080809

けだるい。精神的に疲れている。身体は元気だ。やって損なことはない。しかし急ぐな。後ろの車に煽られていると思え。とにかく落ち着くのだ。焦ってはいけない。後ろの車に煽られていると思え。後ろから猛スピードで追い上げる「現実」に煽られていると思え。したいことはたくさんある。明日は準備の日にあてようか。私にはやりたいことがたくさんあるのだ。焦るな。焦ってはいけない。焦らないのが私の下半期のテーマになりそう。ゆっくり、しかし確実に。焦らない。現実に煽られているのだ。よい集中をしたい。よい集中。私は運気を上げたい。私は少しでも運気を上げたい。私は少しでも不運を避けたい。そのために私は何をしたらいいのか。人間の運気。夏の運気。友達との再会。終業後、上司と焼き鳥の居酒屋に行く。若い人がたくさんいた。私よりも若い人だ。彼らは大学生だと思う。この田舎ではなかなか見ることのない風采の人たちだった。彼らが後ろを通ると、新宿や池袋の歓楽街のにおいがした。この田舎ではなかなか嗅ぐことのないにおいだった。胸が苦しくなった。令和の時代にそのにおいと再会するとは思わなかった。私の大学時代のにおいである。そうしたにおいを、今では避けて生きている。そうしたにおいと、対極にある生活をしている。私は柔軟剤のにおいしかしない。夜の香水のにおいはもうしない。
私は自分が認められないのではないか? ひとつの疑惑が私の頭の中に浮かぶ。突然のことに私は驚く。私は自分のことを他者として捉えなおした。もういちど疑惑に戻ろう。「私は自分が認められないのではないか?」この文章が何を意味しているのかいまいち判然としない。この文章はもっと具体化できるはずだ。私は自分が小説を書けないことを認められないのではないか? うん、いい感じ。しかしまだだめだ。私は思考の速度を落として、物事の本質を(そういうものがもしあればだが)見極めようとした。濃霧の中の友人をじっと見つめるように。
私は自分が小説を書けないことに向き合いたくないのではないか。
これだ! 私はパソコンの前で手を叩いた。思わず手を叩いてしまった。普段なら絶対にしない行為だ。
もっと不埒で、もっと野蛮で、もっと混沌とした文章。
人間の汗臭さや、人間の汚さを感じるエピソードを書いていきたい。
私の文章は——私の自然な文章は、とてもシンプルだから、エピソードは野蛮で混沌としていてもいいのかもしれない。文体と内容の関係は、声と全体的なサウンドの関係と似ている、もしかすると。

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