060809

ちょっとでもいいから。
私に降りそそいだ幸運は最大化したいし、同じように不運は最小化したい。
ちょっとずつでいいから。
私は周りを見渡してみる。私に与えられた幸運をひとつひとつ確かめていく。辞書が手元にあること。寝る場所があること。水分を摂れること。冷房があること。連絡をくれる友人がいること。休日にあってくれる人がいること。これらは当たり前ではない。少しでもいいから前に進みたい。
それには幸運の力を信じるしかないのではないか。いじけている場合ではないのだ。臆病で消極的な性格になっている場合ではないのだ。
……
今日仕事に行けば、明日から夏季休業である。
うれしい。とても長い夏休みが始まる。
どうせ昼夜逆転するのだろうけれども。
とにかく休むことを優先したい。
とにかく休んで、とにかく準備することを優先したい。
準備…?
そう、転職の準備である。
いろいろと求人をチェックする。質問問答集に応える。
今年の夏はどんな夏になるんだろう。
まぁ夏至の日からすでに夏は始まっているんだけれどね。
殺風景な景色だなと思う。面白味のない景色だなと思う。もう少し私の目を楽しませるものがあればいいけれど。殺風景な机上だと思う。面白味のない机上だと思う。ノートパソコンとトイレットペーパーが配置されている。それしかないのだ。なんて面白味のないデスクなのか。もっとおしゃれなデスクライトとか、おしゃれなマグカップとかないのだろうか。どうしてスヌーピーのマグカップなんだろう。不気味すぎるだろう。
明日になれば忘れてしまうような朝だ。数ある朝と見分けがつかない朝だった。遠くから辛うじて蝉の鳴き声が聞こえる。窓の外を見てみると、日の光が強いのに空自体は曇っていて落ち着かない。急かされている感じがする。お前はまだ部屋の中に閉じこもっているのか? みんなもう外に出ているのに? そう問いかけられているような気がした。……そう自分に問いたい気持ちになるのだった、本当は。私が勝手に自責的な思考になっているのだ。明るい曇り空を見て。
……
もっと自然体で文章を書けるようになりたい。もっと小説を書けるようになりたい。小説を書けるようになりたい。東京で暮らしたい。東京で一人で暮らしたい。東京で暮らしたい。もっと運気を上げたい。もっと運気を上げたい。東京に転職したい。東京で暮らしたい。もっと運気を上げたい。もっとハッピーになりたい。私の文章にも英語のような硬質さが欲しい。

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