足全部可愛かった!

まず、お布団に入るも中々寝付けなくて、こうしたらどうかなぁ?って作戦を思いついて夜中に起き出して準備するのが可愛い。

垂れ幕が、外注したの?ってくらいクオリティ高くて、ひとつ開くごとにいちいち花枝に目線を送って、最後バーンとアピールするのが可愛い。
花枝に逃げられて追いかけたいけれど、あの大きい垂れ幕を一生懸命回収してるのも可愛い。

そして、めっちゃ名案!みたいに顔を輝かせてたフリップは、本格的な垂れ幕とは対照的。"花枝に伝えたいこと"の専用用紙に手書きラミネート加工で、しかも大事なキーワードは色を変えて文字太く縁取ってるところが可愛すぎて本当好き!

前に薫くんが芦田さんのことを"自分のことを面白いと思ってないところが面白い"と言っていたけど、その面白さが最大限に発揮されていたなぁ(笑)

その後、どうしたら良いか慎吾に聞いちゃうところも鈍感力全開で。でもあまりに純真すぎて、しょうがないなぁって思ってしまうのもまた魅力かなと。

そして、告白のシーン。すごく良かった。
シンプルに自分の想いを伝えていく芦田さん。

今までで今日が一番好きです
明日はもっと好きになる自信があります

何て素敵なフレーズだろう。感動しました。
本当に花枝のことが大好きだという気持ちにあふれていて、でも無理矢理自分の気持ちを押し付ける訳ではなく、ぽつりぽつり素直に話す様子が優しくて、芦田さんの潤んだ瞳にこちらもうるうるしてしまいました。

告白がプレゼン形式なのは、最初中々の公開処刑では…と思ったんですけど。スマホを介して文字起こしすると、花枝ちゃんの視線は芦田さんと画面を行ったり来たりすることになる。芦田さんの話す言葉だけでなく、表情も眼差しもリアルタイムでずっと感じられる、その最善の方法があのプレゼンだったのかなぁと思います。話す芦田さんの隣にその発した言葉が表示されるの、何だか良かったし。
…でもギャラリーがいたのは未だに謎だな(笑)

芦田さんの音楽が分からないと言う花枝ちゃんを自分の背中にもたれさせて、ファイトソングを演奏するシーンも良かったなぁ。
聴こえなくても、感じることはできる。
花枝ちゃんを応援したくて作った曲が、ギターで刻む三三七拍子が、芦田さんの身体を通して花枝ちゃんに伝わる。二人で同じ曲を楽しむことができる、何て素敵で何て甘やかな方法!
後ろの花枝ちゃんの様子を気にかけながら歌う芦田さんが本当に嬉しそうで感動しました。

同じ背中越しの花枝ちゃんに歌うのでも、第1話では空間も心もぽっかり埋められない大きな距離があったけれど、最終話はぴったりと寄り添って同じリズムを感じていることにとても感動しました。

ラストは春の温かな公園ひだまりデート。
あの花枝ちゃんの一言電話で、はいはいって笑いながらいそいそ出かけてきているであろう芦田さんが愛おしいなぁと思ったし、ツールを使わなくても通じ合う二人の自然な会話もキスも幸せに満ちていて、こちらの気持ちもポカポカしました。

きっと花枝と芦田はこれからも、こんなふうにデュエットしたりムササビジャンプしたりして笑いながら、仲良く楽しく過ごしていくんだろうなぁと。この先も二人寄り添って歩いていく未来が見えるようでジーンとしました。

間宮さんの演じる芦田さんが本当に良かった。
第1話の追い詰められて自信喪失した状態から、心が動き、恋をして…足踏みしていた時間が再び動いて駆け出すような、そんな芦田さんの変化を間宮さんが瞳の輝きや段々豊かに穏やかになっていく表情や話す口調で繊細にお芝居していて。
推しが演じているということも勿論あるけれど、芦田さんを愛らしく魅力的な人物としてこの世に送り出してくれたのは間宮さんに他ならず、芦田さんは間宮さんの演じた中でも本当に大好きな役になりました。

もしも。
芦田さんが追い詰められて運気を上げようと思わなかったら、サンシャインクリーニングに掃除の依頼をしていなかっただろうし。
花枝が直前の現場で大失敗していなかったら、ひとりで芦田さんの家に来なかっただろうし。
掃除中芦田さんが席を外していたら、花枝が音楽を聴いてることに気付かなかったかもしれないし。
芦田さんが人見知りのまま話しかけなかったら、花枝がスタートラインを聴いてるとは分からなかっただろうし。
公園での慎吾とのやり取りを見ていなかったら、しんどいですか?なんて芦田さんは花枝に聞かなかっただろうし。
そこで花枝に大切な曲と言われなければ、ピアノの弾き語りでスタートラインを歌わなかっただろうし。
とにかく「ひょん」って偶然以上でも以下でもないけれど、数多の偶然の中から神様のいたずらで選ばれし「ひょん」がこんな奇跡を起こすのかなと思いました。
「ひょん」なことから始まるワクワクが自分の周りにもあるのかもしれない。頑なにならず柔らかに、そんな「ひょん」に気付ける豊かな心を持っていたいなぁ。

ファイトソング、確かに良い人しか出てこなくて。こんなのおとぎ話だ、現実はもっと厳しいっていう人もいるのかもしれないけど。
でも、こんなご時世だからこそ、優しさにくるまってみんなが幸せになっていくおとぎ話にほっこりしてもいいじゃない。

全10話本当に楽しかった。心が軽やかになる気がした。
本棚の隅っこにいつもある、時々引っ張り出して読み返したくなるお気に入りの本みたいな、心がほんわかする大好きなドラマになりました。

3カ月間、素敵なドラマをありがとうございました。


2022.3.20  うーたん

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