「スイスの象徴になった少女 〜“ハイジ”はこうして生まれた〜」

「スイスの象徴になった少女 〜“ハイジ”はこうして生まれた〜」を。戦後、ナチス・ドイツに協力したスイスのイメージの払拭や観光産業に『ハイジ』が果たした役割が浮かび上がります。小田部羊一たちのスイス再訪を取材し、可能な限り可能性を汲み取りながらも、高畑アニメがスイスの脱色に加担していることを静かに告発しています。

(『赤毛のアン』と同様に)ハイジが児童労働力として売買されている事実を消している点の指摘もありました。スイスのなかでも、フランス語圏では書き換えと続編が作られ、ドイツ語圏ではそれが知られていない、というスイス内の分断もあります。また、スピリが息子と夫の死後、なぜ児童文学に向かったのかにも、シスターフッドを含むかなり重要な指摘がありました。

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