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キハ85巡検(?)①/2022冬の陣

 2022年、どんな年でしたか?と聞かれたら、「キハ85に熱中した年」と即答するだろう。休みを見つけては東京から高山へ出向き、世界最高気動車(主観)キハ85の撮影に励んだ。そんなオタクの一年を振り返りながら、思い出に浸るキハ85巡検(?)シリーズ。第1回は、初めての高山本線撮影訪問、2022年冬の2泊3日遠征よりお届け。


Day 1

 ケチって昼行バスで行ったので名古屋に着いたのは午後。日が暮れるまでは適当に名鉄を撮って過ごし、日没後名古屋車両区に行ってみた。橋の上で寒い中待っていると、ちょうど帰庫する列車が来てくれた。スローシャッターで動きをつけてみる。ライトに照らされ輝くステンレス車体は美しい。

まだキハしかいない頃のナコ、懐かしい…

 この後ひだ19号で高山へ向かい、投宿。翌日の撮影行程がなかなか上手く立てれず、結局寝たのは1時を過ぎた頃であった。

Day2

 高山本線は普通列車が少ない。そのため、車を使えないオタクは徒歩とバス移動を駆使して撮影するほかないのだ。特に朝はまだバスもないので長距離を歩く必要がある。雪がへばりつき歩きにくい国道を、朝からひたすら歩いた。
 なんとか撮影地に辿り着き少し待つとひだ4号がやってきた。夜間留置されている時に積もったのだろうか、屋根上に少しばかり雪を乗せ駆け抜ける姿はなんとも愛おしい。徒歩行軍の疲れも一気に吹き飛んだ。

貫通先頭4両、かっこよすぎ…

 次の撮影地に転戦するためちょうどよくやってきたバスに乗りこむ。すると、僕が頑張って歩いた40分の道のりをほんの数分で駆け抜けていってしまった。暖かい車内で車とは偉大なものなのだ、と感じつつどこか虚しさを覚えたのであった。

 その後普通列車で移動し、駅からまた歩くことになったが今度はなんと全く除雪されていない道だった。膝上まで積もった雪の中、必死になって歩いた。途中雪も舞ってきて寒くなる中、苦労して進み続けた先には…

勝利が待っていた。なんだこの巻き上げは!!!素晴らしいすぎる!

 苦労は報われる。そんな言葉が頭をよぎった。線路に積もった雪を豪快に巻き上げながら力走する姿は美しすぎる。貫通側の顔が好きなので非貫通顔はそこまで好みではなかったが、このかっこよさには流石に痺れた。
 この後また移動し流し撮りを遂行したが筆者のスキル不足の影響であまり上手くいかず、2日目はこれにて終了。とはいえ大満足の結果に喜びを噛み締める。疲れ果てていたがまた翌日の撮影行程が決まらず結局寝たのは1時を回った頃だった。学習してくれ…

Day 3

 短めの遠征なので、本日が最終日。眠い目を擦りながら普通列車に乗り込む。途中駅で列車を降り、ホーム上で構える。少しすると、ひだ6号がやってきた。背景の木々の着雪、シェルターに積もった雪、その全てが美しい。3両という短さも、また愛らしい気がした。

シェルターの積雪、何cmあるんだろうか…

 ここからは地元の町が運行しているコミュニティバス的なものに乗り撮影地へ向かう。フリー乗降ができるので人家の全くない国道の途中で降ろしてもらうという荒技に出た。運転手さんは明らかに困惑していたが、「鉄道撮りに来たんです」というと納得してくれたようだった。そんな国道脇で列車を待つ。やって来た3両編成の特急列車は、雪に染められた谷の風景によく似合っていた。

ここまで雪景色に似合う車両、ほかあるだろうか…

 日程の都合上今日のうちに帰京しないといけないため、3日目はこれにて終了。昼行高速バスに乗りおうちに帰った。こうして、初の高山本線撮影旅行は幕を下ろしたのであった…

To Be Continued…

 こうしてキハ85に魅せられた僕は数ヶ月後、再び高山本線を訪れることとなる。季節は夏。美しい新緑の中、キハ85はどんな姿を見せてくれたのだろうか…キハ85巡検(?)、次回もお楽しみに。






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