見出し画像

令和2年診断士2次試験を書く~事例④~

本題の前に

諸注意は事例①の記事参照ということでお願いします。
*『 』→問題もしくは設問から抜粋として記述します。
<重要>
記述する内容はすべて私の個人的な考えであり、必ずしも正解ではありません。
「へー。こんな考えもあるんやね」くらいのスタンスでお願いします。
なお、事例④に関しては解答が明らかなものがあります。それらの問題は各予備校さんの解答の方がキレイなので省略します。

第1問~解答~

総資産回転率 1.18回転
自己資本比率 15.82%
売上高営業利益率 2.15%

資本の回転効率が高い一方、積極投資により、資本構成の健全性が低く、丁寧な対応のための費用負担により、収益性が低い

第1問設問①~設問読解~

①優れている点を1点、劣っている点を2点挙げること
②小数第3位を四捨五入すること。

第1問設問①~解答根拠~

必ず毎年あるこの形式の問題は、「本文中のここ+指標」から「こうだ」という解答であれば大外しはしないと思っています。各予備校によって取ってきている指標にもややばらつきがありますが、その点は決定的な差にはならないと考えています。
あとは、要素は「効率性」「収益性」「健全性(資本構成」あたり3点に絞り、重複させないことが重要だと思います。例えば、営業利益率と粗利益率を劣位点として2つとするのはNGだろうと考えます。
<優位点>
まず指標だけざっとみても、資本の回転率がいいことが目につきます。特に流動資産が競合よりも少ないのにも関わらず、売上高が競合よりも高いです。
じゃあなぜ私が流動資産回転率の類ではなく、総資産回転率を選んでいるのかという話になります。
理由は、本文中の、いわゆる「根拠」とした『業績は各事業セグメントの当期 ROI(投下資本利益率)....投下資本として、各セグメントに帰属する期末資産の金額を用いている』の記述です。
資本回転率が高いのは、ROIを業績評価に利用しているため、全社的に意識が高いからだという考え方なわけですが、ここで私がさらに注目したのは、『投下資本として、各セグメントに帰属する期末資産の金額を用いている』ことです。流動資産ではなく、資産の金額を用いてる点で、流動資産の類に範囲を限定して解答することに違和感があったため、総資産回転率を選択しました。
<劣位点>
劣位点の解答根拠は、設問2の解答から明らかであると思いますが、自己資本比率が積極投資(新規開店や土地)による債務の増加、売上高営業利益率が丁寧な対応のための費用負担増です。
「積極投資によって債務が増えた」とまでは書いていませんが、BSの負債項目の数字の大きさから考えると、これは明らかだと思います。
また、丁寧な顧客対応による費用負担は、PLの一般管理費の項目から読み取ることができます。

第2問に関しては省略

既述の通り、解答が明らかなため省略します。
ちなみにですが、設問1は正答を書けましたが、設問2は解答と呼べるようなものは書けませんでした。部分点があるなら、数点入ってるかなーくらいです。
とはいえ、設問2をパーフェクトに合わせられた人は少ないのではないかと思います

第3問~解答~

①買収価格と時価純資産額の差額100万円をのれんとして資産計上する。
②資金の調達コストを考慮し、それに見合うフリーキャッシュフローの獲得が見込めないときは買収を見送るべきである。

第3問~設問読解~

強いていえば、助言はリスクに対することであること。

第3問~解答根拠~

①は負ののれんであることを勘違いしました。会計の専門家としてあるまじき失態です。ちなみにですが、負ののれんは償却を行いません(特別利益になります)が、のれんに関しては償却を行います。10年償却が多いかなーと思います。
②に関しては、DCF法を頭に入れて解答しました。資本の調達コスト≒WACC≒割引率として、将来通して、当該投資に関して得られる割引後フリーキャッシュフローが現在の投資額以下であれば投資はしない方がよいという考え方で記述しました。

余談ですが、もしのれんが発生している場合、妥当な年数で償却を行うわけですが、決算期に減損検討を行う必要があります。

第4問~解答~

①4.31%
②-a 2.55%
②-b 4.17%
③-a 資本構成の健全性が考慮されていないこと。
③-b ROEを評価指標に加える
見ての通り間違っているところもあります。

*設問①と②は解答が明らかなため、以後省略

第4問~設問読解~

①現在の業績評価の問題点を挙げること
②その改善点を挙げること

第4問~解答根拠~

まず、「現在の業績評価」ですが、『業績は各事業セグメントの当期 ROI(投下資本利益率)....投下資本として、各セグメントに帰属する期末資産の金額を用いている』の記述から、ROIです。
問題点を考える上で、「この評価方法を使っているが故に起こっているかもしれない、指標上の劣位点」を考えてみました。
ROIは総資本(この問いでは投下資本)に対する利益率を表す指標です。故に、「資本がどのように構成されているか」の視点は入っていません。極端に言ってしまえば、(ありえませんが)全額債務で構成されていても、考慮されないわけです。
第1問で挙げた劣位点である、自己資本比率の低さは、評価指標として、資本構成の視点が入っていないからだと推測しました。
よって、資本構成の視点が入っている資本利益率の指標である、ROEを指標として加えることを改善点としてあげました。

<余談>
ROA=事業利益/総資産
ROE=当期純利益/純資産
という定義(一般的には)ですが、分子が違うのはなぜかご存じでしょうか
「資本の調達先はどこか?」「その時点の利益は誰のものになるのか?」を考えるとなんとなくピンときます。
<ROEの考え方>
これは単純で、全てが差っ引かれた後の当期純利益は絶対株主のものになります。純資産≒株主資本であるため、分母、分子も対応していて美しいですね。

画像1

<ROAの考え方>
ROAの分子である「総資産」には当然債権者の持ち分(≒負債)も含まれています。ではP/L上の債権者の持ち分はどこでしょう?
ズバリ「支払利息」です。比較するなら、P/L上でも債権者の持ち分が含まれている利益で比較しなければならないため、支払利息を算入する前の「事業利益」でるべきとなるわけです。(営業利益でも必ずしも間違いではない)
経常利益は既に支払利息を算入しているので、絶対Noです。

画像2

総評および感想

未だになぜ合格したかわかっていません。
事例④では確かに一定の点数稼げたかなと思っていますが、終わった瞬間は「こりゃ来年もやらないけんなぁ!」と思ってました。
実は今年は1次試験も通せると思っていなかったので、2次試験の勉強を始めたのは1次試験の合格を知ってからなので、2か月くらいです。
気が向けば得点開示請求をしてみたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?