教師169日目~嘲笑~

スケジュール

8:00~8:30 電話対応&冬季課題解答作成
8:30~8:40 職員会議
8:40~8:50 ST
8:50~9:40 授業
9:50~10:40 初任研
10:50~11:40 授業
11:50~12:00
12:00~12:40 冬季課題解答作成
12:40~12:55 掃除
12:55~13:00 ST
13:00~14:00 冬季課題解答作成
14:00~15:00 追考査指導
15:00~16:00 質問対応
16:00~18:00 部活動

1週間が終わった。
冬休みまで残すところ後3日になり、短縮授業にもなっているので比較的早く1週間が終わる。

しかし、1週間が終わっても明日は土曜課外。
2学期が終わっても冬季課外。
正直、そこまで課外やる必要ある?と思ってしまう。

他の地域ではほとんどやっていないにも関わらず、なぜかこの地域だけは学校で全てをやりたがる。
ここまで教師も生徒も疲弊させて本当に成果が出ているのだろうか?
一概には比較出来ないが、課外をやらない地域があり、その地域からも本校より進学実績が良い高校も山のようにあるので時間対効果は低いように感じる。
ここはいっちょ、課外を辞めてみてどの程度成績が変わるのか見てみたいものだ。

課外も授業も昔ながらの講義型の授業をやる先生が多いが、(かく言う僕も講義型授業をすることが多い)もうこの講義型授業というのは限界に近付いていると感じる。
そう感じる理由は2点ある。

①2こぶらくだ型の学力分布に対応出来ない
②映像授業で代替可能

まず、①だが最近は高校でさえ学力の2極化が進んでいる。
それに対して講義型授業は中間層に向けた授業になりがちだ。
すると、講義型が有効な層はボリューム層のちょうど間の谷になっている層で、講義が刺さる生徒数が最も少なくなっている。
何とも皮肉な話だ。

低学力層には難しく、高学力層には簡単すぎる講義になってしまっているということだ。
この現状が分かっていても簡単に変えることは出来ない。

②は東進やスタディサプリが台頭してきた今、講義型授業の必要性が下がってきているということだ。
月額980円(愛知県の高校生なら0円)でそこそこ分かりやすく、自分のレベルに合った授業が受けられるのでわざわざ学校に来て、自分のレベルに合わない授業を受ける必要がないのだ。

極論を言えば、スタディサプリで知識をインプットして自習でアウトプットしていけば完結するのだ。

では、学校は何をやるべきなのか?
それこそが市民性教育だ。

せっかく1学年1000人近い人間が同じ場所に集まっているのだから、そこで集団として生きていく術を学んだり、お互いの交流からより深い学びに結びつけたりしないと意味がない。
ただ、それをきちんとやろうと思うとやはり時間が足りないという壁にぶち当たる。

そこで、僕は新しく学校を作りたい。
そこでは以下のコンセプトで生徒を育てていく。

大前提:教師が幸せに働ける環境を作ることで生徒に還元していく。

この大前提があったうえで、1日4時間は映像授業を見たり自習をしたりして(自分でやれるならば来なくても良い)、知識をインプットしていく。
その時間の中で教師から生徒へコーチングを行い、モチベーション管理をしていく(もちろんこれ専門の教師を数名雇う)。

残りの3時間で自分の専門教科の研究をする先生の相互コミュニケーションをメインにした授業を受け
る。
この授業では映像授業でインプットした知識を活用して新たなアウトプットを生むようなパフォーマンス課題やチームで協力して何か大きなものを作り上げるような授業を行う。
授業を1日3時間にすることで教材研究に多大な時間をかけられるようにする(その分少し授業をする教師を減らして上に書いたような相談員や事務を増やす)。
それぞれの先生がじっくり教材研究した授業を他の先生もしっかりと見て検討し、次の実践に繋げていく。

それに加えて、1年間の教育実習生(インターンシップみたいなもの)もたくさん受け入れて、学びを提供する代わりに仕事もしてもらう。
最終的にはこの高校で1年間やったという事が良い教師の証明みたいになってくると嬉しい。
たくさんの蓄積された実践があり、知見をたくさん持った教員が集まり、じっくり教材研究出来る時間がある。
そんな魅力的な学校を作りたい。

この学校で働くのは以下のような人を想定している。

①専門科目の授業をする教師
②個別担任をする教師
③教育相談を行う養護教諭やカウンセラー
④裏方の事務仕事をする事務員
⑤部活動を行う元プロレベルの指導者

①の人は事務仕事や部活動は他の人に任せ、授業時数も週に9コマ以下。
その分、きちんと研究した実践を行い、その後きちんと検討まで行う。

②の人は1人で20人以下の生徒を担当し、映像授業のペースやモチベーション管理、進路指導等も行う。

③心のケアももちろん大切なので養護教諭やカウンセラー、ソーシャルワーカーを雇いたい。

④学校運営には思っている以上の事務仕事が存在するので、出来る限り多くの事務員さんを雇ってきちんと分業出来る体制を作りたい。

⑤部活動はなかなかなくせない気がするので、指導力が担保された部活動指導員も雇いたい(元プロのセカンドキャリアを支援するために指導の仕方を教え、働き先を探すような企業があるのでそこと提携する)。

最低限これくらいの人達を集めないと良い教育は出来ないと思う。
お金はかかるが、リクルート等と提携すれば実績作り(実験学校)と称して資金調達は出来そう。

今はこれらの仕事を全て教師が担っている。
そもそも全てを完璧にこなせるスーパーマンは存在しないし、もし居たとしても全てを完璧にやるには時間が足りない。
そうなれば、歴史が証明してきたように分業体制を築くしかない。
これまで組織が出来てきた理由は分業した方が効率的だった為である。

今の学校は分業した方が良いのは明らかなのに、お金がないから分業出来ない。
それならば、授業を基本は映像にすることで教えるだけの教師を減らし、その他の役割を持った教師を増やせば良いだけ。

こんな夢みたいなことを今日若干職員室で語ったら鼻で笑われたが、笑われるくらいがちょうど良い。
いつだって歴史を変えてきたのは馬鹿にされ続けてきた人間だ。
変に社会に適応した人間には何も生み出せない。
僕は必ず自分が追い求める教育を実現させる。
その為に学校を作ることが必要ならば作る。
教師も生徒も幸せに生きられる学校を作る。
それだけ。

終わり!

教師の労働の実態について書いています。 忙しいなかでも投稿する励みになりますので、良ければサポートのほどよろしくお願いします! 一緒に教師を今よりもっと魅力ある職業にしていきましょう。