教師158日目~武田塾~

スケジュール

8:00~8:30 テスト点数相談
8:30~8:40 職員会議
8:40~8:50 ST
8:50~9:40 授業
9:50~10:40 時間割調整
10:50~11:10 理科会
11:10~11:40 教材研究
11:50~12:40 授業
12:40~13:00 昼食
13:00~13:20 休憩
13:20~14:10 教材研究
14:20~15:10 初任研
15:10~15:25 掃除
15:25~15:30 ST
15:50~17:00 学年会
17:00~18:30 部活動

最近、電車の広告やスポーツのスポンサーでよく見る武田塾。
コンセプトは「授業をしない塾」
やることは単純で、個人に合った参考書を紹介し、その進捗管理をするのみ。

最近、授業を受けるだけ受けて復習をしない、いわゆる受けっぱなしの状態では分かった気になるだけで出来るようにはならないと思うことが多くなった。
武田塾も恐らく考え方は同じで結局は自分で手を動かして問題を解かないと出来るものも出来るようにはならないよねという話だと思う。

さらに、授業では個人に合ったペースでの学習も出来ないし痒いところに手が届かないよねという話だ。
ここまでは僕も賛同できることが多い。
高校はだいたい同じ学力層の生徒が揃っているとはいえ、やはり出来る出来ないの差は激しい。
物理はその教科柄、格差が広がる傾向にある。
そうなると、授業は中間層向けにやらざるを得ないが、2こぶラクダ型の成績分布をしているので中間層向けの授業では刺さる層が極端に少ない。
そこで、僕は今の高校に多いであろう、なおかつそこを目指して欲しいという少しだけ上のレベルの層を想定した授業をしている。

しかし、一斉型の授業では個々のニーズに完璧に対応出来ているとは言い難い。
目指している大学によって求められるレベルが違うのはもちろんのこと、個人に合ったペースや教え方というのもある。
格差が広がっていて、求められる力もまちまち、個々で様々な事情を持つことも多い現代にはやはり個別対応が適している(受験勉強という観点で適しているだけであって、集団対応が必要ではない訳ではない)。
ただ、僕が武田塾と相容れないのは集団授業の可能性と必要性を信じていることと管理されなければ出来ないような生徒を育てたくないことだ。

参考書で独学で勉強出来る人はそれで良いが、僕はそのような層はあまり多くないと思う。
そして、そもそも独学出来るレベルならば塾や学校に頼らずともやれるだろう。
そう思うと、学校でやらねばならないことは3つ。

1つは全員に同じように求められる力である集団の一員として生きていく力を育てること。
もう1つは対面の授業を通して、テキストだけでは理解できない生徒に授業内容を理解をさせること。
最後に学校での全ての活動を通して、自分がどう在りたいかを模索させ、それに対してモチベーション高く、自分で考えて向かっていく力をつけてあげること。

これは対面で授業、面談、行事、学級経営等色々なことをやっている教師にしか出来ないことではないだろうか?
テキストよりも動画よりも理解しやすい生徒の反応に合わせた授業をし、それに加えて個別対応を行う。
授業のなかで集団で何かを成し遂げるような課題を設定する。
学級活動を通して、集団のなかでどのように振る舞いどのように自分の強みを活かすかを模索させる。
コーチング中心の面談で自分のなりたい将来像を引き出す。

まとめると、授業では集団で活動する力を伸ばし、個別対応で個々に合った育成をしていく。
そして、忘れさせてはいけないのは教師は伴走者であって先導者ではない。
方向を決めて走っていくのは生徒自身。
教師は代わりに走ってはいけない。
最後は自分1人でやっていけるようにしなければいけない。

授業で理解し、分からなければ自分で考え、それでも分からなければ聞く。
理解できたら後は復習・演習。
自分から様々な活動に参加し、自分がどう在りたいのかを見つける。
見つけることが出来ればそうなる為に今何が必要かを考えて行動する。
ここが最終ゴールだ。
卒業したら教師はずっと一緒に居られる訳ではない。
卒業と共に(それより前に)1人立ちせねばならない。
その為に3年間を通して辿り着けるように最大限のサポートをする。
授業、行事、学級等様々な活動を通して。

書いていて思ったが、教師にはやはり多様な能力が求められ過ぎている。
まずはそれらの能力を伸ばせる時間を確保すること。
そして、さらにはきちんとした役割分業を考えていかねば理想の教育は出来ない。

やらねばならぬことはたくさん。
無駄な仕事も多く、時間的余裕はない。
ただ、そのなかでも自分の理想の教育を常に追い求めてそこに向かって最適な行動をしていく。

終わり。

教師の労働の実態について書いています。 忙しいなかでも投稿する励みになりますので、良ければサポートのほどよろしくお願いします! 一緒に教師を今よりもっと魅力ある職業にしていきましょう。