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未来の社会で失うもの

散々、現代のピラミッドの社会と
未来の社会のことを書いております。
もう耳にタコでしょうか。

今日は未来に失うであろう、
「優越感」について書きます。

* * * * *

僕らは常に優越感を感じています。
たぶん、誰だってそうです。

誰かよりもたくさん持っていること、
たくさんできること、
たくさん知っていること、
そういうことに価値があると思っています。

だから今まで散々競争してきました。
いろんなものを犠牲にして、
効率を上げて、人生を捧げて。
誰かを上回ることを目標に生きてきました。

優越感が気持ちいいと思うのは、
死への恐怖の裏返しです。

誰かよりも能力が高くなければ、
生き残れない。
そんな時代が過去にあって、
その名残がまだ残っているのです。

でも、もうそんな心配は要らないくらいに、
物はたくさんあります。
今までたくさん作りましたから。
野垂れ死ぬとか、普通はありません。
そして今からは、僕らができなくても、
機械やAIがやってくれます。

住むところはいくらでもあります。空き家が問題になっています。
着るものもいくらでもあります。古着屋さんがたくさんあります。
食べるものもいくらでもあります。たくさん捨てています。

誰かと比べて
能力が高いか低いかというのは
既に問題ではありません。

冷静に考えてみれば、
すでに競争する必要はありません。
死への恐怖を行動原理にする必要はなくなったのです。

この百年で、生産効率は一体何倍になったのでしょうか。
みんな、ただの名残で、
それをまだやっているだけです。

そのうちに気づきます。
なんでこんなことしてたんだっけ…って。
気づかないわけがないのです。
それはただの時間の問題です。

必要なものは既に持っていると、
みんなが気がついたとき、
優越感を求める必要はもうありません。

優越感を持つ事は気持ちの良いことですが、
もうそろそろ、なくても良いのかもしれません。

だけど、それを失う事は、
なんだか人生の楽しみを盗られたように
感じるかもしれません。

* * * * *

僕は大好きだったお酒をやめて
4年ほど経ちました。

酒が唯一の楽しみ、
みたいなところありましたから、
それを手放して、喪失感を感じたこともありました。

でもそれは全然違いました。
素晴らしい世界がそこにありました。
それは断酒した本人にしかわかりません。

* * * * *

優越感を手放して、得るものがあります。

才能を思う存分発揮できる世界です。
その世界では才能を
優越感を得るために使いません。
ただ才能を使うだけです。

全員が異なる才能を持って
生まれてきています。

全員がジグソーパズルのピースです。
同じ形のピースは1つもありません。
誰かにできる事は、
誰かにできないことです。

ジグソーパズルのピースが
ぴったりと合っていきます。
少しずつ、ほんの少しずつですが、
世界というジグソーパズルが元通りになっていきます。
世界は回り始めます。

その時、僕たちはただ生きているだけで、
世界とのつながりを感じて、
深い充足感を味わっているでしょう。

優越感を得たときに
一瞬だけ気持ちいいような、
そんなケチな世界ではありません。


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