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令和2年診断士2次試験を書く~事例③~

本題の前に

諸注意は事例①の記事参照ということでお願いします。
*『 』→問題もしくは設問から抜粋として記述します。
<重要>
記述する内容はすべて私の個人的な考えであり、必ずしも正解ではありません。
「へー。こんな考えもあるんやね」くらいのスタンスでお願いします。

第1問~解答~

(a)ステンレス製品の表面品質にこだわり、高めてきた溶接技術や研磨技術があること。
(b)制作プロセス含む業務プロセスが納期を遵守できる体制ではないこと。

第1問~設問読解~

①モニュメント製品の受注増を狙っている理由が強みにそのまま繋がる。
②弱みに関する記述は多数あるが、納期遅延が中心であることに留意。

第1問~解答根拠~

モニュメント製品には『特殊加工と仕上げ品質が要求』されることから、『特に鏡面仕上げ~高めることに努力した』の記述より読み取れる技術力の高さをそのまま素直にとらえました。
また、『モニュメント製品は~高い加工技術が要求される』の記述からも技術力の高さが強みとなると改めて判断しました。
弱みに関しては、記述が多数あります。詳細な問題点は第2問で問われているので、多数の記述から「ここ」と抜粋するのは避けました。(例えば、「標準化が確立されていない」等)
従って、大きな視点での弱みを記述しようとなるわけですが、私は『C社では、全社的な改善活動として~見直しを進めている』の記載から解答を作りました。「見直しを進めている≒弱みであると認識している」と読み替えて違和感はないと思います。

第2問設問①~解答~

(a)制作前プロセスに時間を要して制作期間を十分に確保できないことがあること、受注内容が製造部に随時共有されていないこと
(b)対応策は、設計段階から設計部が参画すること。それにより、制作前プロセスを同時進行しつつ、受注状況を製造部に随時共有する。

第2問設問①~設問読解~

営業部門で生じているものであること
②対応策は実現可能な範囲で記述すること。

第2問設問①~解答根拠~

営業部門で生じていることを聞かれているので、【業務プロセス】の記述が解答の中心になると考えました。
問題点の中心は『契約から製品引き渡し~C社の大きな悩みとなっている』であることは明らかかなと思いますが、『複雑な形状など~制作期間が受注計画をオーバーするなど』の箇所は営業部門の問題としてそのまま抜き出すのはやや外れかなと思いました。(このまま書くと「これは生産サイドの問題では?」となりかねない)
とはいえここは無視できないので、この記述から、営業部門の問題を考えます。本文記述のプロセスをじっくり見ていきます。

〇業務プロセス
(1)顧客から引き合いがあると、営業担当を決める

(2)顧客から提供される設計図、仕様書などを基に、見積もりを作成

(3)契約締結後、製作図と施工図を作成して顧客承認を得る(ここに時間がかかる)

(4)製作図を製造部に渡して制作指示をする。
*以後のプロセスはこの設問には無関係なので省略

このプロセスで私が気になったのは、製作図が製造部に渡されるまで、営業部から製造部への情報共有が行われている形跡がないことです。
もし受注の情報が随時共有されていれば、「この加工は難しいから事前に準備しよう(あるいは最終引き渡し日を予め交渉しよう)」「この加工ではなく、こっちの加工の方が早くて正確だ」などの対策が可能です。
よって、情報共有が行われていないことをもう一つの問題点として挙げました。

対応策に関しては、「世界一の営業マンを雇い、プロセスの進行速度を倍にする」など、本文から一切読み取れない飛躍したものにならないことに注意して記述しました。
製造部が制作前プロセスに参加することでコンカレントエンジニアリング的な考え方と行われていない情報共有を実現することを解答にしましたが、「製造部が制作前プロセスに絶対参加できない」という類の記述はどこにもないので、これはセーフだと思っています。

第2問設問②~解答~

(a)各作業チームの技術力に差があること、工程順序などの標準がないこと、作業スペースが狭隘であること、モノの移動による不稼働が多いこと
(b)OJTなどの教育等を行うこと、標準を設定して遵守すること、スペースを確保しつつ、モノの移動が少ないレイアウトへ変更すること、

