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最初のEU混合食品輸入規制の対象となったコンテナが無事に倉庫に到着した話

私は札幌で製造された生ラーメンを輸入し欧州全域に販売をしている。
世界的に話題になったスエズ運河の座礁事故の影響を受け、私達の商品が載った船も遅れが生じた。約1ヶ月の遅れで到着した。

先日無事に倉庫に入ってきてホッとしている。
4月21日から開始されたEU混合食品輸入規制の対象ではないコンテナが、事故の影響で対象になってしまったからだ。

当時の状況について焦りを綴ったこちらの記事も合わせて読んで頂けると臨場感が伝わると思うので、よろしければ御覧ください。


施行後に入ったコンテナがどの様にして輸入されたか

結論から言うと

4月22日(規制施行後2日目)にオランダ・ロッテルダムの港に到着したコンテナは普段と変わりなくドイツの倉庫に入庫した。

このコンテナには、卵を含む製品が乗っており書類を揃える必要があった。
しかし、その書類は日本を出港する前に作成するものであり、出港後には作成することはできない。

ロッテルダムの税関パートナーに事情を説明し、何か対策はないか相談をしたが、彼らも「分からない」という回答で、先行きが見通せないまま入港を迎えることになった。

通常だと、入港前日にロッテルダムのパートナーから連絡があり、書類の確認や荷物の送り先などの確認のやり取りがあるが、今回は連絡が無く不安だった。入港当日の夕方にその日の夜に到着すると連絡があった。

その後、通常通り通関が切られ倉庫に入ってきた。
前述したように、EU混合食品輸入規制に必要な書類は完備していなかったが、何の問い合わせも無く作業が進んだ。

スエズ座礁事故の影響で世界中の港で起こっている事

なぜ何事もなく、通関が切られたのか調べてみたら、こんな記事を発見した。

スエズ座礁で遅れたコンテナが世界各国の港湾に到着し、港が大パニックになっているという記事だ

一部抜粋をしているが、欧州の2大港であるロッテルダム、アントワープ共に、港に船が押し寄せ、オランダ人やベルギー人が根性論で働いている状態のようだ。ヨーロッパでは考えられない状況だ。
忙しくて一つ一つコンテナの中身をチェックしている余裕がなかったのではないかと推測する。

私達と同じような状況のコンテナは沢山あったと思うし、全て正確に処理しようとした場合、この混雑を解消することはできないだろう。
不幸中の幸いで私達のコンテナは無事に通関を通過できた。


今後の輸入商品について

私達は「グレーは黒」という事で少しでもリスクのあることは実施してこなかった。万が一コンテナが止まり、欧州のラーメン店様、レストラン様への納品が滞ると甚大な迷惑をかけてしまうため、定期的にEUの輸入規制をチェックし、商品の原料を変更してきた。
かなりコストも掛かるし対応にも時間もかかるが、お客様に迷惑をかけないために必要な作業でした。

結果的に今回も対象商品が非常に少なくあまり影響を受けないで商品を輸入できる。

今後もこの規制は厳しくなる一方だと思うので今後も注視して対応を進めていきたい。

私達メーカーは、安定供給が最大の使命である。

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