第2問設問②~設問読解~

製造部門で発生しているものであること
②対応策は現実的な範囲で記述すること。

第2問設問②~解答根拠~

製造現場での問題点なので、【生産の現状】の記述が解答の中心になってくるだろうと思います。実際、問題点に関しては明確な記述が4か所ほどあります。
(1)『各作業チームの技術力~作業チームもある』→チームの技術差
(2)『C社の製品に~標準化が確立されているとはいえない』
(3)『最近の加工物~強いられている』→狭隘なスペースによる移動等の増
(4)『不稼働の作業内容~「不在」が多く発生している』
これらすべてを60字に入れようとするとかなり難しくなります。文字数がパンパンです。私は(3)と(4)の一部を合体させて押し込みました。
解決策に関しては、本文中に特に記述がないので、自分の引き出しから解答を作ることになりますが、基本的に問題点の逆を考えればそんなに外した解答にならないと思います。もっと一次試験で問われるようなキーワードを盛り込めるとさらに良かったかも知れません。

第3問~解答~

受注情報や受注の進捗、製品仕様、納期といった情報をリアルタイムで共有できるようにすることにより、打ち合わせや不在による不稼働を削減する。また、材料や工具の置き場所を設定し、何がどこにあるのかをまとめることにより、現品管理を徹底する。

第3問~設問読解~

①ITをどのように活用するかを問われている(→何を入れるかは重要ではない)
納期遅延の解消につながる改善でなければならない

第3問~解答根拠~

かなり悩んだ問題です。「こういう問題点をこのようにITを使って解消するんだ」という大筋を外さなければ、解答バリエーションは多岐にわたる、自由度の高い問題だと思います。
私は『それによると、~多く発生していた』という記述から見えてくる問題点を、情報の即時共有によって解決していくという考え方で解答しました。
解答には不要な要素ですが、イメージしていたITは、DBや、今でいうところのマイクロソフトTeamsのようなものです。コミュニケーションツールの導入をイメージしていた、ということです。
他にも、製造側のツール導入という点で考えると、2DCADから3DCADにすることで複雑な設計にかかる作業を短縮する、なども考えられます。しかしながら、私の解答では、製造に係る時短は第2問の設問1でコンカレントな体制構築で解決済です(ということにしました)。よって、コミュニケーション強化にITを使用するという方向性にしました。

第4問~解答~

高い加工技術をもつ技術者や高い設計技術をもつ営業を選抜し、モニュメント製品事業への専任チームを作成する。それによって、要求される特殊加工と仕上げ品質に高い技術力という強みをさらに発揮しつつ、納期の遵守をさらに徹底する。

第4問~設問読解~

付加価値を高められるような施策でなければならないこと
モニュメント製品事業の拡大施策でなければならないこと

第4問~解答根拠~

「付加価値を高める≒強みをさらに発揮する」ということは、強みさらに発揮するにはどうすればよいか?という視点で解答しました。
『モニュメント製品は立体的~要求される』という記述から、ここに支障が出ると、強みである記述力を発揮できない、つまりここに優秀な人材を投資すべきだという解答を作りました。
技術力の高い技術者はもちろんのこと、実際に顧客と接し、製作図と施工図を作成する営業も高い設計技術を持つ人間を選抜することを解答に盛り込みました。
こうすると、他の事業が成り立たなくなるのでは?という懸念が生じます。しかしながら、技術力の差やその他作業プロセス等の課題はこれまでの設問での解答で既に解決済であり、事業の維持には問題がないと考えます。
個人的な考えですが、設問中で解決策を提示した問題点に関しては「解決済み」として他の解答を作成してよいものだと思います。(これがNGだったら私の解答で合格には絶対なりません)

総評(というより実感)

正直、あまり手ごたえがない事例でした。
根拠あって解答はしていますが、どことなーく「浅い」解答な気がしています。最後の第4問が最たるものです。
第3問と第4問の割と自由度が高そうな問題で手ごたえがなかったことで「これ大丈夫か・・?」って思ってました。
当日は「ま・・まあ事例4でなんとでもなるし?」ってまだメンタル保ってました。

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